Joe's Labo

城繁幸公式。
というか避難所。移行か?
なんか使いづらいな・・・

若者マニフェスト…続報

2009-08-17 12:14:46 | ãã®ä»–
若者マニフェストのサイトに、マニフェストのダイジェストと、主要政党の評価
がアップされているのでご報告。
会見動画もyoutubeの方にアップされているので、
興味のある方はそちらも見て欲しい(リンク先参照)。

先週の日経ビジネス、翌日の朝日新聞朝刊など、メディアの反応もまずまずだ。
さらにメディアの引き合いも着ているので、決定次第、告知していく予定である。

雑感@民主党本部

2009-08-15 13:04:30 | ãã®ä»–
火曜日、民主党の定例記者会見に参加してきたので、その雑感。
いや、特に何も無いのだけど、自民の時もやったことだし。

本部は自民のすぐ裏手にある雑居ビルだ。
どこにでもある普通の雑居ビルなので、エントランスももちろん共有。
フロア説明のプレートに、一般企業に混じって「民主党」とあるのは、
ちょっと違和感。雑居ビルの前に警官が立っているのもすごく違和感。

こんなビルで会見なんてできるのか、と思っていたが、1フロアほぼぶちぬき
なので、むしろ自民より広いだろう。
一番の違いは、敷居の低さだ。自民が報道関係者に限定していたのと対照的に、
こちらはほぼ完全フリー状態。極端な話、席が空いていれば誰でも入れるらしい。

質問も雑誌、新聞わけ隔てなくさせている様子で、
「全国紙優先です」とわざわざアナウンスして雑誌の怒りを買う自民党より
賢明だと思う。
会見自体は特に何事もなく終了。マニフェストの追記と、自民マニフェストへの
疑問表明という二段構成で、テンポよく流れていた。

印象としては、やはりというかなんというか、民主というのは相当な狸だな
という感じだ。
たとえば、郵政民営化について質問されると、
「うちは別に公社化もましてや国有化するなんて言ってない。あとあと微調整が
必要となった際に手をつけやすいよう、プロセスを見直すだけ」
と巧妙にはぐらかす。
友党が掲げるような“抜本的見直し”なんてする気はさらさらなくて、明らかに
うやむやに済ませるつもりだ。

恐らく、過半数取ったら平沼グループ同様、早期に切り捨てる予定なのだろう。
素晴らしい。いらないモノはどんどん捨てていかないとね。
邦夫ちゃんが合流したらどうしようかと心配していたが、その心配は無さそうだ。

聞けば、本部も移転予定らしい。
さすがに第一党で雑居ビルは厳しいのだろう。
でも、いつ政界再編があるかわからないし、なかなか思い切った投資も難しいはず。
そういえば近くに無駄にでかい社民党本部があるので、間借りすればいいのではないか。
連立組みそうだし、賃料収入でみずほちゃんも喜ぶと思うけど。

本土決戦2009

2009-08-14 08:37:30 | ãã®ä»–
池田先生のブログ経由で読んで思わず笑ってしまった記事がコレだ。
そうか、いつのまにか日本は総力戦を戦っていたのか。
そりゃ閉塞感に包まれるはずだ(笑)

以前、コメントでもちょっと話題になっていたので簡単にまとめておきたい。
財政について、再建はもう現実的ではないので、一度何らかの形で破綻させて
しまった方が良いという意見は、確かに一部にある(もちろん公では言わないけど)。

これは一見突飛に見えるが、よく考えてみれば非常に合理的な考えだ。
これから数年で、大胆な規制緩和を進め、人も金も新規事業に移して成長率を高めつつ
社会保障の高齢者自己負担引き上げや消費増税など、痛みを伴う歳出カットを積極的に
すすめて財政規律を復活させるなどというスーパー上げ潮路線が可能だろうか?
中川秀直さんに開発独裁でもしてもらえばいけそうな気もするが、
党内でも干され気味なのでまず無理だろう。


そもそも、ほんのちょっぴりの社会保障の切り下げと、(民間と競争するためには
国債ばかり買っていたら大赤字になるのは確実なので今のうちに民営化しただけの)
郵政民営化という平凡な改革ですら、いまだに議論したがるバカがいる国だ。

