三姉妹母と8頭の子猫達①
少し遡り5月GW中のお話です。
日頃TNRに尽力しているKさんからのSOSで、多頭飼育の高齢の飼い主さんと知り合い、彼女の経済力と機動力では避妊去勢が全然間に合っていない状況で飼い猫が繁殖してしまっていると、おそろしい事態が発覚しました。
Kさんから送られてきたメールには、まだ1ヶ月そこそこの小さな子猫たちの画像が…。
猫達は室内で飼われており、去勢していないオス猫だけは外へも出ているらしく。
飼っていた猫が繁殖をはじめてしまい、それでも少しずつ費用の許す限りで避妊は進めていたそうですが…気づいた時には前シーズンに生まれた3頭のメス猫が姉妹で全員出産してしまい、生まれた子猫が12頭になってしまったとのこと…
もはや飼い主さんの手には追えないところまで来てしまっていました。
そもそも最初に飼い始めた猫を避妊去勢していなかったことが諸悪の根源ですが、今更それを言っても時すでに遅しです。
写真を送ってもらった子猫達はまだ離乳するにもしばらくかかりそうだったので、忙しいGWが明けてから引取りを検討することになりました。
その後、最初は子猫だけ引き取り里親を探す予定でいましたが、
飼い主さんは高齢で体も悪く経済的にも余裕がなく、母猫も一緒に里親を探してもらいたがっているとのこと。
母猫をそのまま残してきて、もたもたしている間にまた次の子が出来てしまうことも心配だったので、
とにかく母子共に全頭引き取りこちらへ連れて来てもらうことになってしまったのでした。
残った未避妊未去勢の猫達は、Kさんが全頭手術に連れて行ってくれました。
1頭高齢のメス猫がおり、もう子猫を生むこともないからそのままにしてくれと飼い主さんに言われたそうですが…
そのメス猫も結局避妊に出したところ、なんと妊娠していたそうです!!!
おそろしい…そうやってあまりに軽率で安易な判断でどんどん繁殖をしてしまったんでしょうね…。
結局、最終的にこちらに引き取るまでに弱い子は淘汰され子猫の数は8頭に減ってしまっていました。
子育て意欲旺盛な淡いグレートラのベルモットは、クローンのようにそっくりな子猫達を4頭抱いていました。
ミントグリーンの瞳が美しいお母さん猫です。
とっても人なつこく可愛らしい性格でした。
ママにそっくりなキルシュ♂とミード♂
そして一瞬目を疑うほどの大きな臍ヘルニアのミント♂
母猫達の代から色んなところに奇形が出ており、閉鎖された空間での繁殖につぐ繁殖で、かなり血が濃いことは明らかでした。
ミントの臍ヘルニアはかなり大きく、腸が腹膜の穴から顔を出してしまっているので、可能な限り早く手術をしないと何かの拍子に腹膜の穴が塞がってしまったら腸が壊死する可能性があるそうで、健診の日にそのまま手術の予約を入れていただきました。
ミントの手術は無事に成功。
しかし、その後数日して体力の低下で風邪の症状が出てしまい、食べ物をまったく受け付けなくなってしまいました。
朝フェロビタ(栄養チューブ)を口に入れても、数時間後の給餌の際に口を開けると、まだ朝のフェロビタが残っているという状況で…頭を抱えました。
しかも無理やりミルクやフェロビタを口に入れようとしても、もの凄い力と叫び声で全身全霊をかけて抵抗し、一回の給餌で私もミントも息切れしてしまう始末…
特に液体は絶対に受け付けず、ミルクをシリンジで口に入れようものなら、そのまま絶対に飲み込まず泣き続けるので、まるでウガイをしているような状態に(つд⊂)
インターフェロンの注射と点滴は続けていましたが、口から栄養を摂ってくれなくては体力は落ちるばかりです。
術後10日目になり、抜糸のため病院へ連れて行きましたが、ミントはすでにやせ細りグッタリとしてしまっていました。
ガリガリのミントはそれでも口を開けられるだけで力の限り暴れ叫びます。
カテーテルでの強制給餌(口から胃まで管を通して直接胃にミルクを入れる方法)はどうだろうかという話になり、病院で先生に試していただきました。
ところが、すでに立派な歯が生えているため、嫌がって顔を横に振っただけで細い管が切れかけてしまいました。
胃の中に管が残ってしまったら大変なので、結局カテーテルも断念…。
もうどうしたらいいかわかりませんでした。
そんな状況を一番わかってくださっている院長先生が、数日後カテーテルカバーを作ってくださって、それを試してみることに。
シリンジの根元を切断したもので、それを口にはめてからカテーテルを通すことで、管を歯で傷つけることなく胃まで通すことができました!!!
