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夏目漱石の『坊つちやん』の登場人物の英語教師「うらなり」を語り手にして夏目漱石の小説の後日談を書... 夏目漱石の『坊つちやん』の登場人物の英語教師「うらなり」を語り手にして夏目漱石の小説の後日談を書くという趣向の小説である。2006年「文學界」に掲載され、同年6月、文藝春秋から単行本が発刊された。小林は「純文学、エンターテイメント、評伝、映画研究、コラムなど多方面にわたってすぐれた作品を発表し、その文業の円熟と変わらぬ実験精神によって『うらなり』を完成させた」という受賞理由で、第54回菊池寛賞(2006年)を受賞した。 夏目漱石の『坊つちゃん』でのうらなりの設定は、家が没落し窮乏した顔色の悪い英語教師であり、マドンナを横取りしようとする教頭の策謀で、延岡に転任させられる。漱石の小説ではうらなりについての記述はきわめて少ない。この小説ではうらなり自身を語り手にして、その後のうらなりの生涯を描くという趣向で、昭和9年に、数学の参考書を出版して知られるようになった山嵐と老年となったうらなりが昔日
2020/06/30 リンク