ということは、2030年ごろになって「やっぱりダメでした」とやられてしまうと
それまでに極楽浄土だの天国だのに脱出完了した人は(食い逃げできたわけだから)
大喜びだろうが、残された世代はたまったもんじゃない。
特に、その頃に60代になっている団塊ジュニアは、今の団塊どころじゃない
言われようだろう。

「数だけ多いお荷物世代」
「こうなるのは分かっていたくせに、なんの手も打たなかったA級戦犯」
「医療も年金もこれからは自己責任」

積み上がった借金を大増税と超緊縮財政ではけさせるにしても、インフレでチャラ
にするにしても、経済は破滅的な打撃を受け、まさに戦後の焼け野原状態になる
だろう。
その頃まで先延ばしすれば、それだけ焼け野原の面積が拡大し、さらにはそれまで
現役世代からの不毛な所得移転が続くわけだから、イノベーションや出生率といった
日本全体の地力も損なわれ続けることになる。
だったら、カタストロフィは早い方が良いではないか、というのが早期破綻論の
ロジックだ。

考えてみれば、これは歴史上何度も繰り返されてきた“リセット”だ。
第二次大戦後、インフレで戦時国債という無駄な公共事業費をチャラにすることで
その後の発展につながったことは記憶に新しい。
「本土決戦」なんていって後数年頑張っていたらどうなっていたか。

明治維新もそうだ。
幕府・大名・そして士族という既得権を崩し、最後は“秩禄”という家禄相当分の
債権を踏み倒すことで、近代国家への道をスタートさせた。
この時代が羨ましいのは、多少の混乱はあったものの、基本的には武士たちが
既得権の放棄を受け入れてくれたことだ。
もちろん、「侍の権利を守れ!」という自称労働者政党も、
「侍と平民は連帯しよう!」といって商売するバカもいなかった。


21世紀も引き続き日本を成長させていくために、斜陽国から新興国家へ、強制的に
リセットボタンを押すべきだと、彼らは考えている。

個人的には、実質的な財政破綻の影響がどうなるかなど、分からない部分が多すぎ
るので、なるべく財政再建を意識しつつ、上げ潮も並行して進めるべきだと考えている。
今のところはそっちの方が多数派なので、早期破綻論というのは一部の過激派と
言えるかもしれない。

それにしても、改革否定派(潜在的破綻派と言い替えてもいいが)
の面々を見ていると、実に不思議な気分になる。
若年層で後者を支持する人間には、むしろ破綻でもっともダメージを受ける
グループが多い気がするのだ。

たとえばアウトサイダーはどんな状況になっても生きていけるので問題ない。
むしろ、成り上がるチャンスと期待する向きすらある。
大企業や官庁で働いていれば、貧しくとも死ぬ状況にまではならないだろう。

問題なのは、非正規雇用労働者などの弱者だ。
インフレで金融資産保有層が大ダメージを受ければ、表面上の格差は縮小するだろう。
だが06年前後の好況時を見ても分かるとおり、賃上げという果実は付加価値の高い
業務を担当している正社員に優先して回されるから、このインフレ時にも非正規
および中小下請け企業の賃金上昇率は、物価上昇率にはとうてい追いつかないはず。
資産が無ければ文字通り野垂れ死にするんじゃないかな。
まあ、そういうケースも含めての“ゼロリセット”なんだろうけど。

そう考えると、この状況でさらに
「景気浮揚対策として、国債中心に200兆!」
をマニフェストに掲げる国民新党は、実は早期破綻推進政党なのかもしれない。

13日テレビ東京『E morning』

2009-08-12 18:46:36 | work
明日13日朝9時~ テレビ東京『E morning』出演予定。
テーマは世代間格差。
もちろん、若者マニフェストにも触れるつもりだ。

