注目コメント算出アルゴリズムの一部にLINEヤフー株式会社の「建設的コメント順位付けモデルAPI」を使用しています
よく「マンガが面白くなくなった」なんて言う人がいるけれど、それはその人が面白いマンガを発見できな... よく「マンガが面白くなくなった」なんて言う人がいるけれど、それはその人が面白いマンガを発見できなくなっただけの話である。特に新人作家に関して言えば、みんな昔より間違いなく上手(うま)い。もちろん〈上手い〉と〈面白い〉は別物だが、斬新で個性的な表現力を持った新人が随時登場しているのは事実なのだ。 なかでも今回紹介する笠辺哲には期待大。初作品集となる本書は、マッドサイエンティストが開発した未来予知装置をめぐるブラックユーモアSF風味の表題作をはじめ、不条理劇のような『衛生下士官』、寓話(ぐうわ)的物語『渡る世間』、小津映画を思わせる『わすれな草』、異世界SF『イパネマの娘』など9編を収録する。 一見バラバラのように見えて、どの作品にも独特の哀愁と毒と脱力感が漂う。ちょっとレトロな絵柄とも相まって、新しくも懐かしい奇妙な世界を構築する。その味わいは、〈諸星大二郎+いましろたかし+星新一〉みたいな
2006/02/17 リンク