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四十を超えてからじわじわと老眼っぽくなってきて、電車の中で本を持つ手が日に日に顔から遠ざかる。混... 四十を超えてからじわじわと老眼っぽくなってきて、電車の中で本を持つ手が日に日に顔から遠ざかる。混んだ車内で本を顔にくっつけるようにして広げるという芸当はもうできない。 そんな苦難とたたかいながら読んだ本書『マルクスの使いみち』(稲葉振一郎・松尾匡・吉原直毅著、太田出版)は、分析的マルクス主義(アナリティカル・マルキシズム)に立つ現代経済学がめざすもの、また新古典派経済学とそれとの関係について大まかに状況を知るには非常に役立つ良い本である。とはいえ、最低限、大学教養課程のミクロ経済学をかじり、全部ではなくても『資本論』を少しはまじめに読んだ経験がないと、(とりわけ吉原氏の議論に)ついていくのは結構キツイかもしれない。稲葉氏がターゲット読者として掲げる「人文系ヘタレ中流インテリ」とは、実際にかなり高いレベル設定のようだ。ぼくも全部がすんなり理解できたわけではない。 内容的には、第1章「『解体』
2018/07/14 リンク