若者マニフェスト2009

2009-08-12 08:28:02 | ä¸–代間問題
昨日、都内で「若者マニフェスト2009」のメディア向け発表記者会見を
実施したので、報告したい。

以前からちょくちょく言及している「若者マニフェスト策定委員会」の手による
もので、もちろん雇用パートは僕が主幹となってとりまとめた。
当マニフェストでは他に、

・財政及び社会保障制度
・政治参画
・家族支援制度

といったパートを含む。
それぞれの分野で一定の実績と専門性を持つ人間を中心にまとめた提言集だ。
今後、さらにメディアや各種勉強会を通じて、政党へのプレッシャーとしていきたい。

政党マニフェストとの最大の違いは何か。それは、サブタイトルにあるとおり。
『世代間格差の是正と持続可能な社会を目指して』
同時に、この視点から、主要6政党のマニフェストを評価した結果も公表した。
これらについても、おいおいサイトで公表していく予定だ。

会見終了後、一人の記者から、
「若者のマニフェストが方向性としては一番正しいのではないか」
と言われてちょっと驚いたが、考えてみれば当然かもしれない。

我々が気にかけているのは未来だ。
特定の支持団体向けのサービスやイデオロギーと違い、
未来は万人に対して公平である。

しがらみやタブーの無い分、今後もズバズバ踏み込んでいきたい。



日本海軍 400時間の証言

2009-08-10 12:14:36 | ãã®ä»–
昨夜、NHKスペシャル
「日本海軍 400時間の証言 第一回 開戦 海軍あって国家なし」を見た。
いろいろと思うところがあったので簡単にまとめておきたい。

海軍の作戦立案に携わった軍令部の生き残りが、戦後に集って行なった戦争の分析。
その、いわば“反省会”の模様を録音した、のべ400時間にも上るテープを元に
番組は構成される。

三夜連続の一回目なので、まだ総合的な評価は言えないが、海軍の頭脳たちの言葉は
とても生々しい。

特に印象に残ったのは、軍令部長以下誰一人、確固たる自信の
無いままに、戦争を始めてしまったという点だ。

彼らを駆り立てたものとは、なんだろう。

猪瀬直樹の「空気と戦争」は、別のアングルからそれについて取り上げた著作だ。※

開戦前、官民軍の30代エリート(戦後の日銀総裁もいる)を集めて設立された
総力戦研究所は、いわば来たるべき戦争をシミュレートする和製ランド研究所だった。
彼らの出した結論は、緒戦は勝ったとしても、物量作戦で必ずまけ、最後はソ連が
参戦してくるという(内容的にも正確性も)驚くべきものだった。

ところが、東條英機はこれを「机上の空論」と一蹴してしまうのだ。
「日露戦争も勝てるとは思わなかったが勝てた。戦とは計画通りにはいかないものだ」
ロジックで出した結論に対し、情緒で異を唱えてしまう典型だろう。
「正社員で雇うべきなのに、そうならないのはおかしい!」といって
派遣切りを拡大させてしまった共産党と本質的には同じである。
東條の情緒を生み出した空気こそ、陸軍と海軍を戦争に引っ張り出したものと同じ
だろう。

空気の正体については、やはり山本七平の一連の著作が詳しい。
氏は日本陸軍について、誰も包括的にものを見ることが無く、また見えても言わない。
結局、前例に従って流れるだけの組織だとし、それを“自転”と呼ぶ。
結局、開戦前に見えた人がいたとしてもそこまでで、後は組織として破滅へ自転して
いくしかなかったのだろう。
このあたり、前例主義ときわめて親和性の高い年功序列と、一定の関連性があるように
思われる。※

なお、山本氏の著作としては『空気の研究』が有名だが、個人的には
『一下級将校の見た帝国陸軍』の方が具体的な事例に富んでいておススメだ。
「戦略の無い組織からは精神論しか出てこない」という意見は
世の多くの政治家・経営者が肝に銘じるべきだ。



※元は「日本人はなぜ戦争をしたか 昭和16年夏の敗戦」という猪瀬氏の本だが
 絶版中らしい。

※山本氏も、陸軍が階級よりも年次が重要な年功序列組織だったと指摘している。
 

キャリア官僚に女性が増えた理由

2009-08-08 11:57:20 | äººäº‹
キャリア官僚の女性採用比率が30%を超えたらしい。
「05年の閣議目標を前倒しで達成した」的なニュアンスで伝えられているが、
もちろん、そんな単純な話ではない。
そもそも、閣議決定されました、はいそうですかという風に官庁は動かない。

