エントリーの編集
エントリーの編集は全ユーザーに共通の機能です。
必ずガイドラインを一読の上ご利用ください。
エントリーの編集は全ユーザーに共通の機能です。
必ずガイドラインを一読の上ご利用ください。
注目コメント算出アルゴリズムの一部にLINEヤフー株式会社の「建設的コメント順位付けモデルAPI」を使用しています
駅に着くまで眠りこんでいた純一を揺り起こし、改札を抜けたときにはすっかり宵闇が地面から立ちのぼっ... 駅に着くまで眠りこんでいた純一を揺り起こし、改札を抜けたときにはすっかり宵闇が地面から立ちのぼったふうに上空まで充たされていた。 「やっぱり匂うよね、潮の香りほんの少しだけど」 純一にしてみれば苦い経験を回想させる帰省となるはずだったが、妙にさばさばした口ぶりは屈託のなさを素直に表しているようで、また一抹の懸念を糊塗するため陽気な顔つきをこしらえているのかも知れない。 孝之にとっても気がかりは同様であり、それとなく三好に尋ねてみたところ、結城初恵はふたたびN市に戻ったそうで遭遇することもないだろうと思ってはみたが、純一をともないこのまちへ帰ったからには、消し去れない感情が線香の煙りのごとくどうしても細くたなびいてしまう。 静まりかえった駅前に数台の出迎えらしき車を目にした。 「そうかい、父さんには匂わないなあ」 と少し間を置いて返答したとき、左側から聞き覚えのある声が飛びこみ、それが三好の