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→紀伊國屋書店で購入 「で、それが何?」 批評家は概して怒りっぽい。たぶん批評とは、苛々したり、激し... →紀伊國屋書店で購入 「で、それが何?」 批評家は概して怒りっぽい。たぶん批評とは、苛々したり、激しく軽蔑したり、噛みついたり、憤りつつ励ましたりということをスタイルとして織りこんだものなのだ。少なくとも「ニッポンの批評」は。 そういう批評家たちの中でも、とりわけ派手な切った張ったの多かった一群の批評家たちがいた。八〇年代に一世を風靡したニューアカデミズム、いわゆる「ニューアカ」である。この「ニューアカ」を、浅田彰の『構造と力』を出発点としたひとつの持続的な系譜ととらえ、80年代からゼロ年代にかけての批評の流れを整理してみせるのがこの『ニッポンの思想』である。 しかし、そうした内容の本のわりに目につくのは、一見した毒気のなさである。乱闘現場に乗りこんでいくにしては、スルッとスマートでおとなしい。この著者は、すごくいい人なのではないかと錯覚しそうになるほどだ。 だが、実はこういうスルッとスマ
2009/11/16 リンク