いつも言っているように、勤続年数を重視する組織では、キャリアに穴が空く可能性
のある女性は不利となる。この区分は、総合職と一般職の違いとして、民間では
根強く残っている。もちろん強固な年功序列組織である官庁も、そういう価値観は
深く残っている。

では、なぜ尻を蹴飛ばされたわけでもないのに前倒しで3割女性採用を達成したのか。
それは単純に官僚人気がなくなったからだ。
90年代半ばと比較しても、東大文系から霞が関に進む人間は既に半減している。
(東大新聞調査)

女性や私学出身者が増えたのはこれが理由だ。
レベルを下げてまで東大ブランドを優先したい官庁があるとは思えない。
(誰だって学歴バカよりも、明るく活発的な私学や女性を部下に欲しいだろう)
不人気ゆえ、うまい具合に多様化が進んだことになる。

ちなみに不人気の理由は、官僚自身の年功序列システムが崩壊寸前だから。
天下り完全禁止がたとえ実現できなかったとしても、ポストが政治任用に開放され
ることで、霞が関の年功序列レールは壊滅するはずだ。
今年来年にかけて、脱藩官僚はさらに増えるのではないか。

それにしても、素晴らしい。
年功序列が崩れることで、人材の多様化が進み、
いろいろな人にチャンスが生まれるのだ。

もっともっと、日本中の年功序列を崩せば、日本はもっと暮らしやすい国になるだろう。

日経ビジネス Associe

2009-08-07 10:06:32 | work
日経アソシエ最新号特集『クリティカルワークxポータブルワーク』
にインタビュー掲載中。

動かされない仕事と、逆に動きやすい仕事の考察らしい。
要するに、社内に特化しちゃう道と、市場価値を高める道だ。
前者についてはインタビューで述べたので、少し後者について雑感。

終身雇用前提の日本企業では、なかなか市場価値を
意識して仕事をするのは難しいと思う。

そういう育成やローテーションを、むしろ会社側が意図的に潰そうと
するためだ。なので、個人的な意見としては、そっちでいくならその手の会社に
転職すべきだと思う。
基礎訓練は日本型の方が優れている面が多いので、5年以上経ってからの方が望ましい。

やはり、一定の流動化を前提に業務の分担を実施している外資は圧倒的にこちらだ。
たとえば、現在、金融マンがクビを切られまくっていて、僕の周囲にも切られた人間が
結構いるのだが、いわゆる「リストラされてしまった」的な悲壮感は全然感じられない。
「景気が良くなるまで勉強する」と、海外に留学中の人間もいれば、
あっさり日本企業にマネージャー待遇で転職した人間もいる。
変わったところでは、香港のファンドに転職したヤツもいる。
会社内スキルではなく“職務”を磨いてきた人間にとっては、国境はあまり重要では
ないらしい。
一番面白いのは、とりあえず1年くらい旅行したりしてブラブラする、という人間だ。
「今は飛行機もホテルも安くてチャンス」なのだそうだ。
もちろんキャリア的にはマイナスなのだが、(金銭的にもキャリア的にも)それくらいの
余裕はあるらしい。かたや、社内でしがみつくノウハウ特集である。両者の差は何だろう。

彼の話を聞いていると、余裕の差には、賃金構造が深く関係していることが良く分かる。
当たり前だが、雇用リスクが高い年俸制企業は、終身雇用企業
より単年度あたりの賃金は高くなる(でないと誰も働かない)。

外資の中でも雇用リスクがとても高い金融は、メーカーやITに比べても一段高くなる。

40過ぎて働ける人間は稀なので、極論すれば、30代で生涯賃金くらい稼げる
キャリアパスがないと、一定の人材は確保できないわけだ。
加えて、年齢給の賃金カーブというよくわからない“しがらみ”もないから、
賃金水準は平準化され、若手といっても働きに応じた処遇を受け取れる。

要するに、「会社に人生を定期預金していたのにとりっぱぐれた」という悔やみが
ほとんどないわけだ。これが余裕の根っこだろう。

今のところ、幸い日本企業で離職に追い込まれた知人はいないが、もしそうなったとして
同じように朗らかでいられるだろうか。20代であればそうだったろう。
でも、30代半ばというのは、微妙な年頃である。

