四本淑三の「ミュージック・ギークス!」 第62回
U-zhaan×レイ・ハラカミも遊んだ“手乗りドラム”
バスドラ+スネアで1kgって!? 本格プチ楽器「WAVEDRUM Mini」
2011年06月25日 12時00分更新
これは「叩く」「触る」といったシンプルな打楽器の奏法が使える、まったく新しい楽器と言ってもいい。「KORG WAVEDRUM Mini」(6月25日発売。定価2万8350円)はユーザーの創意工夫で、何でも打楽器にしてしまえる最新のデジタル楽器だ。
付属のクリップ式のセンサーで挟めるものなら、大抵WAVEDRUM Miniを上手く鳴らすことができる。しかも叩く強弱だけでなく、挟んだものの微妙な材質感まで音として伝えてくるから驚きだ。叩いて音が出るまでのタイムラグも皆無だから、どんな素材でも楽器としての一体感が得られるのが楽しい。だから多くのユーザーは、買った瞬間から、身の回りのものを片っ端から挟んで叩きまくることになるだろう。
このWAVEDRUM Miniの技術的ルーツは、1995年に発売された「WAVEDRUM」にある。スティックやブラシの微細なニュアンスを拾い、打面を押さえることで音色の変化を得られるなど、従来のパーカッションシンセサイザーとは一線を画する、本物のドラムと同じように使える表現力の高さが売りだった。
それから14年後の2009年、初代の特徴をそっくり受け継ぎつつ、最新の技術で大幅にコストダウンして甦ったのが「WAVEDRUM WD-X」だった。さらに今年初めには、中近東風の音色を内蔵した「WAVEDRUM ORIENTAL」、そして黒い限定バージョン「WAVEDRUM BLACK」も発売され、WAVEDRUMシリーズは急速に充実を果たす。
その技術を受け継ぎ、ダメ押しとも言える形で登場したのがWAVEDRUM Miniだ。その名の通り小型で、電池駆動、かつアンプとスピーカーを内蔵。背面のストラップで足に固定できるので、どこでもすぐ楽しめるという、より幅広いユーザーに向けた製品である。
シンセサイザーの面白さを広く開放したのが同社の「KAOSSILATOR」(関連記事)だったとしたら、WAVEDRUM Miniもまた同じポジションにある製品だ。実際、25秒間のオーバーダビング可能なルーパーで、一人アンサンブルが楽しめるなど、似た部分もある。音色も従来のWAVEDRUMシリーズにはないものが多く、ただ叩くだけで打楽器の楽しさが伝わってくるよう工夫されている。
そして先のクリップ式センサーのように、ただ安いだけではなく、WAVEDRUMシリーズの拡張版としての側面もある。このWAVEDRUM Miniの秘密、目指すところなどをメーカー開発陣に訊いてきた。
WAVEDRUM Mini
サイズ: 幅216×奥行き216×高さ67mm
重量: 約1.0kg(バッテリー含まず)
電源: DC9V 付属ACアダプター
または 単3形ニッケル 水素充電池×6
バッテリー持続時間: 約4時間 ※
スピーカー出力: 1.3W
定価: 2万8350円(Amazon.co.jpで価格を見る)
※ ニッケル水素充電池(1900mAh) 使用時
(次ページに続く)
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