並び順

ブックマーク数

期間指定

  • から
  • まで

1 - 40 件 / 143件

新着順 人気順

山下泰平の検索結果1 - 40 件 / 143件

タグ検索の該当結果が少ないため、タイトル検索結果を表示しています。

山下泰平に関するエントリは143件あります。 本、 歴史、 生活 などが関連タグです。 人気エントリには 『明治時代のフィクションで遊廓や遊女がどう美化されたのか紹介する - 山下泰平の趣味の方法』などがあります。
  • 明治時代のフィクションで遊廓や遊女がどう美化されたのか紹介する - 山下泰平の趣味の方法

    かなり長く(約15000文字)なってしまったので最初にまとめておくと、この記事は『岩見武勇伝』という物語に生じた変化を紹介しながら、『社会の状況が変化すると娯楽物語の内容も変化する』といったことが書かれている。遊廓は登場するが、その実態については触れていない。 岩見重太郎の妹お辻 『岩見武勇伝』は不完全だから語られ続けた お辻が仇討ちの旅に出るまで 侠客の登場 ヒーローになる若松太兵衛、アイドル化するお辻 なぜお辻の扱いに変化が起きたのか 岩見重太郎の妹お辻 今では忘れ去られてしまっているが、かって岩見重太郎と呼ばれるヒーローがいた。 狒狒を殺す岩見重太郎 岩見重太郎・塙団右衛門 玉田玉秀斎 講演 立川文明堂 大正六(一九一七)年 『岩見武勇伝』は主人公の重太郎が父親の仇である広瀬軍蔵を打つため諸国を巡りつつ、狒狒や山賊を退治し、天橋立で百人斬りを達成、ついでに広瀬軍蔵も完璧に殺害、豊臣秀

      明治時代のフィクションで遊廓や遊女がどう美化されたのか紹介する - 山下泰平の趣味の方法
    • 国立国会図書館デジタルコレクションが便利すぎて知能が無理になり頭が狂いそうになったのでなんとかした - 山下泰平の趣味の方法

      国立国会図書館デジタルコレクションを使い始めてもう15年になる。昔は牧歌的な時期もあり、面白そうなタイトルを選び、チビチビ楽しみながら読むといった感じであった。ところが国立国会図書館デジタルコレクションが際限なく良くなっていくため、どんどん読み方が変っていった。 今の国立国会図書館デジタルコレクションは便利すぎるため、アクセスする資料の数がものすごいことになってきている。ここ数日のアクセスした資料を抽出してみたら、平均すると1日500あたりで、もう人間の能力では処理できない。 どう読んでいるのかというと、先にブラウザのタブで必要なものが掲載されていそうな資料を10-20程度開いておいて読み進め、必要ならページをめくるとデータを読み込む時間が発生するので、別のタブに移動してまた読むみたいなのを繰り返している。この読み方だと基本的にタイトルや著者といった情報は頭に置かない。データの断片があるだ

        国立国会図書館デジタルコレクションが便利すぎて知能が無理になり頭が狂いそうになったのでなんとかした - 山下泰平の趣味の方法
      • 明治の若者たちはいかに無銭旅行を成功させたのか - 山下泰平の趣味の方法

        この記事では明治時代の若者たちがいかにして無銭旅行を成功させたのか、その手法を中心に2万文字かけて解説している。 無銭旅行があった 無銭旅行とはなにか 若者たちは無茶をする 短期間だから無銭旅行ができた 人を殴ったり投げたりしたので無銭旅行ができた 普通にお金を使って旅行をした その辺の野菜や動物を食って旅行をした コミュニティーの親分を殴り倒して旅行をした 無銭旅行したと言い張った 嘘をついて他人に迷惑をかけて旅行した 働きながら旅行をした 丈夫だから普通に無銭旅行ができた 中学生は仲間だという荒い戦略で失敗しながら旅行をした 早めに失敗したから死なずに済んだ 普通に強盗をして逮捕された 慎重な無銭旅行 失敗した人々の末路 行商をしながら旅行をした 雑誌で知り合いを作っておいて旅行をした 彼らはどこにたどり着いたのか たとえそれが幻想であったとしても 無銭旅行があった 明治の二十年あたり

          明治の若者たちはいかに無銭旅行を成功させたのか - 山下泰平の趣味の方法
        • ゴールデンカムイに触発されて明治四十三年に書かれたアイヌのヒロインと不死身の豪傑が旅する講談速記本を24000文字くらいかけて解説することにした - 山下泰平の趣味の方法

          ゴールデンカムイが面白い 明治娯楽物語における北海道の扱い 源八郎とヒロインの出合い 殺し合いの後で友達になろう 源八郎がロシア人になった理由 シャマケンは源八郎のため奔走し源八郎はロシアへ渡る 学習漫画的側面 苦学生という存在 源八郎とシャマケンの旅 もうひとつの似ている点 ゴールデンカムイが面白い 人からゴールデンカムイが面白いとお勧めされたので読んでいる。グルメ漫画だと思い込んでいたんだけど、実際は人の皮を集めるみたいな話だった。少しビックリしたものの、確かにものすごく面白い。 今は石川啄木が出てきたあたりで、私は文学が基本的に好きだからちょっと嬉しい。そのうちアイヌと啄木つながりで金田一京助や知里幸恵、グラフ誌の関係で国木田独歩あたりが出てくるのかなと、楽しみにしている。国木田独歩がビリヤードをしていたら最高だと思う。 その他にゴールデンカムイの世界で活躍できそうな明治期の文学者と

            ゴールデンカムイに触発されて明治四十三年に書かれたアイヌのヒロインと不死身の豪傑が旅する講談速記本を24000文字くらいかけて解説することにした - 山下泰平の趣味の方法
          • 文章力を上げる方法 - 山下泰平の趣味の方法

