ウェブコンテンツのリンク集を作ると、反響に応じて収益が得られる。そんなコンセプトがNAVERまとめのウリであった。しかし、9月末にAdSense停止という状況が発生、そのあり方に転機が訪れている。グーグルの定めるアダルトコードの抵触がひとつの理由らしいが、ここには他人の作ったコンテンツをまとめるキュレーションメディアの性質、巨大プラットフォームへの依存といったいくつかの問題がある。NAVERまとめ問題を筆者の視点でまとめてもらった。
キュレーション型サービスの試練か?
9月27日までに、NHNが運営するNAVERまとめへのGoogle AdSense広告の配信が停止された。NAVERまとめはウェブコンテンツを特定のテーマに沿って集約する商用「キュレーション型のサービス」としてスタートし、またAdSense広告やアフィリエイトから生じる収益をまとめを制作したユーザーに分配するというユニークな手法で、熱心なユーザーを獲得していた。
ASCII.jpでも、NHN・ネイバージャパンの森川亮社長、事業戦略室 室長でチーフストラテジストの舛田 淳氏に、サービスの概要とインセンティブについて詳しく話を聞いている(関連記事)。インタビューで森川社長は「クリエーションを誘発するためにはWikipediaのような有志のボランティア参画だけでは十分ではない」として、収益分配の必要性を強調していたのが印象的だった。
今回、ネイバージャパンがAdSense配信停止に至る経緯を公開(ネイバーのサイト)したことで、以下のようなポイントが明確になったと筆者は考えている。
- キュレーションと著作権の微妙な関係
- そもそもキュレーションと「ただ乗り」はどう異なるのか?
- 覇権プラットフォームと向き合うリスク
- インセンティブと品質のバランスをどう取るべきか?
次ページから1つずつ見ていこう。
