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特派員リポート 中川仁樹(ウラジオストク支局長) 赤茶色のれんがづくりの建物は、無残に崩れた外壁を... 特派員リポート 中川仁樹(ウラジオストク支局長) 赤茶色のれんがづくりの建物は、無残に崩れた外壁をあちこちに残していた。その周囲には、焦げたような黒い部分も目立つ。 「ドイツ軍が攻撃してきたのは、向こうからでした」 案内のラリサ・バビクさんが指さした方を見ると、建物に沿って小さな川が流れ、太陽の光を受けて水面がきらきらと光っていた。向こう岸には緑豊かな林が広がる。75年前の激戦の舞台とは想像ができないのどかな風景だ。 旧ソ連の構成国だったベラルーシ西部にあるブレスト。ポーランドとの国境に接するこの街の要塞(ようさい)に、1941年6月22日午前4時ごろ、ドイツ軍がソ連との独ソ不可侵条約を破って攻撃を開始した。開戦から30分間で約5千発という激しい砲撃を受け、厚さ約2メートルのぶ厚い壁も崩れ落ちた。ソ連軍は約1週間にわたって猛烈に抵抗したが、1カ月後には完全に制圧された。兵士ら約2千人のほか
2016/06/13 リンク