            文章力を上げるための一番効率が良い行動は、大学入試で求められる程度の小論文を書くためのトレーニングを受けることだと思う。小論文対策は需要があるので、それなりのコストをかけて作られている。良いものがあるんだからそれを使えばいいわけで、意味の分からない方法で文章力上げようとする必要はない。 はっきりいって、大学入試で求められる程度の小論文を書ける以上の文章力を求められることは、普通に生きてたらほとんどない。かなり社会的な地位がある人でも、ずっとそのくらいの技術でやってることすらある。 大学入試対策の小論文通信講座的なものはわりとあるので、それを受講したらいい。どの通信講座が良いのかはよく分からない。長く続いているサービスで普遍的な内容なら、どれでも一定以上の水準は満たしているはずなので、好みで選んだらいい。どっちかっていうと理系のやつのが良いかもしれないけど、内容を知らないからはっきりしたこと

              文章力を上げる方法 - 山下泰平の趣味の方法
            • 夏目漱石の「吾輩は猫である」を笑って読破するためのガイド - 山下泰平の趣味の方法

              この記事はそれなりに時間をかけて書いたのだが、面白がってどうでもいいことを調べている間に、世の中は大変なことになっていた。 最早「吾輩は猫である」を読もうぜッ!! なんて雰囲気でもなさそうだ。ただし気が滅入って仕方がない時には、全然関係ないことをするのがお勧めなので、そのまま公開することにした。 最初に書いておくと私は漱石が好きなので、いつもよりも客観性に欠けたところが多くなっている。あと無駄に長い。当初はコンパクトにまとめようと考えていたのだが、どうでもいいことを調べながらダラダラ書いているうちに長くなり、結果的に15000文字程度になってしまった。どうもいいことが満載のこの記事を最後まで読めたとすれば、夏目漱石の「吾輩は猫である」なんて余裕で読破できると思う。他の作品を読みたい人はこちらも参考どうぞ。 cocolog-nifty.hatenablog.com 吾輩は猫であるを読もう 「

                夏目漱石の「吾輩は猫である」を笑って読破するためのガイド - 山下泰平の趣味の方法
              • 国立国会図書館デジタルコレクションの遊び方 - 山下泰平の趣味の方法

                国立国会図書館デジタルコレクションは最高である。 「国立国会図書館デジタルコレクション」が面白い まずは遊んでみる 使いまくりたくなったら準備しておくと効率が良い 無料でできる 検索演算子だけ覚えておく 国立国会図書館デジタルコレクションの使い方を知っておく 国立国会図書館オンラインに登録しておく メモ環境を作る 有料でできる パソコンを用意する できれば良い椅子とモニタがあったほうがいい 速度を意識して使う 速くなるとどうなるのか そこに全てはない ものすごいものをどうでもいいことに使うということ 「国立国会図書館デジタルコレクション」が面白い 「国立国会図書館デジタルコレクション」が面白い。 dl.ndl.go.jp 「国立国会図書館デジタルコレクション」では著作権など権利状況に問題がないことが確認できた約36万点の資料が無料で公開されており、ようするに古い本が無限に読めるサービスだ。

                  国立国会図書館デジタルコレクションの遊び方 - 山下泰平の趣味の方法
                • ぶつかり男を初めて見た - 山下泰平の趣味の方法

                  駅を歩いていたら前にいた小柄な女性がいきなり後ろ向きにジャンプしてきたので、なんだこいつ頭おかしいのか?って思ったんだけど、よくよく観察してみるとオッさんが女性に突進し、軽く飛ばされてしまったといった状況だった。 無駄に女性にぶつかっていく、ぶつかり男、あるいはぶつかりおじさんの存在は知っていたので、おそらくこれがぶつかりおじさんなのだろうと認識することはできた。そこで正義感の強い私は周囲の人達と協力してオッさんをとっ捕まえ、拷問をして二度と電車に乗れない身体にしてやったというようなスカッとストーリーみたいなのがインターネットだと好まれるが、現実はそれほどドラマチックではない。オッさんは意味の分からないことをブツブツ言いながらそのままどこかに行ってしまい、女性も何事もなかったかのように歩き続けていた。 私が歩きながら考えていたのは、あれが本当にぶつかり男なのだろうかということであった。 も

                    ぶつかり男を初めて見た - 山下泰平の趣味の方法
                  • ゴールデンカムイの不死身の杉元と明治の不死身キャラの類似性とその進化について - 山下泰平の趣味の方法

                    ゴールデンカムイが完結した。せっかくなので全部読んだ。主人公がやたらに「俺は不死身の杉元だ!!」と叫ぶのを読むうちに、そういえば明治時代にも不死身キャラがいたなと思い出し、少し似ているところがあるなと、軽い気持で書き出したのがこの記事なのだが、またもや18000文字くらいになってしまった。これでもかなりはしょった所があるので、詳しいことが知りたい人は、途中で紹介している私の本を読んでいただければ幸いである。 令和の不死身、明治の不死身 昔の不死身キャラたち 理屈の世界における不死身 盗作される粂平内 平内の不死身の活かしかた 明治のパワーインフレ さらなる不死身キャラの登場 創作者たちの善意は続く 令和の不死身、明治の不死身 ゴールデンカムイが面白かった。 ゴールデンカムイ 1 (ヤングジャンプコミックスDIGITAL) 作者:野田サトル集英社Amazon 面白い作品は、多くの人から愛され

                      ゴールデンカムイの不死身の杉元と明治の不死身キャラの類似性とその進化について - 山下泰平の趣味の方法
                    • 夏目漱石『こころ』の K はなぜ先生をぶん殴り車夫にならなかったのか - 山下泰平の趣味の方法

