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小さな嘘が相手をどうしようもなく傷付けることがある。 父が昔、僕によく話していたのは、忘れているな... 小さな嘘が相手をどうしようもなく傷付けることがある。 父が昔、僕によく話していたのは、忘れているなら忘れていると正直言えということだった。 憶えている振りをするな、と。 僕はあまりに唐突に言われたので、ああこれはきっと僕ではなく自分に向かって言っているのだと瞬時に理解した。あれは11歳の時だっただろうか。 その時のことを、つい先日、父に会った時に聞いてみた。 すると、こんなことがあったそうだ。 父もある会社の経営者なのだが、当時の部下だった社員が笑顔で「この間は電報をありがとうございました! 家族がとても喜んでいました!」と言ってきた。 身に覚えがないから、きっと急だったので総務部が出したのだろうと父は解釈したそうだ。そして「ああ、そうだったね。おめでとう」と言った。 社員は微笑んだ顔のまま、こう言ったそうだ。 「いえ、父の葬儀です」と。 父はきっと今でもその時のやり取りを後悔しているのだ