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渡良瀬 [著]佐伯一麦 1993年から96年まで、月刊文芸誌「海燕(かいえん)」に連載されたが、雑誌... 渡良瀬 [著]佐伯一麦 1993年から96年まで、月刊文芸誌「海燕(かいえん)」に連載されたが、雑誌の終刊によって中絶したままになっていたのを、このたび17年ぶりに続きが書き下ろされて完成の運びとなったのが本書である。佐伯一麦の他の小説と同様、いわゆる私小説であり、主人公はほぼ作者自身だと言ってよい。物語られるのは、88年の9月から89年の春先まで、すなわち昭和の終わりから平成のはじまりにかけて、である。 まだ20代だが妻と3人の子を持つ南條拓は、思う処(ところ)あって東京から茨城県西部の古河市に移り住み、配電盤の製造工場に勤め始める。妻の神経過敏、長女の緘黙(かんもく)症、息子の川崎病といった複数の家族の問題を抱えながら、彼は様々なタイプの工員たちと触れ合いつつ、労働の日々を過ごしてゆく。題名は、拓が休日に赴く渡良瀬遊水地から採られている。 私小説であるから、ドラマチックな物語性などは、