                      大人になると読み方がかわる 『こころ』の K はどのような人間なのか K のような苦学生はたまにいた 夜学校の先生になったのは合理的な判断ではあった 苦労すれば強い人になれる 苦学の世界は二つあった 先生と K の旅行 大人になると読み方がかわる 夏目漱石による小説『こころ』は、名作とされている。 初版本復刻版 こゝろ (岩波文芸書初版本復刻シリーズ) 作者:夏目 漱石岩波書店Amazon 有名な作品なだけに、色々な人が様々なことを書いているが、誰もが否定できないのはとにかく面白く読めてしまうことだろう。『こころ』は新聞連載小説であるため、一日の掲載分の終盤には、次回への期待を煽られるようなことが書かれている。ついつい続きを読みたくなってしまうような構造で、このあたりは職業作家夏目漱石の面目躍如といったところであろう。 ただし漱石の初期作品とは異なり、『こころ』には書きながら考えているよう

                        夏目漱石『こころ』の K はなぜ先生をぶん殴り車夫にならなかったのか - 山下泰平の趣味の方法
                      • あまり読まない人が古典だけを読むのは最高に面白くて効率がいいと思う理由を長々と解説する|山下泰平

                        そういう人ではあるけれど、日常生活を送る上で実用的かつ頻繁に活用している考え方は100冊分くらいかなと思う。 それは習得した資格などではなく、もっと抽象的なもので、個別の事例に対処するというよりは、もう少し普遍的でだいたいの場所で使うことができる。例えば「技術は知識で生れるものだから、これをするためにあれを学んでおこう」だとか、「これはなにも生み出さないものだけど、美しいから知っておこう」だとか、そういった感じである。 ものすごく役立つというわけではないけれど、仕事や日常生活のそこかしこで、そういった考え方を使っていて、広くて長い目で見ると正しい決断をするために活用できていると思う。 私が多用している情報、あるいは考え方のほとんどは古典から学んだものだ。もちろん他ジャンルの考え方も使ってはいるが、割合としては3割くらいだろうか、とにかく大昔に古典を乱読しておいて良かったとは思っている。 そ

                          あまり読まない人が古典だけを読むのは最高に面白くて効率がいいと思う理由を長々と解説する|山下泰平
                        • 職場で流行らせたらなぜか効率が上がった言葉を紹介する - 山下泰平の趣味の方法

                          なぜか上手くいった 人間は自由だからなにしてもいいしなにもしなくてもいい それお前の趣味な そんなにしたいならお前がすればいいのでは? 嫌だししたくない どうでもいいしなんでもいい なんでこんなことをしたのか 明治から続く感じのもの 雑感 なぜか上手くいった 私には面白がってずっと同じことを言う習性がある。それらが職場で流行し意図せず周囲に良い影響を与えてしまい、効率が上ってしまったのが面白かったのでまとめておくことにした。Google や Netflix などで流行らせても意味ない可能性が高く、どちらかというと非効率な組織で使いまくると効果がでると思われる。 一応書いておくと本当に効率的な職場環境を構築するのであれば、こんなマヌケなことする意味ない。しかし効果皆無でも同じことを繰り返していると脳を使わず発話だけが発生し、バーバーなんかしてる気分になるのでみんなも真似したら良いと思う。あと

                            職場で流行らせたらなぜか効率が上がった言葉を紹介する - 山下泰平の趣味の方法
                          • 生活の危機 - 山下泰平の趣味の方法

                            ヤバい雰囲気がある 就職活動をしなかったのでよく分からないんだけど、おそらく私は就職氷河期の人で一般的な認識だとあまり良い生活をしていないと思う。それでもなんの不自由もなく、わりと快適な人生を送っているなと認識をしている。なんで快適なのかっていうと、生活をそういう風にデザインしてきたからで、こういう感じでずっと生きてくぞーって決めてたんだけど、最近ちょっとヤバい雰囲気が出てきている。 理由は新型コロナウイルスによる社会の変化で、これまでの私の生活やヤバくなってきた時の対処法が、今の世の中だと通用しなくなってきている。対処方法は次の通りである。 逃れられないストレスが発生したら別の場所のストレスを減らす 労働に重きを置かない 不快な情報を遮断する 趣味で遊ぶ わりと普遍的な手法だと考えてたのだが、今はちょっと微妙になってきている。 逃れられないストレスが発生したら別の場所のストレスを減らす

                              生活の危機 - 山下泰平の趣味の方法
                            • 豆ご飯の苦悩 - 山下泰平の趣味の方法

                              私は豆ご飯が嫌いだった。 数年前に本当に嫌いなのか確認したくなり、野菜の無人販売所でウスイエンドウを購入し豆ご飯を作ってみたところ異常に美味かった。それで私は豆ご飯が嫌いではなかったということが判明した。 私の同年代には豆ご飯を嫌う人がわりといて、当時は冷凍のグリンピースを使った豆ご飯が主流だった。そういうレシピが局地的に流行していたか、学校給食で使われていたのかもしれない。今は冷凍の技術も発達していてまた違う状況なのだろうが、昔は冷凍グリンピース自体が美味しいものではなかった。そりゃ美味しくはないよねといった感想で、とにかく昔の冷凍グリンピースで作るのと、サヤに入った新鮮な豆で作る豆ご飯は全く別物だという感想であった。 それ以来、毎年豆ご飯を食べたくなりウスイエンドウを無人販売所に買いに行くんだけど、豆は人気があるため基本的に争奪戦である。あったら躊躇せずにすぐ買うというスタイルでなくて

                                豆ご飯の苦悩 - 山下泰平の趣味の方法
                              • 岩波文庫解説目録(2020年版)の100冊を選んでみた - 山下泰平の趣味の方法

                                選んでみました 岩波文庫解説目録(2020年版)から100冊選んでみた。 あくまで2020年版から選んだものなので、岩波文庫のベストなリストではない。あと上下巻やら全6巻みたいなものもあるので、厳密には100冊ではない。 これがなんのためのリストなのかといえば、私が岩波文庫解説目録(2020年版)を眺めてたら面白くなってしまい、気が向いたので100冊選んだものでしかない。既読(含む、岩波文庫以外で読んだもの)だと思われるものから、読んで良かったような記憶があるものを抽出している。 そんなわけで紹介しているものを全部読んだところで、生き方や人生が変わることはない。ただし自分が好きなジャンルくらいは発見できるかもしれない。それに加えて私が日本の近代以降の文化が好きなので、読むと近代以降の日本の文化を理解しやすくなるといった効果はあると思う。 意識したのはつながりで、ここは他のリストと少しだけ違

