Atomのイメージを粉砕する、ARROWS Tab WQ1/Mのパワー
Bay Traile-TになったAtomの性能は、多くのユーザーが持つAtomのイメージを軽く粉砕するものになっている。スペックシートからも分かる通り、4コア/4スレッドであり、基本的な操作でもたつくことはまずない。3D性能はやや低いため、最新3Dゲームタイトルのプレイは厳しいものがあるが、古いタイトルであればある程度は動作するなど、サブPC的な運用やオンラインゲームの複数アカウントプレイ用としてもよさそうだ。
また防水機能があるため、多くのユーザーがお風呂でのゲームプレイを考える可能性が高いと思う。そう、通常のWindowsアプリが動作するデバイスであるため、秋葉原でよく月末に行列ができる特定ジャンルのソフトで遊びたい方は多いだろう。筆者もそうで、ARROWS Tab WQ1/Mを手にして真っ先に実行したのは、ギャルゲーが動作するかの確認だった。10タイトルほど試してみたところ、総じて動作状況は良好。3D系タイトルは完全敗北だったが、2D系であればやたら動くオープニングでもこなせていたため、劇中のメインシーンでもたつきイライラするという可能性は低いと思われる。
ゲームプレイはフルスクリーン表示がオススメ
ゲーム側のインターフェースが影響してくるが、ARROWS Tab WQ1/Mの場合、ゲーム中のクリック操作は“タップ”で行なう。テキスト表示を進める部分は問題ないが、右クリック操作に対する影響が大きく、長押しタップを行なった際に右クリックが機能したり、機能しなかったりということがあった。
プールやお風呂の場合は、指先操作がとても楽しいのは確か。ただそれでも、ソファや布団で遊ぶ場合は、“フットペダル”がほしくなることがあった。マウス操作可能なWi-Fi接続フットペダルが登場しないだろうか。
またゲームプレイ時は、ウィンドウ表示よりもフルスクリーンで表示することをオススメしたい。いくつかのゲームタイトルはフルHD以上の解像度にも対応しており、グラフィックが荒く見えるケースは少ないように感じたからだ。
一方、ゲームをウィンドウ表示にした際は、ARROWS Tab WQ1/Mの最大解像度が2560×1600ドットと高いこともあり、ゲーム画面がだいぶ小さく感じられてしまう点に注意だ。たとえば、1280×720ドットサイズのウィンドウ表示にした場合、ちょっと残念な気分になってしまうだろう。紳士諸君は、男らしくフルスクリーンで、ARROWS Tab WQ1/Mのステレオスピーカーを活かして、臨場感あるお風呂プレイを楽しんでほしい。
ARROWS Tab WQ1/M、抜錨します!
ARROWS Tab WQ1/Mの薄さと重量、さらに防水と聞いて、「もしや、こいつは浮くのか?」と気になった読者もいるだろう。
筆者も、ARROWS Tab WQ1/Mと一緒に水面に浮かべれば、それすなわち、艦娘と一緒に航行できることと思い至り、「筆者の秘書艦である不知火と一緒に泳げるのではないか」とまずお風呂で試したところ、あえなく即座に水没してしまった。
そこで次に思いついたのがARROWS Tab WQ1/Mを浮かべられるフロートなのだが、残念ながらサードパーティー製品などは登場していないため、今回は自作することにした。
ただ時間的な問題が山積みであっため、対波性能をガン無視した仕様としている。先に述べておくと、一緒に泳ぐとユーザー自身が生み出す波でARROWS Tab WQ1/Mが沈没してしまう。四隅に大型のフロートを取り付けることで回避できそうなので、興味がある提督たちは各々のスキルを駆使して挑んでみてほしい。
微速航行するARROWS Tab WQ1/Mを録画したもの。フルフラットな製品なので律儀に龍驤ちゃんを旗艦にした画面を表示していたのだが、周囲が明るすぎて見えない状況となっており、実に残念
※ 富士通さん本当に申し訳ありません |
おさらいしておくと、ARROWS Tab WQ1/Mの防水性能はIPX8。ARROWS Tab WQ1/Mの製品紹介ページにある注書きによると、「常温で水道水、かつ静水の水深1.5mのところに本機を静かに沈め、約30分間放置後に取り出したときにタブレットとしての機能を有すること」がIPX8の条件。厳密には「水道水」ではないところでうっかり試してしまったが、今のところ不具合は生じていないので、短時間なら浅い場所に水没させてもOKということだろう。防塵性能はIPX5で、浜辺はそれなりに大丈夫なものだ。
また、収納式スタイラスは防滴仕様でIPX2になっている。収納したままであれば、水没させてもスタイラスに影響はないが、抜き身での水没は故障の要因になるわけだ。
性能/CPUパワーは問題ナシ! 屋外のアクティブな運用にも応える
「ARROWS Tab WQ1/M」
「心が超広いと定評のある富士通さんなら許してくれるよね」と思いつつ、まとめに入ろう。
用途はまだ模索段階に近いものの、タブレットは一気に普及し始めているデバイスで、とりわけ10型クラスのタブレットは、Surfaceシリーズが示すノートPC/タブレットな運用スタイルが定着しつつあるといえる。用途によってはメインPCとして十分使えるという方もいるだろう。
そんな状況でARROWS Tab WQ1/Mを見ると、基本的なタブレット用途を押さえつつ、防水機能によって、利用できるフィールドを広げることに成功したナイスな製品であると、今回の記事で理解していただけたと思う。室内だけでなく、アウトドアや屋外での相棒として、ARROWS Tab WQ1/Mをチェックしてみてはいかがだろうか。
ARROWS Tab WQ1/Mの主なスペック | |
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製品名 | ARROWS Tab WQ1/M |
価格 | 8万820円から(「富士通 WEB MART」キャンペーン価格、2013年12月6日現在) |
CPU | Intel Atom Z3770(1.46GHz、4コア/4スレッド)、 インテル バースト・テクノロジー対応 |
チップセット | ― |
メインメモリー(最大) | 4GB(4GB) LPDDR3-1066 |
ディスプレー (最大解像度) |
10.1型ワイド(2560×1600ドット、16:10) IPS Alpha液晶、299ppi、タッチパネル、電磁誘導方式デジタライザ対応、LEDバックライト |
グラフィックス機能 | Intel HD Graphics(CPU内蔵) |
ストレージ | 約128GB SSDまたは約64GB SSD |
光学式ドライブ | DVDスーパーマルチドライブ(USB 2.0外付け)またはなし |
通信機能 | 無線LAN(IEEE 802.11a/b/g/n) |
インターフェース | USB 3.0端子、microUSB 2.0端子、FeliCa対応NFC、前面:200万画素ウェブカメラ、背面:800万画素ウェブカメラ、Bluetooth 4.0 |
ダイレクト・ メモリースロット |
microSD/microSDHC/microSDXC対応 |
テレビ機能 | ― |
センサー | 指紋センサー、GPS、加速度センサー、地磁気センサー、照度センサー、ジャイロセンサー |
防水/防塵機能 | 本体:防水(IPX5/7/8)および防塵(IP5X)、 付属ペン:防滴(IPX2) |
サウンド機能 | ステレオスピーカー、デジタルマイク、ヘッドホン/ラインアウト兼用端子 |
本体サイズ/重量 | 約幅267×奥行き180.8×高さ9.9mm/約650g |
バッテリー駆動時間 | 約15.5時間 |
OS | Windows 8.1(32bit) |
オフィス | Microsoft Office Home and Business 2013、またはなし |
付属品 | Wacom製専用スタイラスペン |