なんとCPUやマザーボード、ビデオカードなどのパーツ類を丸ごと専用液に浸したハイエンドPC「ReactorX PC」がHardcore Computerから登場。現在、オリオスペックで展示デモが行なわれている。
一見すると、熱帯魚でも泳ぐブルーに光る水槽のような同製品。実は、Hardcore Computer社独自の完全浸漬(トータルリキッドサブマージョン)テクノロジーを用いたサーバ・ワークステーションPCシリーズというから驚きである。
同技術は、タンク内にPCシステム全体を封入し、食品グレードの原材料から精製されたという生分解性合成オイル“CoreCoolant”に完全に浸した状態で動作。オイルをポンプで循環させ、背面の大型ラジエーターで熱交換し冷却するというもの。この“CoreCoolant”は、空気の1350倍の冷却効率を持つといわれており、CPU、メモリ、マザーボード、電源、ビデオカード、SSDなどをオイルで全て一様に冷却するとのこと。そのため個別の冷却ファンによるノイズが一切なく、ラジエーターに装着した超低回転大径ファン(120mm×4基)のみの送風で十分に冷却できる。CPUとGPUがフル稼働状態でも、ファンの音がかすかに聞こえる程度という静音性も特徴となる。
なお、製品自体は完全受注制で、完成状態のPCが販売されることとなる。ユーザーが自由に交換できるのはHDD(2基のホットスワップベイを装備)程度で、購入後のカスタマイズはほぼ無理と思ったほうがいい。
ケース全体のサイズは230(W)×610(D)×57(H)mm(いずれも実測値)で、重量は約70kg。購入後は容易に持ち帰るなどできるはずもなく、このあたりはスタッフと要相談となりそうだ。オリオスペックによる予価は50万円~60万円予定で、近日中にウェブサイトで詳細を発表するとのこと。展示デモのほうは2週間限定で行なうそうなので、まずは見てみたいという人は早めに行った方がいいだろう。