                                  岩波文庫解説目録(2020年版)の100冊を選んでみた - 山下泰平の趣味の方法
                                • ここ5年でテフロンフライパンを4回購入した - 山下泰平の趣味の方法

                                  5年で4回フライパンを購入した。それまではずっと鉄フライパンを使っていた。テフロンフライパンを購入した経緯は以下の通り。 cocolog-nifty.hatenablog.com ようするにテフロンフライパンを前提としたレシピが増えてきたので、テフロンフライパンを使い出した。テフロンフライパンを使うのであれば、ツルツルしてなくては意味がないというわけで、劣化したら新しいものを購入するといった方針で、使い初めた当初は3年ごとに買い替えみたいなイメージであった。 2018年10月12日に、ティファールのフライパンを購入した。履歴は残っていないが、劣化してしまい、2020年3月4日にエバークックのフライパンを購入した。 https://amzn.to/3DHMLxo この製品は SNS でものすごく話題になっていた記憶がある。少し高価だがもう少し長く使いたいということと、良いテフロンフライパンを

                                    ここ5年でテフロンフライパンを4回購入した - 山下泰平の趣味の方法
                                  • 明治時代の苦学生を騙す貧困ビジネス - 山下泰平の趣味の方法

                                    苦学生を失敗させて儲けよう 明治の三〇年あたりから昭和一五年くらいまで苦学が流行し続けた。苦学とは自ら稼ぎながら学資を得て学校を卒業することである。 戦前の苦学生は基本的に失敗する。なぜなら苦学を失敗させるような仕組みが、明治三五年には構築され長く維持されたからだ。世の中の至る所に罠が仕組まれており、多くの若者たちが騙され続けた。一種の苦学失敗システムとでも呼ぶべきもので、中でも多くの苦学生を苦しめたのが苦学者支援団体だった。 こわい 苦学者支援団体の仕組 苦学者支援団体はタコ部屋労働(地獄部屋)と就職詐欺、そして偽装サークルを組合せたような組織で、ここに入った時点で八割方苦学は失敗に終ってしまう。もちろん苦学者を狙ったタコ部屋も就職詐欺も偽装サークルもあったのだが、苦学者支援団体の仕組みは少し複雑だった。 彼らがどのように苦学生たちを騙していたのか具体的に紹介すると、例えばこれを読んでい

                                    • 一九二〇年の東京で貧しい若者が苦学に成功する方法・金子文子の場合 39000文字 - 山下泰平の趣味の方法

                                      一九二〇年の東京で貧しい若者が苦学に成功する方法 どうすれば金子文子は卒業できたのか 苦学と金子文子の状況と 小学校時代 優秀であるがゆえの悲劇 文子の痛手 文子の上京 幸運な上京 文子の戦略ミス 厳しい苦学界 苦学の真実 嫌な社会 女性の苦学は難しい 文子が最初にしたほうがいいこと 先人の跡をたどれば 犯罪スレスレで苦学した男 苦学を使って大儲けした男 そもそも苦学が必要ない人たち メディアを使って記者になる 登校拒否の人 せずにいられないことをする 苦学を成功させるには まとめ 一九二〇年の東京で貧しい若者が苦学に成功する方法 親ガチャなんて言葉がある。「どういう境遇に生まれるかは全くの運任せ」といった意味らしい。対義語は「実家が太い」で、貧困層に生れてしまうと、選択肢や機会が極端に少ないなんて問題もある。これらはずっと存在していたものではあるが、 SNS などで格差や個々人の能力や考

                                        一九二〇年の東京で貧しい若者が苦学に成功する方法・金子文子の場合 39000文字 - 山下泰平の趣味の方法
                                      • 全自動コーヒーメーカーをまた買い替えた - 山下泰平の趣味の方法

                                        2016年の4月にコーヒーメーカー(EB-RMCM4)を買った。 cocolog-nifty.hatenablog.com 4年でぶっ壊れて2020年の8月にツインバードのコーヒーメーカー(CM-D457B)を購入した。 cocolog-nifty.hatenablog.com 良い機械であったが2022年の8月にぶっ壊れたので、今度は(ANG-HD-A8)を購入した。(CM-D457B)とは多少の仕様が違うが、基本的に同じ製品である。 ただし見た目はツインバードのもののほうが良い。 実は2022年の03月の時点で、ツインバードのコーヒーメーカーはかなり怪しい挙動になっていた。 cocolog-nifty.hatenablog.com その後に理由は分からないが正常に動くようになり満足していたんだけど、最終的にミルの部分が割れて壊れてしまった。 どの程度の耐久性があるのかなと思い、ひいたコ

                                          全自動コーヒーメーカーをまた買い替えた - 山下泰平の趣味の方法
                                        • 明治時代に貧乏人の子供に憧れ苦学生のコスプレをするお金持ちの子供がいた - 山下泰平の趣味の方法

                                          貧乏人の子供に憧れるお金持ちの子供たち 明治時代には、お金持ちの子供が貧乏人の子供に憧れることがあった。貧乏人の子供の格好を真似してみたり、貧乏生活に挑戦してみる子供すらいた。なんでそんなことをするのかといえば、単純に馬鹿だからである。しかしながら馬鹿が馬鹿みたいな行為をするにしろ、そこには理由や理屈がある。そんなわけで、なぜ明治時代にお金持ちの子供が貧乏人の子供に憧れ、苦学生のコスプレをしたのか解説してみよう。 富豪の息子たち そもそも貧乏人の子供に憧れるお金持ちの子供がいたこと自体が、信じ難い人がいるかもしれない。まずは実例を紹介しておこう。 市川好廉は慶応大学を経て、実業家となった男である。彼の父市川好三は山梨県出身の米穀商で、一八七六年に設立された第三国立銀行の出資者の一人だ。第三国立銀行の初代頭取は安田善次郎で、ようするに今でいうところの富豪の息子なのだが、この人は苦学をしたと自