今年一番嬉しかった瞬間かもしれません( ̄▽ ̄;)
結構な圧迫感のあるものを口にはめるので毎回かなり抵抗して暴れますが、シリンジで直接口に入れるより、一度カテーテルが胃まで入ってしまえば誤嚥の心配もなく安心して作業を進められました。
ミントのカテーテル給餌がはじまってすぐに、兄弟達がどんどん鼻器官炎を発症。
キジトラのジン♂、ミントの兄弟のピスコ♂とミード♂が揃って食事を受け付けなくなり、連日病院へ通う日々に…。
毎日インターフェロンと抗生剤の注射に通い、自宅では朝晩点滴と数時間おきのカテーテル給餌がはじまりました。
それでも、カテーテルカバーのおかげで気持ち的にはとても負担が軽くなっていたのを覚えています。
本当に院長先生に感謝でした。
ジン、ピスコ、ミードは鼻のつまりがひどく、開口呼吸になってしまうほどだったので酸素室に入れました。
固くかたまってしまう鼻水をゆるませる専用の点鼻薬を使いながら、酸素室の中でネブライザーを使用しました。
ジンくんは素直にネブライザーの蒸気を吸ってくれるので一番先に酸素室を出ることが出来ました。
ピスコとミードも順調に快方に向かっていたその頃…
ミントが急激に衰弱してしまいました。
一日に何度もミルクを入れても、全く消化吸収されていないような下痢を垂れ流すようになってしまい…
ついに体力の限界を迎え、手術から1ヶ月後、ミントの体はその全ての機能を停止しました。
抜糸するのも暴れるだろうからと、元気になってから抜糸しようと言われてそのままにしていた手術を糸を、最期に切ってあげました。
生まれたままの姿に戻ったミントと、永遠のお別れをしました。
たくさん嫌がることを無理やり頑張らせてしまいました。
こんな結果になるなら、何もせずに楽に旅立たせてあげればよかったのではないかと思わずにはいられません。
生後2ヶ月、体重250グラム。
小さな小さなミントは、もう苦しい思いをすることはありません。
ミントが安らかに眠れることを願い、お寺に供養をお願いしました。
時同じくし、こちらはベルモットの姉妹のロゼ母さん。
毛色こそ違いますが、ベルと同じミントグリーンの瞳がとても綺麗な小柄な母猫でした。
前の左足が奇形により肉球も指も変形しており、歩くのに痛がっている日もあると飼い主さんが一番気にかけていた子です。
(それなら尚更出産などさせずに早急に避妊手術をすべきだったと腹が立ちます)
ロゼが生んだのは、ひとり娘のラムちゃん
一番体の小さな紅一点、シャム柄の女の子でした。
この写真はすでに目がかなりキレイになっていますが、うちに来た時は右目が浮腫で眼球があるかどうかもわからないほどひどい状態でした。
生後1ヶ月半、体重200グラム。
ミントと同じく頑固な性格で、口を開ければギェエエエエエと叫んで後ろに転げ回り、誤嚥が心配でろくにミルクも飲ませられず…
しかも下痢が続き、何を口に入れても下からそのまま出て来てしまうような状況でした。
しかーし、ラムちゃんとまったく同じような状態の子をお世話したことがあるじゃないですか。
そう、いとしのサニーです!
