木村伊兵衛の愛した秋田

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木村伊兵衛の愛した秋田

ライカＭ３のボディを買ったことのある横浜のタナカカメラにぶらっと寄った時だった。ショーケースのな... ライカＭ３のボディを買ったことのある横浜のタナカカメラにぶらっと寄った時だった。ショーケースのなかにカメラ用品ではなく本がおかれていた。木村伊兵衛　秋田　――ニコンサロンブックス――４と記されたもので、頁をめくると昭和初期か明治時代を思わせる農村風景のモノクロ写真集であった。表紙には端正な顔立ちの農家の娘の写真（作品名　おばこ）が載せられていた。この冊子はニッコールクラブの会員に無償配布されたものであったが、売値は五千円であった。木村伊兵衛の名は知っていたがどんな作品があるのかをまったく知らなかったことと、登載写真の温かさとどこか心魅かれるものを感じたので大枚を払って購入した。木村伊兵衛の秋田行写真集の作品がどこで撮られたのか？いつ頃の写真なのか？は巻末に載せられていたが秋田県に一度も行ったことのない自分にはよく分からないことの方が多かった。その後いろいろな書籍や後に会うことが

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