                                            明治時代に貧乏人の子供に憧れ苦学生のコスプレをするお金持ちの子供がいた - 山下泰平の趣味の方法
                                          • コロナに関する政策に竹槍で B29 を爆破するみたいな話だ的な批判をすることについて - 山下泰平の趣味の方法

                                            間違った例えは止めよう コロナに関する政策に、竹槍で B29 を爆破みたいな話だ的な批判をたまにみるようになってきた。私もわりと子供の頃に、戦時中ヤケクソになった日本人は竹槍で B29 をブッ壊そうとしていたといった話を聞いたことがある。その時はへーって思ってわけだけど、最近になって戦中戦後の新聞を読むうち、あれって嘘だったんじゃないのかなと感じるようになってきた。そんなわけで自分で少し調べてみたら、やっぱりこれは有り得ないような話だなといった感じだった。実は先に調べている人たちは沢山いて、ググったら結論はすぐに出るんだけど、ここでは私が調べたことについて記録しておく。 そもそも私は明治の文化を調べていて、かって日本人は合理的、科学的に考え行動しようとしていたことを知っていた。これについては本にしてまとめたので、興味がある人は読んでみてください。 簡易生活のすすめ 明治にストレスフリーな最

                                              コロナに関する政策に竹槍で B29 を爆破するみたいな話だ的な批判をすることについて - 山下泰平の趣味の方法
                                            • 国立国会図書館デジタルコレクションを使えば生存している人類の中でなにかに一番詳しい人間になれるけど - 山下泰平の趣味の方法

                                              「はてなブログ×codoc連携サービスのプロモーションのため、はてなからの依頼を受けて投稿しています」が普段通りの記事で、有料部分には愚痴のようなものが書かれている。 国立国会図書館デジタルコレクションは素晴らしい 使い方は使えば分かる 生存している人類で一番詳しくなれないこともない時代 時代とジャンルで区切ると簡単に詳しくなれる 素養、学識、予備知識 デジタルデータとアナログデータ 詳しくなっても意味はない 他人の意見はあまり参考にならない 他の分野から学ぶ 多くの予想は当たらないし他人の思い込みは嫌になるし生きてる人の本が読みにくくなり、やはり他人の意見はあまり参考にならない 国立国会図書館デジタルコレクションは素晴らしい 国立国会図書館デジタルコレクションは素晴らしい。 dl.ndl.go.jp 『国立国会図書館で収集・保存しているデジタル資料を検索・閲覧できるサービス』で、四〇万点

                                                国立国会図書館デジタルコレクションを使えば生存している人類の中でなにかに一番詳しい人間になれるけど - 山下泰平の趣味の方法
                                              • コロナ禍における日本の雰囲気を理解するために役立った書籍リスト - 山下泰平の趣味の方法

                                                コロナ禍における日本の雰囲気はちょっと変なので、これはなんなんだろうかって考えることがある。 こういうことを考えて理解するためには知識が必要で、なにも知らない状態だと正しく考えることはできない。考えたところでどうしょうもないんだけど、考えて理解できると多少は落ち着く。そんなわけで今の日本の雰囲気を理解するために考えた際に、読んでて良かったなと思ったり、新たに読んだ本を紹介する。 私が気になった今の雰囲気は次の3つとなる。 個人で判断している理由 集団の判断が変になる理由 ケチで嫉妬深い理由 なんでこれが気になったのかというと、『ケチで嫉妬深い』個人が『個人で判断』するため『集団の判断が変になり』別の個人が『個人で判断』して問題を解決しなくてはならなくなるといった状況が嫌になってしまったからだ。嫌なものは嫌で仕方ないんだけど、理由が分かれば納得できる。そんなわけでこの雰囲気はなんなんだろうか

                                                  コロナ禍における日本の雰囲気を理解するために役立った書籍リスト - 山下泰平の趣味の方法
                                                • ドラム式洗濯乾燥機を4年ほど使った雑感 - 山下泰平の趣味の方法

                                                  ドラム式洗濯乾燥機は使い方や性格にもよるが便利だと思う ドラム式洗濯乾燥機を4年ほど使った。色々と理解が深まったので、メモとして残しておくことにする。 買う前に考えたこと 値段が高いことと設置が面倒くさいこともあり、かなり慎重に調査した。だいたい以下のようなことを考えていた。 乾燥容量を基準にする ドラム式洗濯乾燥機を導入する理由は干す作業を排除するためだったので、乾燥容量を基準にすることにした。洗濯・脱水容量は 10kg だろうと 100kg でもどうでもよくて、乾燥容量だけに注目する。東芝の製品が 7kg でデカいのでそれを選ぶみたいな感じであった。 洗濯を洗濯機に委ね服を洗濯機に合わせる 洗濯を洗濯機に委ねるといった決心をした。面倒くさいからドラム式洗濯乾燥機を導入するわけで、洗濯の時にゴチャゴチャ考えたら意味がない。理想は洗濯機に最適化された服で生活することだと思う。シワになりやす

                                                    ドラム式洗濯乾燥機を4年ほど使った雑感 - 山下泰平の趣味の方法
                                                  • ウェストポーチを10年以上使い続けている人間の意見 - 山下泰平の趣味の方法

                                                    10年くらい使っている ウェストポーチをかなり長い間使い続けている。購入の記録は2013年から残っていた。 2013年07月23日〜 https://amzn.to/3U7zpR2 2016年10月15日〜 https://amzn.to/3TQTVWt 2021年06月07日〜 Amazon | [ワイルドシングス] ショルダーバッグ WT-380-1204 X-PAC ウエスト型 2WAY カモフラージュ | ショルダーバッグ 2021年11月01日〜 Amazon | [チャムス] ウエストバッグ Easy-Go Mini Waist Bag | CHUMS(チャムス) | ウエストバッグ 毎日使い続けていると、ウェストポーチはだいたい3年くらいで汚れたり破れたりしてゴミになる。そうするとゴミをウェストに巻き付けている頭のおかしい人みたいな見た目になるので、買い替えるといったライフス