いとしのサニー
サニーもメリーもずっと何をしても下痢が治らず、途中兄弟達を失いながらも懸命に成長してくれました。
あの時のレシピを掘り起こし、下痢の子対策流動食を作ってラムちゃんに飲ませました。
朝晩点滴をし、病院に行ける日は毎日インターフェロンを打ってもらいました。
下痢ですがウィルス性のものの場合はインターフェロンで状態が上向くことはサニー達の時に経験済みです。
ラムちゃんも、注射をしてもらうと1~2日はかなり調子が良いのですが、すぐまた不調になってしまうため、また注射を。
それでも少しずつ体重が増えてくれればと願ってお世話してきましたが、毎回体重は200グラムキープのまま…。
減らないだけまし!と病院で元気づけられながら、お世話を続けました。
最初はあんなに苦労した性格も落ち着き、すっかりゴロゴロ喉を鳴らす甘えんぼさんに変わっていました。
i/dで栄養を付けw/dで良いウンチを作るのが特別食の狙いです。
少しずつお腹の調子が良くなっていきましたが、何故か体重は増えないまま…
1ヶ月経っても、ラムちゃんの体重は200グラムのままでした(-_-;)
そして、インターフェロンに通っているにも関わらず、おそろしいことに風邪の症状がぶり返してしまいました。
それと同時に、下痢も再発…。
今度はラムちゃんが酸素室に入る番になってしまいました。
特別食を大分薄めてブドウ糖を足したものを、少しずつ少しずつ口に入れていましたが、ほとんど入っていかないため、ラムちゃんもカテーテル給餌に。
いつもご機嫌なラムちゃんは、カテーテルを入れられても私の手にスリスリと甘えてきます。
こんなに健気で可愛い子にこんな仕打ちをしなければならない…それが本当につらかったです。
でももしやめたら、ラムちゃんの猫生はそれで終わり…そう思うと続けないわけにはいられませんでした。
下痢が垂れ流し状態になってしまってからは、毎日お風呂に入りました。
ラムちゃんはあたたかいお風呂に入るのが大好きです。
いつもお湯にプカプカ浮かんで眠ってしまうほどです。
ご機嫌ラムちゃん♪
点滴のために小さな体に朝晩針を入れなくてはいけません。
お風呂に入れると針跡が鬱血しているのが浮き立ち目立ちます。
その内、ラムちゃんの皮膚は針穴が塞がらなくなり、点滴が出来なくなりました。
ついに体重は150グラムに。
生後2ヶ月の子猫が体重150グラム…あまりに小さなラムちゃん。
すでに看取りの時期に入っていました。
最後の数日はカテーテルでの流動食の給餌をやめ、1滴ずつ、ひと口ずつでも確実にお口に運びました。
サニーがそうであったように、ラムちゃんもやわらかくゆでたシラスやマグロを好んで食べてくれました。
何を食べても下痢をしてしまうなら、せめて美味しいものを食べさせてあげたかったのです。
ある日、大好きなシラスをひと口食べ、ヨーグルトをひとなめし、身繕いをして眠りについたラムちゃんは、そのまま目覚めることはありませんでした。
ラムちゃんの短い猫生に幕が下ろされました。
もう頑張らなくてもいいよ。
ミントもラムちゃんも、今度生まれてくる時は、どうか健康で元気いっぱいの体で生まれて来られますように。
ただただ、そう願ってやみません。
こんなつらい思いをする子猫を生み出したのは飼い主の罪です。
避妊去勢をしましょう!
一般家庭で繁殖をさせる必要なんてあるでしょうか?
