平岡秀夫さんの当選が確実だというニュースが早い時間から駆けめぐっている。ともに衆議院法務委員会で、巨大与党時代の奢りたかぶった自民党の「共謀罪」強行採決に最後まで抵抗し、ともに頑張った信念の人だけに心から「おめでとう」と言いたい。また、今回の衆議院補欠選挙山口2区での勝利は、「年金」「道路特定財源・暫定税率」「後期高齢者医療制度」と避けてはならない政治上の課題から逃げ続け、すでに政権担当能力を失っている福田政権への痛烈な一打となっただけでなく、本格的な倒閣と解散・総選挙に向けた「号砲」となった。
3分の2の議席を使って、与党は30日にも「暫定税率復活への再議決」を予定しているが、連休をはさんで内閣支持率は2割を切るのは確実な情勢だ。与党内でも「3分の2再議決」への動揺が大きくなり、「サミット花道論」のみならず、早期の「福田降ろし」への流れが強まることが予想される。つまり、2001年の春、「森政権末期」と酷似した状況が生まれる。
そして、「2匹目のドジョウ」を狙うのが政権維持を共通目標とする与党の性だ。あの時、「小泉純一郎」というトリックスターが登場して、森内閣で8%だった内閣支持率は90%に跳ね上がった。「自民党をぶっ壊す」といったものの言い方が、「反自民」も「半自民」もすべてを吸収した。そこで、看板のかけ替えで内閣支持率を再上昇させて、解散・総選挙を打つしか残された手がない。
ところが、福田政権が直面している政治的難題は、いずれも小泉時代の「負債」であることは無視出来ない。年金問題では「人生いろいろ」、後期高齢者医療制度では「制度設計の主犯=確信犯」であり、道路問題では「小泉改革の道路騒動は利権に手つかず」であることを証明している。今さら、小泉が「政局好き」を吹聴してポスト福田のシナリオライターとして登場しても、「小泉改革なる欺瞞」が生んだ汚濁物が永田町と霞が関を汚染し続けている状況にヘキエキしている国民の支持を集めることは出来ない。
自民党の改革とは、年金記録は精査・統合できないのに、勝手に保険料を天引きする「無責任政治」を増殖させただけのことだ。小泉は、自民党を変えたのでなく、自民党=改革派というマス・イメージの操作に成功しただけである。イメージは操作したが、政治体質の実態は何も変わらないから、「道路族」が跳梁跋扈して巨額の道路特定財源の擁護をはかって、福祉・医療にはカネはまわせないという政治を行っているのだ。
今回の平岡氏の相手候補は、国土交通省出身の官僚であり、「小泉・安倍・福田」という歴代総理にもっとも近い位置にいて、自民党の公認候補として一騎討ちを戦った。平岡氏が勝利した意味は、「政治路線の選択」という意味で二重に大きい。
私は、4月25日の朝、周防大島で平岡秀夫さんの応援に駆けつけた。ひさしぶりの爽快な勝利をかみしめて、明日からの国会攻防に備えたい。与党は、再議決方針に変わりはないと言っていると、すでに報道されている。

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