注目コメント算出アルゴリズムの一部にLINEヤフー株式会社の「建設的コメント順位付けモデルAPI」を使用しています
昨2013年10月に逝去した作曲家、三善晃の合唱作品をまとめて聴く仕事をしていて、<ひとり>と<みんな... 昨2013年10月に逝去した作曲家、三善晃の合唱作品をまとめて聴く仕事をしていて、<ひとり>と<みんな>のことを考えた。あるいは晩年に語ってくれた<人となり>について。 三善の合唱処女作は28歳のときの作品『トルスⅡ』(1961)で、混声、エレクトーン、ピアノ、打楽器という特殊な編成をとっている。器楽と混声をくっきりと対峙させる書法は、従来のいわゆる伴奏と歌という定型を打ち破るもので、合唱領域での新たな響きの地平を切り開いた。荻原朔太郎の『月に吠える』から“殺人事件”“見えない兇賊”をテクストとしており、その詩句には「まっさをの血」の戦慄が小刻みに走り、三善の音はそこに鋭く共震している。朔太郎の「人は一人一人では、いつも、永久に、恐ろしい孤独である」という言葉は、三善の魂の実感であった。 翌62年には初期の名作『嫁ぐ娘に』が書かれている。この年、29歳の三善は、30歳を迎えるつもりはな
2016/09/18 リンク