どうか、ミントやラムちゃんのような苦しい思いをする子猫を生み出さない努力をしてください。
それが猫を飼うすべての飼い主が負うべき責任であると信じます。
三姉妹母の最後の1頭、シェリーママと子猫達の紹介は②へ続きます。
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日頃TNRに尽力しているKさんからのSOSで、多頭飼育の高齢の飼い主さんと知り合い、彼女の経済力と機動力では避妊去勢が全然間に合っていない状況で飼い猫が繁殖してしまっていると、おそろしい事態が発覚しました。
Kさんから送られてきたメールには、まだ1ヶ月そこそこの小さな子猫たちの画像が…。
猫達は室内で飼われており、去勢していないオス猫だけは外へも出ているらしく。
飼っていた猫が繁殖をはじめてしまい、それでも少しずつ費用の許す限りで避妊は進めていたそうですが…気づいた時には前シーズンに生まれた3頭のメス猫が姉妹で全員出産してしまい、生まれた子猫が12頭になってしまったとのこと…
もはや飼い主さんの手には追えないところまで来てしまっていました。
そもそも最初に飼い始めた猫を避妊去勢していなかったことが諸悪の根源ですが、今更それを言っても時すでに遅しです。
写真を送ってもらった子猫達はまだ離乳するにもしばらくかかりそうだったので、忙しいGWが明けてから引取りを検討することになりました。
その後、最初は子猫だけ引き取り里親を探す予定でいましたが、
飼い主さんは高齢で体も悪く経済的にも余裕がなく、母猫も一緒に里親を探してもらいたがっているとのこと。
母猫をそのまま残してきて、もたもたしている間にまた次の子が出来てしまうことも心配だったので、
とにかく母子共に全頭引き取りこちらへ連れて来てもらうことになってしまったのでした。
残った未避妊未去勢の猫達は、Kさんが全頭手術に連れて行ってくれました。
1頭高齢のメス猫がおり、もう子猫を生むこともないからそのままにしてくれと飼い主さんに言われたそうですが…
そのメス猫も結局避妊に出したところ、なんと妊娠していたそうです!!!
おそろしい…そうやってあまりに軽率で安易な判断でどんどん繁殖をしてしまったんでしょうね…。
結局、最終的にこちらに引き取るまでに弱い子は淘汰され子猫の数は8頭に減ってしまっていました。
子育て意欲旺盛な淡いグレートラのベルモットは、クローンのようにそっくりな子猫達を4頭抱いていました。
ミントグリーンの瞳が美しいお母さん猫です。
とっても人なつこく可愛らしい性格でした。
ママにそっくりなキルシュ♂とミード♂
そして一瞬目を疑うほどの大きな臍ヘルニアのミント♂
母猫達の代から色んなところに奇形が出ており、閉鎖された空間での繁殖につぐ繁殖で、かなり血が濃いことは明らかでした。
ミントの臍ヘルニアはかなり大きく、腸が腹膜の穴から顔を出してしまっているので、可能な限り早く手術をしないと何かの拍子に腹膜の穴が塞がってしまったら腸が壊死する可能性があるそうで、健診の日にそのまま手術の予約を入れていただきました。
ミントの手術は無事に成功。
しかし、その後数日して体力の低下で風邪の症状が出てしまい、食べ物をまったく受け付けなくなってしまいました。
朝フェロビタ(栄養チューブ)を口に入れても、数時間後の給餌の際に口を開けると、まだ朝のフェロビタが残っているという状況で…頭を抱えました。
しかも無理やりミルクやフェロビタを口に入れようとしても、もの凄い力と叫び声で全身全霊をかけて抵抗し、一回の給餌で私もミントも息切れしてしまう始末…
特に液体は絶対に受け付けず、ミルクをシリンジで口に入れようものなら、そのまま絶対に飲み込まず泣き続けるので、まるでウガイをしているような状態に(つд⊂)
インターフェロンの注射と点滴は続けていましたが、口から栄養を摂ってくれなくては体力は落ちるばかりです。
術後10日目になり、抜糸のため病院へ連れて行きましたが、ミントはすでにやせ細りグッタリとしてしまっていました。
ガリガリのミントはそれでも口を開けられるだけで力の限り暴れ叫びます。
カテーテルでの強制給餌(口から胃まで管を通して直接胃にミルクを入れる方法)はどうだろうかという話になり、病院で先生に試していただきました。
ところが、すでに立派な歯が生えているため、嫌がって顔を横に振っただけで細い管が切れかけてしまいました。
胃の中に管が残ってしまったら大変なので、結局カテーテルも断念…。
もうどうしたらいいかわかりませんでした。
そんな状況を一番わかってくださっている院長先生が、数日後カテーテルカバーを作ってくださって、それを試してみることに。
シリンジの根元を切断したもので、それを口にはめてからカテーテルを通すことで、管を歯で傷つけることなく胃まで通すことができました!!!
