(株)電通は20日、国内の広告費をまとめた「2007年 日本の広告費」を発表した。総広告費は7兆191億円で前年比101.1%と4年連続で増加した。
「4マス」と呼ばれる新聞/雑誌/テレビ/ラジオの広告費は、すべて前年を下回った。媒体別に見ると、新聞が前年比94.8%の9462億円と最も落ち込みが大きい。電通は、「前年出稿があったワールドカップやモバイルナンバーポータビリティの反動減や、主力産業である自動車や消費者金融の現象などの影響が大きい」と分析している。テレビは1兆9981億円(同99.1%)、雑誌は4585億円(同96.0%)、ラジオは1671億円(同95.8%)という結果になった。
一方で、インターネット広告費は、6003億円(同124.4%)だ。2006年はネットの広告費がラジオを抜いたことで話題となったが、2007年は雑誌を超えたことが明らかになった。費用の内訳を見ると、媒体費が4591億円(うち、携帯電話向けなどのモバイル広告費が621億円、検索連動広告が1282億円)、制作費は1412億円となっている。
電通は、検索連動広告が前年比137.8%という高い伸びを見せたことに対して、「SEM(サーチエンジンマーケティング)市場は他のネット媒体に比べて拡大の傾向にある。費用対効果を重視する広告主が出稿を増加させていることに加え、テレビCMなどで告知することによって、検索への誘導をうながすクロスメディア手法も定着したことなどが背景にある」と解析している。
なお、2008年の総広告費の見通しについては、「情報・通信」「家電・AV」「交通・レジャー」などの業種における出稿が伸びて、7兆1354億円(2007年比101.7%)に成長すると予想した。