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「インシテミル」というタイトルについては深く考えずに買った。あまりタイトルの意味などを推測しなが... 「インシテミル」というタイトルについては深く考えずに買った。あまりタイトルの意味などを推測しながら1ページ目を繰るタイプではない。最初のページに「暗鬼館」という名前と館内の見取り図があるのを見て「館モノかあ」と思うくらいのミステリ知識がある。つまりその程度の読者である。ミステリ読者としてはその程度であるから、米澤穂信についてもあまり何かを言えない。ただ、いい作家だと思うので何冊か買い求めて読んでいる。ミステリ、ライトノベル、そしてそれ以外の小説、その間に立って自分は何をしようかと考えているような作家という印象があった。いずれの方面にも笑顔を絶やさないようにしているのは保守的などっちつかずさなのか、それとも安定しない中間地点でしかできないことがあると積極的にそこを選んでいるのか。どうも判然としない部分があって、そこが面白い人だと感じている。だがともかく彼の作品で「さよなら妖精」を最初に読めた