量産できない「軍艦」が艦これ人気の秘密!?
──艦これ人気をどのように分析していますか?
片岸 初期にネット掲示板のユーザーに支持されたのが大きいのではないかと思っています。そこが基盤になっているのは間違いないでしょう。ただ、拡散したのはクリエーター層に気に入られたといった、いろいろな要素がありますね。
また「兵器」という観点では、軍艦は量産兵器ではないのでソーシャルゲーム化しやすいんです。ソーシャルゲームって200とか300とか、とにかくキャラクターの数が必要。銃も戦闘機も1タイプを量産するものなのでそんなに種類がない。軍艦は一艦単位で名前があるので、それでソーシャルゲームに非常に向いていた。まぁ、後付けですけどね。いいところに目を付けたと思います。
──軍艦はそれぞれ個性があるので擬人化しやすいところですね。ゲームそのものについてはいかがでしょう。
片岸 パブリッシャーの自分たちが言うのもおかしい話ですけど、よくできているなって思います。これもさまざまな要素があると思いますが、まず戦略性がそこそこある。部隊編成から考えなくてはならいのが面白いなと思ったところ。またログインしたときに一声かけられるとか、節々がリッチな作りになっているのでキャラクターに対して愛着が高まるのもいいですね。
あとは、育てる喜びと、艦艇が撃沈して永遠に失われるところです。失うリスクがあるから大事にする。押し引きを考えるようになるので、「艦娘」(軍艦を擬人化したキャラクターの総称)を大事にするモチベーションが高まっていく。あれはすばらしいなと思います。
──ところで御社はアダルトゲームも手掛けていますが、一般向けの艦これで、艦娘が攻撃を受けた際に服がところどころ破れる演出は御社からのリクエストだったのでしょうか。
片岸 アダルトとは切り離した一般向けのオンラインゲームなので、R18アダルトの要素を入れないということで企画はスタートしていますが、少年誌などで許されそうなレベルのお色気要素は入れてもいいんじゃないかということで弊社プロデューサーと開発チームが入れてきた感じですね。
──一般向けに拡大しつつある、御社のプラットホームの強みはなんでしょう。
片岸 法律には違反されては困りますが、アップルストアやグーグルプレイよりも表現規制がゆるく、いろいろな表現ができるプラットホームということです。だからこそ、大人がしっかりと倫理観を守った中で楽しめるゲームプラットホームにできたらいいなと思います。
また一般向けもアダルトも、ヒットしたゲームをマネるというよりは、世の中にないオリジナリティーのあるゲームを展開していくのがポリシーです。今後も、そういったゲームに投資していきたいと思います。現在もオンラインゲーム事業部の拡大のため、スタッフとセカンドパーティーを募集しているところです(詳細は関連サイトより)。
──第二の艦これが生まれることを楽しみにしています!
片岸 計画して作れるものじゃありませんよ(笑)。
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