今年一番嬉しかった瞬間かもしれません( ̄▽ ̄;)
結構な圧迫感のあるものを口にはめるので毎回かなり抵抗して暴れますが、シリンジで直接口に入れるより、一度カテーテルが胃まで入ってしまえば誤嚥の心配もなく安心して作業を進められました。
ミントのカテーテル給餌がはじまってすぐに、兄弟達がどんどん鼻器官炎を発症。
キジトラのジン♂、ミントの兄弟のピスコ♂とミード♂が揃って食事を受け付けなくなり、連日病院へ通う日々に…。
毎日インターフェロンと抗生剤の注射に通い、自宅では朝晩点滴と数時間おきのカテーテル給餌がはじまりました。
それでも、カテーテルカバーのおかげで気持ち的にはとても負担が軽くなっていたのを覚えています。
本当に院長先生に感謝でした。
ジン、ピスコ、ミードは鼻のつまりがひどく、開口呼吸になってしまうほどだったので酸素室に入れました。
固くかたまってしまう鼻水をゆるませる専用の点鼻薬を使いながら、酸素室の中でネブライザーを使用しました。
ジンくんは素直にネブライザーの蒸気を吸ってくれるので一番先に酸素室を出ることが出来ました。
ピスコとミードも順調に快方に向かっていたその頃…
ミントが急激に衰弱してしまいました。
一日に何度もミルクを入れても、全く消化吸収されていないような下痢を垂れ流すようになってしまい…
ついに体力の限界を迎え、手術から1ヶ月後、ミントの体はその全ての機能を停止しました。
抜糸するのも暴れるだろうからと、元気になってから抜糸しようと言われてそのままにしていた手術を糸を、最期に切ってあげました。
生まれたままの姿に戻ったミントと、永遠のお別れをしました。
たくさん嫌がることを無理やり頑張らせてしまいました。
こんな結果になるなら、何もせずに楽に旅立たせてあげればよかったのではないかと思わずにはいられません。
生後2ヶ月、体重250グラム。
小さな小さなミントは、もう苦しい思いをすることはありません。
ミントが安らかに眠れることを願い、お寺に供養をお願いしました。
時同じくし、こちらはベルモットの姉妹のロゼ母さん。
毛色こそ違いますが、ベルと同じミントグリーンの瞳がとても綺麗な小柄な母猫でした。
前の左足が奇形により肉球も指も変形しており、歩くのに痛がっている日もあると飼い主さんが一番気にかけていた子です。
(それなら尚更出産などさせずに早急に避妊手術をすべきだったと腹が立ちます)
ロゼが生んだのは、ひとり娘のラムちゃん
一番体の小さな紅一点、シャム柄の女の子でした。
この写真はすでに目がかなりキレイになっていますが、うちに来た時は右目が浮腫で眼球があるかどうかもわからないほどひどい状態でした。
生後1ヶ月半、体重200グラム。
ミントと同じく頑固な性格で、口を開ければギェエエエエエと叫んで後ろに転げ回り、誤嚥が心配でろくにミルクも飲ませられず…
しかも下痢が続き、何を口に入れても下からそのまま出て来てしまうような状況でした。
しかーし、ラムちゃんとまったく同じような状態の子をお世話したことがあるじゃないですか。
そう、いとしのサニーです!
