元サイボウズの社長であり、現LUNARR CEOの高須賀 宣さんと、ユビキタスエンターテインメント CEOの清水亮さんが徹底的に語りつくすガチンコ放談もいよいよ最終回。今回は、今後注目されるテクノロジについて語ってもらった。
ケータイがARの入り口になる
清水 技術の話でいうと、僕はいまARとマルチタッチに注目しています。
高須賀 AR?
清水 あまりアメリカでは話題になっていないかもしれませんが、Augmented Reality、拡張現実のことです。ヘッドマウントディスプレイみたいなモノを被って、現実空間に対して付加情報を重ね合わせて提供する技術です。例えばテーブルにあるコップを手にしたとき、そのコップがどのくらいの容量か、ということが瞬時にわかるとか。
高須賀 ああ。ターミネーターの視点みたいなものですね。
清水 そうです。NHKでちょっと前までやってた「電脳コイル」というアニメがそれを扱っていて。「電脳メガネ」を通すと、現実の街の光景に、バーチャルな街が重なって映し出させるわけです。そこで電脳ケンカをしてみたりとか……非常に面白かったですよ。ぜひ見たほうがいいです。DVDも出てますからぜひ。
高須賀 買ってからアメリカに帰ろう(笑い)。
清水 日本でいちばんARに近いのがケータイだと思うんですね。ケータイを使っていると、いま自分が見ている光景とか、いまの状況に依存した情報が出てくることがあるんです。例えば、僕がサンフランシスコに行ったとき、アップル本社にあるインフィニティ・ループ(Infinity Loop)で、ケータイからTwitterに「インフィニティ・ループにいる」みたいなことを書き込んだんですよ。そしたら、たまに僕のブログを読んでくれていたアップル本社にいる人が、それを見つけてすぐに返事をくれて、食事に誘ってくれたんです。知り合いでもなんでもない人だったんですけど。
高須賀 へーすごいね。
清水 つまり、現実がケータイを操作したことによって実際に変わったわけなんですよ。ブログだとなかなかリアルタイムの変化って難しいじゃないですか。でも、ケータイだとそういう変化がすごく早く起こりうるんです。たとえ受け手がPCの前に座っていたとしても。これがARのおもしろいところではないかなあ、と思うんですね。
高須賀 なるほどね。
次ページ「最新ウェアラブル・ディスプレイとマルチタッチが世界を変える?」

この連載の記事
-
第2回
ビジネス
技術者社長が語る「ケータイは第2の脳」 -
第1回
ビジネス
技術者社長が語る「プログラマはキツい?いや、楽しいでしょ!」 -
ビジネス
誰も知らないITの未来 - この連載の一覧へ