                                                      ウェストポーチを10年以上使い続けている人間の意見 - 山下泰平の趣味の方法
                                                    • Kindle Unlimited で学習するコツ - 山下泰平の趣味の方法

                                                      無料で消費できるコンテンツには、上手に付き合うコツのようなものがあると思う。 国立国会図書館デジタルコレクションでは、現時点で三十六万件の資料(図書)を無料で読むことが可能だ。私は国デジのヘビーユーザーで、これまでに読んだ資料を古書として購入したとすると、おそらく数千万円程度になるはずだ。読みまくることで、それなりの成果も上げることができた。もっとも国デジが登場した当初は、膨大な数の資料を前にしてどう使っていいのかと困惑した。それでも使用するうちにコツがわかってきて、十年以上利用している。 もうひとつメジャーな読み放題のサービスが Kindle Unlimited で200万冊以上の書籍が読み放題だ。こちらはずっと以前に契約し、使うのにちょっとコツがいるなと感じたものの、やがて飽きてしまい解約してしまった。 年始に時間があったため、ちょっと色々と学習することにして、どうするのが効率的でコス

                                                        Kindle Unlimited で学習するコツ - 山下泰平の趣味の方法
                                                      • 酒を飲まないようにしたら酒を飲まなくなった - 山下泰平の趣味の方法

                                                        以下は個人的な感想、アルコールによって生活に問題が発生している方は、医療機関に相談するなど適切な方法で対処していただきたい。 今のところ酒を飲まないようにしているので、最近は酒を飲まなくなった。 すでに酒をひと月以上は飲んでない。途中にイベントがあり一日は飲んだけど、その後も別に飲まなくてもいいみたいな感じだった。酒飲むの止めてたけど一回飲んだら元に戻ったみたいな話を聞いてたので、どうなるかなと心配してたんだけど別にそういう気持にはならなかった。この辺は人によるんだと思う。(ダメな人はダメだと思うので、基本的には禁酒したら酒は避けたほうが良いと思う) 酒を飲むのを止めると、こんなに良いことがありましたみたいな話は多い。だから期待していたものの、酒を止めると酒を飲まなくなるっていうのが結論だった。 参考のために禁酒の記事を読んでいた際、その人の酒量が分かると参考になったので、私もこれまでどの

                                                          酒を飲まないようにしたら酒を飲まなくなった - 山下泰平の趣味の方法
                                                        • 誰でも人にとって面白い文章を書ける気がする。作家・山下泰平さんが語る「ブログの享楽」とは?【書籍プレゼントあり】 - 週刊はてなブログ

                                                          はてなブログのユーザーに、自身とブログについて語っていただく【「ブログを書く」ってどんなこと?】シリーズ。今回は、明治・大正時代の娯楽小説や文化を中心にブログで発信している文筆家の山下泰平(id:cocolog-nifty/@kotoriko)さんに「ブログの享楽」についてインタビューで語っていただきました。 一見するとなじみのない文化や娯楽を軽快な語り口で紹介した記事が人気を博し、2019年には記事をきっかけにした書籍『「舞姫」の主人公をバンカラとアフリカ人がボコボコにする最高の小説の世界が明治に存在したので20万字くらいかけて紹介する本』(柏書房)を刊行した山下さん。今回は、そんな山下さんの間遠な情報をグッと分かりやすくするブログ術に迫ります! 書籍プレゼントキャンペーンもあるのでぜひ最後までご覧ください。 「楽しくなきゃダメ」ブログで明治・大正の文化を共有する理由とは? ──ブログで

                                                            誰でも人にとって面白い文章を書ける気がする。作家・山下泰平さんが語る「ブログの享楽」とは?【書籍プレゼントあり】 - 週刊はてなブログ
                                                          • 手っ取り早く能力をあげてもらう方法 - 山下泰平の趣味の方法

                                                            一緒に働く人の能力が上がると、自分の仕事が減って疲れなくなるという効果がある。だから職場で一緒に働く人の能力が、手っ取り早く上がる方法があると便利だと思う。一番良いのは能力の高い人しかいない職場に行くことだけど、人によって色々な事情があるんで仕方ないこともあるって感じである。 とにかく人の能力が上がるといいねえってことで、パソコンを使う仕事の場合だけど、私はこういうことをしている。 読む速度を上げる キーボード入力の速度を上げる 検索できるようになる パソコンを使う仕事なんだから、基本的に全てができるっていう前提なんだけど、できない人がいるのもまた事実ではある。こういうことは別に難しいことでもなく、ちょっとやったらできるようになる。読んで調べて書くのはどんな仕事でもすることなので、そこが早くなると能力が上がったように見えるというか、実質的に能力が上がったようなものだと思う。人の処理能力が上

                                                              手っ取り早く能力をあげてもらう方法 - 山下泰平の趣味の方法
                                                            • 明治・大正の人々によるキリスト教に対する誤解を紹介する - 山下泰平の趣味の方法

                                                              明治や大正の人々の中には、完璧に間違っている目的でキリスト教に入信しようとする者たちがいた。 キリスト教に限らず情報量が少ないと誤解や勘違いをしてしまうものだから、仕方ないといえば仕方ないわけだが、それにしてもこれはちょっとダメだろといった勘違いをいくつか列挙しておく。 キリスト教徒になると金が儲かる 聖書を読むと度胸がついて脱獄できる キリスト教徒になると無罪になる まとめ キリスト教徒になると金が儲かる キリスト教徒になると金が儲かる。これはかなりメジャーな誤解である。そしてキリスト教徒になると儲かるというデマには一種の根拠があった。 当時、キリスト教を信仰している人は、比較的裕福で教養があることが多かった。そのコミュニティーに属することで利を得えようというのが「キリスト教徒になると金が儲かる」であった。 さらに牧師の中には、貧乏ではあるが教育を受けたい若者たちを支援しようとする者もい

