戦場の伝書バト〜知られざる情報戦〜

戦場の伝書バト〜知られざる情報戦〜

鳩は、体重の20〜30％を占める発達した胸筋と、１分間に６百回拍動する強い心臓を持ち、毎秒10回という...概要を表示 鳩は、体重の20〜30％を占める発達した胸筋と、１分間に６百回拍動する強い心臓を持ち、毎秒10回という高速のはばたきにより、飛行速度は100�q/h前後にも達する。また、帰巣本能に優れ、高層建築物や高い樹木、山野の起伏等の記憶と、日差しや地磁気を感知する能力により、相当の遠距離からでも自分の巣に帰還する。こういった能力から、鳩は古来より通信手段に使われてきた。 古くは旧約聖書のノアに小枝を届けた鳩は、紀元前３千年のエジプトで、漁船が漁獲量を陸に伝えるために使われていた記録がある。以後、チンギス・ハン率いるモンゴル帝国でも遠距離通信手段として用いられ、カエサルの勝利の報告も、ナポレオンの敗戦の報告も、鳩によっていち早く後方にもたらされた。 伝書鳩は20世紀になっても健在で、第一次世界大戦でも20万羽以上が使われていた。当時、既に電話や電信は存在していたものの、電話は電線を切断される等の妨害

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