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曽野綾子氏著の「老いの才覚」のなかに次のくだりがある。 「江戸しぐさ」と言われるものに、後から来た... 曽野綾子氏著の「老いの才覚」のなかに次のくだりがある。 「江戸しぐさ」と言われるものに、後から来た人が座れるように腰をこぶし分だけ浮かせて少しずつ席を詰める「こぶし腰浮かせ」や、道を歩いていて人とぶつからないよう肩を引く「肩ひき」、雨の日はしずくをかけないように外側に傘を傾けてすれ違う「傘かしげ」などがあります。日常、そういう他人へのちょっとした心遣いを忘れないことが大切です。 老人になって身に着けなければならない二つの力は、他人への気配りと忍耐力を養うことだと彼女は書いています。江戸時代は、260年以上もの間、争いのない平和な時代でした。人々の共生の知恵として、「江戸しぐさ」の存在があったからであろうと推察できる。 年の取り方を知らない老人が急増してきたといわれ、そして超高齢化の時代を迎える今、わがままな年寄こそ大問題なのである。自立した老人になり人生を面白く生きるための彼女が指摘する7
2015/02/13 リンク