                                                                明治・大正の人々によるキリスト教に対する誤解を紹介する - 山下泰平の趣味の方法
                                                              • M1 Mac に移行した - 山下泰平の趣味の方法

                                                                移行しました M1 の Mac に移行した。 最新 Apple MacBook Pro Apple M1 Chip (13インチPro, 8GB RAM, 256GB SSD) - スペースグレイ 発売日: 2020/11/17メディア: Personal Computers CPU のアーキテクチャも変ってるんだけど、これまで使っていた macOS の Mojave と Big Sur でも違いがものすごくある。32bit アプリ使えないとか色々な困惑があり、ここ7年で一番に大きな作業環境の変更となった。 動くかどうか心配していたり、移行どうするのか考えてたのは下みたいな感じであった。 kindai.rb は普通に動いた github.com kindai.rb が必要とするライブラリのアーキテクチャーが違うやつだと動かないので、別々にインストールとかした。私は gem? とか意味不明だ

                                                                  M1 Mac に移行した - 山下泰平の趣味の方法
                                                                • 主婦が旦那の給料で大学院に行くのは駄目だ的な感覚はどこから来たのか - 山下泰平の趣味の方法

                                                                  はじめに 主婦が旦那の給料で大学院に行くのが駄目な理由のようなもの 学問というものは自分の力で修めるべきものである 学問というものはリターンがある実利的なものである 学問というものは生活から離れた高尚なものである 謎の感覚は多い はじめに ちょっと前に主婦が大学院に行くのはどうなのかみたいな話が話題になっていた。この話題自体については、他人がなにしようがどうでもいいだろとしか言い様がない。しかし様々な発言の後ろに見え隠れする個々人の感覚は、かなり興味深かった。現在、私が調べている明治の文化と、そのままつながっているような部分が多くあったからだ。 そんなわけで、ちょっとまとめておくことにした。 慎重に扱うべき問題なので先に書いておくが、この記事では明治に存在した考え方や感覚について書いている。当然ながら明治以前にも、国内外に原形になるような考え方や感覚は存在しているが、この記事ではほとんど触

                                                                    主婦が旦那の給料で大学院に行くのは駄目だ的な感覚はどこから来たのか - 山下泰平の趣味の方法
                                                                  • 調べるためやっておいて良かったこと - 山下泰平の趣味の方法

                                                                    私は明治から大正あたりの変な文化を調べて遊んでいる人である。あくまで趣味で調べていて、専門的な教育を受けたわけではない。それでも調べたことを、それなりに評価してもらえてはいる。すごいッ!!! って感じではないけれど、一応ほどほどに詳しく調べている人だとしてもいいと思われる。 そういうそれなりの人として、若い時にやっておいて良かったなと思うことがいくつかある。それらは体系だった指針に基いた行動ではない。暇な時にちょっと気が向いたしなんとなくやってみるかな……というのを繰り返しているうちに、今の状態に落ち着いたといった感じで、要するに単なる偶然でしかない。それでもわりと効率の良い方法だったなと自分では思っている。 そんなわけで、私がやったことを一つの事例としてまとめておこくことにした。この文章は下のような人に向けて書いたものだ。 今なにかを調べている 学問的に訓練されているわけではない ちょっ

                                                                      調べるためやっておいて良かったこと - 山下泰平の趣味の方法
                                                                    • 今年に導入された料理 - 山下泰平の趣味の方法

                                                                      年に何度か作る定番の料理ってのがあるんだけど、今年はわりと種類が増えた。その中でも良かったものを5つ選んで記録しておこうと思う。 ルー使わないカレー 市販ルーを使わないでカレーを作るようになった。玉葱を強火で炒めてカレー粉をまぶして、肉類を炒めて煮るみたいな感じで完成する。果物が入っている野菜ジュースも入れたりする。トロトロさせたい時には玉葱やトマトソースを大量に投入して処理している。 慣れた味は美味く感じるので、これまでは市販のルーを少し入れ続けていた。きっかけは覚えてないけど、入れるのを止めたら、それはそれで美味いといった感じだった。市販のルーを使ったカレーと比べると、小麦粉が入っていないので鍋とかを洗う時に楽だというメリットがある。 レシピはこれを基本にして、それなりに手抜きして作っている。 www.balmuda.com カレー粉はこれを使っているけど別にこだわりはない。 ナイル商

                                                                        今年に導入された料理 - 山下泰平の趣味の方法
                                                                      • 五〇年間ずっと嘆き続けながら問題を放置した日本社会 - 山下泰平の趣味の方法

                                                                        放置され続けた苦学問題 世の中には様々な問題が存在している。問題を解消すると問題は消滅するわけだが、別に死ぬわけでもないだとか、面倒クセーだとか俺は困ってない、テレビでスーツ着た奴がなんかしゃべってたしこの政党で良いのでは? などといった理由で、問題が放置されることは多い。こういうことは昔からあることで、私は諸事情があり戦前の苦学について調べていたのだが、苦学が抱える問題も50年程放置されている。戦前の苦学が抱えていた問題の中には、今もまだ解消されていないものがなくもないため、100年以上としてもいいかもしれない。 戦前の苦学は、完全に破綻している。当時理想とされたスタイルで苦学すると、死ぬか犯罪者になるかの二択である。天才だろうと超能力者だろうと大詐欺師だろうと、苦学には失敗する。 cocolog-nifty.hatenablog.com 早々に逃げればなんとかなるが、馬鹿正直に苦学を続

                                                                          五〇年間ずっと嘆き続けながら問題を放置した日本社会 - 山下泰平の趣味の方法
                                                                        • どうしても読みたい本を読むために10万円ほど使った - 山下泰平の趣味の方法

