ニュース
Kodak、水平360度/垂直214度、「置くだけでほぼ全てを撮影できる」アクションカム
(2014/10/23 13:31)
マスプロ電工は、米JK ImagingからKodakブランドで発売される、デジタルカメラやビデオカメラの日本での独占販売権を取得。国内販売の第1弾モデルとして、水平方向に360度撮影できるアクションカメラ「SP360」を11月21日に発売する。価格はオープンプライスで、直販価格は41,500円。販売ルートは、エディオン、キタムラ、ケーズデンキ、コジマ、ビックカメラ、ヨドバシカメラ。
また、ビデオカメラスタイルのアクションカム「SP1」も同時発売。価格はオープンで、店頭予想価格は3万円前後。マイクロフォーサーズのミラーレス一眼「S-1」も同日発売の予定で、レンズキット(SZ 12-45mm F3.5-6.3 AF Lens付き)で実売6万円前後を予定している。
360度撮影できるアクションカメラ「SP360」
水平方向に360度、垂直方向に214度と、全方位撮影ができるアクションカメラ。「置くだけでほぼ全てのシーンを逃すことなく撮影できる」という。
レンズの画角は214度、焦点距離は35mm換算で8.25mm、F2.8。7群9枚のレンズ構成となる。固定焦点で光学ズームは無い。センサーは1/2.33型のCMOSで裏面照射型。総画素数は1,752万画素、有効は1,636万画素。電子式の手ぶれ補正を備えている。
大きくわけて「FRONTモード」、「ROUNDモード」の2つの撮影モードがある。FRONTモードは前方240度の映像を、4:3、もしくは16:9で撮影するモードで、一般的なアクションカメラのような前方の広角映像が撮影できる。この場合、最高で1,920×1,080/30p、約16Mbpsでの撮影が可能。フォーマットはMPEG-4 AVC/H.264のMP4。
水平方向360度、垂直方向214度の全方位撮影を行なうのが「ROUNDモード」。この場合は最高で1,440×1,440ドット/30p/16Mbps、スクエアで円形の全周映像を撮影する。この全周映像は、後からPC用ソフトを使って様々な再生や編集ができる。
再生モードは、撮影した全周映像をそのまま再生する「GLOBAL」、180度ずつに上下に2分割して再生する「SEG」、横長に全て表示する「PANORAMA」、指定した部分を表示する「EXTRACTION」、90度ずつ4分割する「QUAD」、流れるように視界を自動的に移動させながら再生する「THROW-OUT」、指輪のような形状で映像を表示する「RING」、プラネタリウムのようなドームに映像を貼り付けたように再生する「DOME」モードの8種類を用意する。
この再生モードは、自由に切り替えて楽しめるほか、選択したモードで再生している場面を、別の動画として保存する事も可能。例えば、車を運転している様子をROUNDモードで全周撮影し、その映像をPCソフトで読み込み、走行中の前方視界を画面の上半分に、運転している車内の自分の姿を下半分に表示する「SEGモード」で再生。その再生しているSEGモードの画面を、別の動画ファイルとして保存できる。
これにより、PCの再生・編集ソフトを持っていないユーザーにも、全周動画から、面白い部分を効果的な表示スタイルで抜き出し、通常の動画ファイルとして渡す事ができる。
撮影機能として他にも、古い映像から順に上書きしていくエンドレス録画、タイプラプス、動体を検知して撮影する機能、840×480/120bpsのハイスピード撮影にも対応する。
無線LAN機能を内蔵し、スマートフォン向けアプリ「Kodak PIXPRO SP360」との連携が可能。スマホからカメラ映像を確認しながら、録画開始などの操作ができるほか、撮影画面の確認、録画・撮影データの確認も可能。本体に映像を表示する液晶ディスプレイは備えていない。
microUSB、HDMI(タイプD)などの外部インターフェイスも用意。内蔵メモリは8MB、microSD/microSDHCカードも利用でき、32GBまでをサポート。無線LANはIEEE 802.11b/g/nをサポート。NFCにも対応しており、NFC対応のスマートフォンなどとワンタッチでペアrングできる。
電源は3.6V/1,250mAhのリチウムイオンバッテリ。動画で約160分の撮影ができるとする。外形寸法は約41.1×50×38mm(幅×奥行き×高さ)で、カメラ本体のみでの重量は約103g。今後、別売アクセせサリとして固定用パーツなどを多数発売予定。
ビデオカメラスタイルのアクションカム「SP1」
SP1はビデオカメラスタイルのアクションカムで、160度の広角レンズを搭載する。焦点距離は35mm換算で16.8mm、F2.8。6群6枚のレンズ構成。固定焦点で光学ズームは無い。センサーは1/2.33型のCMOS。総画素数は1,531万画素、有効は1,424万画素。電子式の手ぶれ補正を備えている。
最高で1080/30pでの動画撮影が可能。848×480/120pのハイスピード撮影も可能。MPEG-4 AVC/H.264のMP4形式で撮影する。最高4,320×3,240ドットの静止画撮影も可能。
エンドレス録画、タイムラプス撮影、静止画連写、動体検知録画も可能。無線LAN機能も搭載している。
本体のみで水深10mまでの防水機能と、高さ2mまでの耐衝撃性能、IP6Xの防塵機能などを搭載。マイナス10度の環境でも撮影できる。
1.5型の液晶モニターも搭載している。記録メディアはmicroSD/microSDHCで、32GBまでのカードをサポート。
外形寸法は39.5×84.7×51.4mm(幅×奥行き×高さ)。重量はカメラのみで155g。バッテリ容量は1,250mAhで、動画撮影時間は約130分。
マイクロフォーサーズのミラーレス一眼「S-1」も発売される。総画素1,683万画素のセンサーを搭載。外形寸法は115.7×35.6×67.4mm(幅×奥行き×高さ)で、本体のみの重量は約290g。レンズキットでの販売となり、「SZ 12-45mm F3.5-6.3 AF Lens」が付属する。
セキュリティカメラ分野での活用も検討
マスプロ電工の端山佳誠社長は、地上デジタル化特需が終わった2011年頃から、売上が低下、「近年は非常に厳しい状況が続いている」と説明。こうした状況になる事を見越して、2010年から第二の事業の柱を作る構造改革に着手。その一環として、セキュリティーカメラに進出している事を説明した。
その流れの中で、今回の全周撮影ができるSP360と出会い、アクションカメラとしてだけでなく、セキュリティカメラとしの可能性も秘めていると判断。その他の製品も含め、Kodakブランドのデジタルムービーの国内独占販売権を取得する事を決意したという。
日本市場におけるKodak PIXPROシリーズ全体の販売計画として、2014年は4,400台、2015年は26,400台、2016年は43,900台と予測。「できるだけ早く、この業界における地位の確立を図るべく、全社一丸となって取り組んでいく」とした。