民主党のマニフェストはその先が見えない

2009-08-05 10:16:43 | ä¸–代間問題
東洋経済今週号。第二特集の「民主党の経済政策」特集がなかなか興味深い。

いくつか欠点が指摘されているが、「その先のビジョンが見えない」という指摘が
あちこちの項目で顔を出す。

たとえば雇用問題。
流動性の高い労働市場を整備し、衰退産業から成長産業への人の移動をスムーズに
おこなうべきであり、そのためには判例に頼らない解雇規制のルール化、年功序列
の見直しが必要だとする。
そして、民主党の雇用政策をなんべん読み返しても、
まったくその流れが見えてこないとも指摘する。


これはまったくその通りだ。マニフェストを文字通りに解釈するなら、
たぶん派遣から請負に変わって(5年前の流れを逆行するだけ)
最賃引き上げは「全国平均で千円」などとぐだぐだで終わりそうな気がする。

同様の指摘は、目玉の高速道路無料化についても見られる。
(以下、まったく同じ意見なので僕の言葉で書くが)
あんなものは「都会に住んでいる車嫌いの若者」から、地方の車ユーザーへの
所得移転だ。
さらにいえば、維持費や債務の償還に国債を投入するのなら、
それは将来世代へのツケ回しとなる。
まさに若者負担によるバラマキだ。

そもそも僕個人の意見でいうと、地方の人も別に高速を乗り回しているわけではない。
むしろ高齢世帯は滅多に乗らないはず。
と考えると、民主の目玉マニフェストは誰をターゲットにしているのかよくわからない。

竹中平蔵氏はインタビューで、民主にエールを送りつつも、そのスタンスに
疑問を呈する。
郵政民営化について、選挙中は反対し、敗北後は賛成に回り、そして今また
(国民新党と組むために新会社の株式売却反対といって)反対に回る。
中長期のビジョンがないのではないか、と…

実は、民主党というのは、自民以上に中まで玉虫色なのではないか。
短期では一つの政策が出せても中長期では意見の集約なんて無理だからビジョンが
欠落し、現時点でさえ意味の分からない政策が混じりこむ。

いずれにせよ、新政権に長期間の政権維持は難しそうだ。
もっともビジョンの無さは自民も負けてはいないので、となると
政界の再編劇は意外に早いのではないか。

外国人には年功序列が不思議らしい

2009-08-03 15:00:00 | ãã®ä»–
そういえば先日、台湾の商工週刊というメディアの取材を受けた。
テーマは、日本の失われた10年(実際には15年、20年になりそうだが(泣))
の間の雇用スタイルの変遷について。

内容については、ここで改めて語る必要もないと思うので書かないが、いくつか
面白い点に気づいた。

まず、説明に時間を要したのが「年功序列」という概念だ。
以下、だいたいこんなニュアンス。

「なぜ新人が一番安くて横並びなのか?」
「勤続年数に応じた処遇だから。後から少しずつ上がっていく予定だ」
「そんなもの、経営環境や景気によるから保証なんてないではないか。そんな
 いい加減なもので優秀層など採用できないだろう」

台湾については良く知らないが、本土がアメリカ以上に徹底した実力主義なので
(共産主義なのに!)少なくとも文化的に文字通りの年功序列はないのだろう。

そして意外だったのが“派遣会社”だ。
どうも最初はコンサルの一種だと思っていたらしい。
労働者を派遣する業態だと説明しても、企業側のメリットが理解できなかったようだ。
まあこれについては、分からないのも無理は無い。
派遣会社と言うのは直接雇用に伴う様々なリスクをヘッジするための存在なので、
雇用規制の強い国でしか繁盛しない業態である。

それにしても、初見の年功序列制度の欠陥を見抜くのも凄い。
いや、そういうカルチャーを知らないからこそ、欠陥が丸わかりなのかもしれないが。
彼らにしてみれば、昇給基準も時期も曖昧なまま生涯かけてご奉公する感覚の方が
理解不能なのだろう。