                                                                          基本的に国立国会図書館デジタルコレクションを活用し趣味をこなしていた。しかし趣味の活動が成長し、国立国会図書館デジタルコレクションだけではまかなえないケースが出てきている。今回もそれで、どうしても読みたい本を読むために10万円ほど使った。私の人生では、最もお金のかかった読書だった。 読みたかったのは明治三五年に書かれた本で、数年に渡って古書を購入しようとしたが出品されない。当たり前だがないものは買えない。三つの大学図書館に収蔵されていることは知ってはいたが、私は大学生でもなければ研究者でもないので読むのが難しい。いくつかの手段はあるが、面倒くさいのである。 そもそもの話になるが、未読の本なので本当に読みたい本なのか読まないと分からない。タイトルと著者、出版年や出版社、そして広告文からおおよその内容は分かっているものの詳細は不明である。おそらく読みたい本だろうといった曖昧さしかない。貧民街関

                                                                            どうしても読みたい本を読むために10万円ほど使った - 山下泰平の趣味の方法
                                                                          • コロナ禍・ニューノーマルに適応するため暮らしを改善した - 山下泰平の趣味の方法

                                                                            大幅に暮らしを改善した結果、かなりマシになってきた。 私はずっと世の中から少し距離を置いて生活をしてきたので、前々から今どういう感じなのかよく分からないというようなことがあった。それで別に不自由してなかったんだけど、今はちょっと困る。このあいだも小規模な飲み会に誘われ、一般的に大丈夫な感じになっているのか、それともその人に常識がないのか判断するのが難しくかなり面倒くさかった。 他にも面倒くさいことは多い。これらを客観視するため以前にまとめてみたりした。 cocolog-nifty.hatenablog.com 毎日面倒くさいのはストレスである。こういう場合に私は『逃れられないストレスが発生したら別の場所のストレスを減らす』ことで対処してきた。ところが今回はなかなか上手くいかない。ウイルスや社会という巨大な敵を相手にしなくてはならないので、ストレスを減らすことがストレスみたいな感じで最悪であ

                                                                              コロナ禍・ニューノーマルに適応するため暮らしを改善した - 山下泰平の趣味の方法
                                                                            • お前らに戦前の苦学を成功させることはできないし希代の詐欺師や超能力を持つ教祖ですら失敗している - 山下泰平の趣味の方法

                                                                              戦前の苦学は不可能 諸事情があり、戦前の苦学を調べ続けていた。 田舎の貧しい家庭に生れた若者が家出をして、無一文で東京にまでたどり着き、新聞牛乳配達などで学費を稼ぎ出す。なんとか学校を卒業し見事に出世する……といった物語が明治期に好まれた。本格的に苦学を調べる以前の私が持っていたイメージも、そういったものであった。 しかしながらそんなことを実現させた者など、ほぼいない。なぜなら難易度が高すぎるからだ。そうはいっても俺なら苦学を成功させられそうだけどな、なんてことを思う人もいるかもしれないが、絶対になにがあっても完璧に1000000000%の確率でお前に苦学を成功させることはできない。事実、当時も同じようなことを考え苦学の世界に突入した多くの若者が、みるみるうちに脱落していった。 確かに戦前に苦学はあり、苦学をする者もいた。しかし苦学ですら選ばれた者でなくては基本的には実現できないものであり

                                                                                お前らに戦前の苦学を成功させることはできないし希代の詐欺師や超能力を持つ教祖ですら失敗している - 山下泰平の趣味の方法
                                                                              • 私がコロナウイルスに関して騒ぎすぎだろって思ってしまった理由 - 山下泰平の趣味の方法

                                                                                記憶は曖昧だけど昨年度、2020年の3月あたりの私は、コロナウイルスに関して騒ぎすぎだと考えていた。きちんと調べていないってのもあったんだけど、今から考えると特定の分野に関して知識があったからこそ、余計に思い込みが強くなった側面があったと思う。 その時期の私は、日本では清潔さに関する意識が比較的まともであり、必要な事柄も理屈で説明すれば誰でも理解できると考えていたのである。これは感覚的なものではなくて、個人的に読んだものや調査したものから割出した結論だった。 私は明治から戦前くらいに書かれた面白そうな文章はなんでも読む。だから明治の社会が、虎列剌(コレラ)などの伝染病へどう対処してきたのかを知っていた。明治や大正時代の新聞記事なんかもそれなりには読んでいるので、衛生観念はこう広がっていったのかということもなんとなく分かっている。ちょっと話題になった戦前のマスク云々のお話も、当然ながら認識し

                                                                                  私がコロナウイルスに関して騒ぎすぎだろって思ってしまった理由 - 山下泰平の趣味の方法
                                                                                • 本をそこそこ読んだ人が読んでない人に威張るのは止めたほうがいいと思う - 山下泰平の趣味の方法

                                                                                  たまに本をそこそこ読んでいる人が、本をあまり読んでない人に威張るみたいな風景を見てしまうことがある。多くの場合はそこそこ読んだ人らの意見が嫌すぎて「ヴァー」っとなってしまう。 具体的に書くと面倒くさそうなのでボヤかすけど、少し前にそこそこ価値のある本に対してブックオフで100円で買えるみたいな指摘した人が馬鹿にされていた。しかしそんな情報は日本の古本屋で相場を調べれば10秒くらいで得られるわけで、そんな知識に価値などない。にもかかわらず、鬼の首を取ったみたいにお前は無知だとかいう雰囲気になっていて最悪だった。 これは以前に『日本国紀』を読んでる人が馬鹿にされていた時にも感じたことで、日本国紀が良いかどうかは別の話として、500ページくらいあって読みなれていない人があれを読むのは大変だと思う。そういう長い本を読めたということに感動した人の気持は真実で、そこに他人が口を出すことではない。何度も

                                                                                    本をそこそこ読んだ人が読んでない人に威張るのは止めたほうがいいと思う - 山下泰平の趣味の方法

                                                                                  新着記事