いとしのサニー
サニーもメリーもずっと何をしても下痢が治らず、途中兄弟達を失いながらも懸命に成長してくれました。
あの時のレシピを掘り起こし、下痢の子対策流動食を作ってラムちゃんに飲ませました。
朝晩点滴をし、病院に行ける日は毎日インターフェロンを打ってもらいました。
下痢ですがウィルス性のものの場合はインターフェロンで状態が上向くことはサニー達の時に経験済みです。
ラムちゃんも、注射をしてもらうと1~2日はかなり調子が良いのですが、すぐまた不調になってしまうため、また注射を。
それでも少しずつ体重が増えてくれればと願ってお世話してきましたが、毎回体重は200グラムキープのまま…。
減らないだけまし!と病院で元気づけられながら、お世話を続けました。
最初はあんなに苦労した性格も落ち着き、すっかりゴロゴロ喉を鳴らす甘えんぼさんに変わっていました。
i/dで栄養を付けw/dで良いウンチを作るのが特別食の狙いです。
少しずつお腹の調子が良くなっていきましたが、何故か体重は増えないまま…
1ヶ月経っても、ラムちゃんの体重は200グラムのままでした(-_-;)
そして、インターフェロンに通っているにも関わらず、おそろしいことに風邪の症状がぶり返してしまいました。
それと同時に、下痢も再発…。
今度はラムちゃんが酸素室に入る番になってしまいました。
特別食を大分薄めてブドウ糖を足したものを、少しずつ少しずつ口に入れていましたが、ほとんど入っていかないため、ラムちゃんもカテーテル給餌に。
いつもご機嫌なラムちゃんは、カテーテルを入れられても私の手にスリスリと甘えてきます。
こんなに健気で可愛い子にこんな仕打ちをしなければならない…それが本当につらかったです。
でももしやめたら、ラムちゃんの猫生はそれで終わり…そう思うと続けないわけにはいられませんでした。
下痢が垂れ流し状態になってしまってからは、毎日お風呂に入りました。
ラムちゃんはあたたかいお風呂に入るのが大好きです。
いつもお湯にプカプカ浮かんで眠ってしまうほどです。
ご機嫌ラムちゃん♪
点滴のために小さな体に朝晩針を入れなくてはいけません。
お風呂に入れると針跡が鬱血しているのが浮き立ち目立ちます。
その内、ラムちゃんの皮膚は針穴が塞がらなくなり、点滴が出来なくなりました。
ついに体重は150グラムに。
生後2ヶ月の子猫が体重150グラム…あまりに小さなラムちゃん。
すでに看取りの時期に入っていました。
最後の数日はカテーテルでの流動食の給餌をやめ、1滴ずつ、ひと口ずつでも確実にお口に運びました。
サニーがそうであったように、ラムちゃんもやわらかくゆでたシラスやマグロを好んで食べてくれました。
何を食べても下痢をしてしまうなら、せめて美味しいものを食べさせてあげたかったのです。
ある日、大好きなシラスをひと口食べ、ヨーグルトをひとなめし、身繕いをして眠りについたラムちゃんは、そのまま目覚めることはありませんでした。
ラムちゃんの短い猫生に幕が下ろされました。
もう頑張らなくてもいいよ。
ミントもラムちゃんも、今度生まれてくる時は、どうか健康で元気いっぱいの体で生まれて来られますように。
ただただ、そう願ってやみません。
こんなつらい思いをする子猫を生み出したのは飼い主の罪です。
避妊去勢をしましょう!
一般家庭で繁殖をさせる必要なんてあるでしょうか?
どうか、ミントやラムちゃんのような苦しい思いをする子猫を生み出さない努力をしてください。
それが猫を飼うすべての飼い主が負うべき責任であると信じます。
三姉妹母の最後の1頭、シェリーママと子猫達の紹介は②へ続きます。
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