先週の予算委委員会でのやりとりを見て、大分県在住でかつて請負社員で大分キヤノンで働いていた人から内部の実態を語っているメールが届いていた。個人名と請負会社の名前を伏して、全員解雇の予定日も迫っていることから、ぜひ多くの人に読んでいただいて、日本を代表する企業で起きている「雇用の確保」とは裏腹の事態について考えてもらいたい。
[メール紹介]
保坂先生
私は、大分県在住のAと申します。先生の、大分キヤノンの派遣切りのブログを拝見させて頂きました。私は、株式会社●●という請負会社の社員として、大分キヤノンの迫事業所で働いておりました。私は、9月中旬頃、●●から解雇通告を受け、10月末で退職しました。
●●側から、正社員試験を受けろと言われ、11月に正社員試験を受けましたが、面接までたどり着くどころか、初めの書類選考の段階で落とされました。そしてすぐに、期間社員の試験を受けましたが、これもダメでした。
●●側が、なぜ正社員試験の書類選考で落としたのか聞いてくれましたが、キヤノン側は厳正な審査の結果という返事だったそうです。先日の全国のニュースで、景気が悪いので請負契約解除というニュースを見たとき、怒りを通り越して、呆れてしまいました。
これは、●●から聞いた話ですが、請負だけでなく、直接雇用の期間社員の首切りも少しずつ行われているそうです。大分空港のすぐ近くに、大分キヤノンの安岐事業所がありますが、迫事業所で働いている期間社員で、明らかに安岐事業所に転勤できそうにない人物に対して、安岐に転勤できないなら、契約更新しないと言っているそうです。
しかし、そのような直接雇用の期間社員を少しずつ切りながら、一方で毎日期間社員の募集をかけている。全く、矛盾しています。
私どもの間で、請負で働いていた人間は即戦力なんだから、期間社員として受け入れてくれればいいのにという話はしていました。また、期間社員から正社員になった人間と、大卒などの専門職として正社員になっている人間とは、同じ正社員という肩書ではありますが、待遇面がまったく違います。
期間社員から正社員になった人間を、私は、なんちゃって正社員と呼んでいますが、なんちゃって正社員は給料が日給月給で、本当の正社員の完全固定給と差別されています。もちろん、基本給自体も、なんちゃって正社員は安く抑えられています。
正社員になったからといって、一部の人間を除いて、仕事は何も変わりません。肩書きが、正社員になっただけです。期間社員の採用に関して言えば、今は超買い手市場であるのは確かです。
11月に期間社員の面接を受けましたが、今人は足りているので、採用されても入社は1月と言われました。正社員試験に関しても、SPIや面接を受ける以前に、なぜ経験者が書類選考で落とされるのか、全く理解できません。面接が駄目だったとかなら、話は分かります。
従業員の期間社員化は、大分キヤノンマテリアルが最初に始めました。1年ちょっと前の話で、その当時私は、派遣会社の社員として、マテリアルにいました。 マテリアルは、その時優先的に、派遣社員を期間社員として採用しました。私は、あえて期間社員にはなりませんでした。マテリアルも、今は買い手市場になっています。
私が居た●●は、12月末で、完全にキヤノンとの請負契約を解除されます。今残っている●●の社員も、12月12日に生産打ち切りにより、全員解雇です。一部の社員は、県外の●●が派遣している工場に、転勤するみたいではあります。
しかし、正社員試験を受けた●●の社員も、全く箸にも棒にもかからないと言っていました。今いる請負社員を、優先的に期間社員にするということは、今現在においては無理だろうと思います。内定が決まっている、期間社員がもう何百人といるからです。
ただ、この問題に関して、徹底的に事実の解明をしていただきたいと思っています。全ては、偽装請負に端を発した問題です。経験者が書類選考で落とされる、期間社員にも通らない、あり得ない話です。
どうか、よろしくお願いします。
12月6日 大分県在住 A
[メール紹介終了]

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