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Hardcore Computer「ReactorX PC」

PCを丸ごと油槽に沈めた、鬼冷却&静音PCが展示中!

2011年07月28日 23時40分更新

文● 増田

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 なんとCPUやマザーボード、ビデオカードなどのパーツ類を丸ごと専用液に浸したハイエンドPC「ReactorX PC」がHardcore Computerから登場。現在、オリオスペックで展示デモが行なわれている。

パーツ類を丸ごと専用液に浸したハイエンドPC「ReactorX PC」。まさに従来の水冷システムとは一線を画す製品の登場である

 一見すると、熱帯魚でも泳ぐブルーに光る水槽のような同製品。実は、Hardcore Computer社独自の完全浸漬(トータルリキッドサブマージョン)テクノロジーを用いたサーバ・ワークステーションPCシリーズというから驚きである。

ブルーに光る水槽のような側面。生分解性合成オイル“CoreCoolant”に完全に浸した状態で動作しており、空気の1350倍の冷却効率を持つとうたう

 同技術は、タンク内にPCシステム全体を封入し、食品グレードの原材料から精製されたという生分解性合成オイル“CoreCoolant”に完全に浸した状態で動作。オイルをポンプで循環させ、背面の大型ラジエーターで熱交換し冷却するというもの。この“CoreCoolant”は、空気の1350倍の冷却効率を持つといわれており、CPU、メモリ、マザーボード、電源、ビデオカード、SSDなどをオイルで全て一様に冷却するとのこと。そのため個別の冷却ファンによるノイズが一切なく、ラジエーターに装着した超低回転大径ファン(120mm×4基)のみの送風で十分に冷却できる。CPUとGPUがフル稼働状態でも、ファンの音がかすかに聞こえる程度という静音性も特徴となる。

正面向かって右サイドにはご覧のような大型ラジエーターを搭載。その背面には120mm×4基のファンが装備されており、ユルユルとラジエーターを冷却する。またオイルが流れるチューブは太く、熱も触れる程度ながらかなり熱く感じられた

トップ部。フロントとリア部には取っ手が付いているが、総重量は約70kgのため1人で移動させるのはかなり危険か。なおCMOSバッテリは消耗品のためか、ここから交換が可能となる

 なお、製品自体は完全受注制で、完成状態のPCが販売されることとなる。ユーザーが自由に交換できるのはHDD(2基のホットスワップベイを装備)程度で、購入後のカスタマイズはほぼ無理と思ったほうがいい。

ホットスワップベイ

ユーザーが自由に交換できる2基のホットスワップベイはリア部分に用意されている

 ケース全体のサイズは230(W)×610(D)×57(H)mm(いずれも実測値)で、重量は約70kg。購入後は容易に持ち帰るなどできるはずもなく、このあたりはスタッフと要相談となりそうだ。オリオスペックによる予価は50万円~60万円予定で、近日中にウェブサイトで詳細を発表するとのこと。展示デモのほうは2週間限定で行なうそうなので、まずは見てみたいという人は早めに行った方がいいだろう。

サウンド類は左側、LANやUSBコネクターは右側と、それぞれギザギザにカットされたようなユニークな形状部分に用意されている

【取材協力】

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