蒼い髪の乙女
主に「マリア様がみてる」と「リリカルなのは」の二次創作を書いています。「マリア様がみてる」はオリキャラが出たり、マイナーカプだったりします。「リリカルなのは」はなのは×はやてで書いています。なのはさんがはやてちゃんLOVEです!
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隠してるつもりなんだけど
蓉子×祐巳です。
イチャイチャって難しいね。
全然浮かびませんでした。
今回は蓉子さまの片思いみたいになっています。
でももう両思いでもいいかな。祐巳ちゃんもきっと蓉子さまが好きなんだ。
うん、そうだ。(自己完結
そういうわけで、続きからどうぞ
突然で悪いが、私水野蓉子は祐巳ちゃんが好きだ。超好きだ。
どのくらい好きかというと、恋人なった祐巳ちゃんにあんなことやこんなことを朝晩続けてしたいくらい好きだ。
あんなことやこんなことがどんなことなのかは各々勝手に想像してもらっても構わない。
ごめんなさい、話がずれたわね。
話を戻すと、私はもう自分一人でここまで大きく膨れ上がった祐巳ちゃんへの想いをどうすることもできなくなったの。
そして考えに考えぬいた末に、親友であり久保栞という女性を好きになった聖に相談することを決意したわ。
「聖、実は相談があるの」
「えっ、蓉子が相談? 珍しいこともあるもんだね。どうしたの?」
普段はちゃらんぽらんな行動しかしない聖も、こういう時は親身になって話を聞いてくれるから不思議だ。
「驚くかもしれないけれど実は私、祐巳ちゃんのことが好きなの」
「今更? 知ってるよそのくらい」
「は?」
覚悟を決めて伝えたのに、聖の反応は余りにもあっさりしたものだった。
というか何で知ってるのよ。まだ、誰にも言ったことないのに。
何? もしかして聖ってエスパーなの。怖いわね。
「エスパーって…ただ祐巳ちゃんと接するときの蓉子が余りにもあれすぎるからだよ」
「あれって何よ。私ってそんなにわかりやすかった?」
「普段の蓉子を見てれば誰だって分かるよ。ていうか無自覚だったんだ」
呆れ顔の聖の視線に哀れみが混じっているように感じたのは私の気のせいにしておこう。
それはともかく普段の行動か。
一応この気持ちが誰にもばれないように細心の注意を払っていたつもりだったんだけど、どこかに穴があったみたいだ。
「どこが悪かったのかしら」
全部だよと言う聖の言葉を無視して、いつもの私の行動を振り返ってみた。
朝
「もうそろそろね…」
ポケットに隠した腕時計で時間を確認しながら、木の陰で校門の前を見張る。
はたから見たら怪しさ100%だろうが、私にはどうしてもやらなければいけない日課がある。
それは……来た!
誰にも気付かれないようにスッと木の影から出て、校門から歩いてくるあの子に近寄る。
「ごきげんよう、祐巳ちゃん」
「あ、ごきげんよう、蓉子さま」
まるで偶然会ったかのような場面を装い、ひょこひょことツインテールを揺らしながら歩く祐巳ちゃんにごきげんようと朝の挨拶。完璧だ。
たとえそれが一ヶ月間連続で続いてもそれは偶然であり、不自然さのカケラもない。
「今日も一段と可愛いはね」
「そ、そんな、私なんて可愛くなんかないです。 蓉子さまの方が何倍も綺麗です!」
「あら、ありがとう。嬉しいわ。でも祐巳ちゃんが可愛いというのは本当よ」
「あうー」
可愛いと言うだけで顔を真っ赤にして照れる祐巳ちゃん。本当にこの子は純粋だ。守ってあげたくなる。
もし祐巳ちゃんの純粋無垢な心を穢すような輩が現れたら、生まれてきたことを後悔させるくらいの絶望という名の生き地獄をみせてやろう……一応言っとくけど冗談よ?
まあ、今はそんな冗談は置いといて、私は祐巳ちゃんに手をそっと手の平が上になる形で差し出した。
もちろん二人で手を繋ぐためだ。
「ねえ、祐巳ちゃん。良かったら手を繋いで歩かない?」
「えっ! で、でも…」
「私とじゃ嫌かしら?」
「いいえ、そんなことないです! とっても嬉しいです!」
手を繋いでようやく味わうことのできるこの子の体温。そしてお日様のように私を照らしてくれるこの子の笑顔。
この二つが重なり合ってようやく私の朝は始まりを告げる。
二人で一緒にマリア様に祈った後、少しずれたタイを優しく直してあげるのも今となっては日課の一つだ。前までは他の人の日課だった気がするけど気にしない。
後ろでハンカチが破れる音がするけど、これもまた気にしない。
だって私と祐巳ちゃんの短い貴重な朝の時間なんだもの。
誰にも邪魔はさせないわ。
お昼
「福沢祐巳さんはいらっしゃるかしら?」
祐巳ちゃんのいるクラスまで来て、もう顔馴染みの域にまで達した扉の近くに座っている生徒に尋ねた。
「はい、今呼びますね。おーい、祐巳さん。紅薔薇様がいらっしゃったわよー」
初めの頃は声をかけるだけで慌てふためいてたのに、今ではもう慣れたものだ。
「え? あ、すみません! すぐ準備します!」
片手にお弁当を持った祐巳ちゃんがトテトテと早歩きでやってくる。
小動物みたいで本当に可愛い。目の保養になる。
「すみません、本当は私が行かないといけないのに」
「いいのよ。私が好きでやっているんだから。さあ、行きましょう」
「はい!」
朝と同様に手を繋いで私と祐巳ちゃんはいつもの場所へお昼を食べに行った。
ちなみにいつもの場所とは講堂の裏のことだ。
前まで志摩子という先客がいたけれど、そこは紅薔薇様の権限で立ち退いてもらった。
本人は納得がいかなそうな顔をしていたけれど、今では聖と一緒にお昼を食べる機会が増えたと喜んでいる。
結果オーライだ。
「あ、蓉子さまのそのオカズおいしそうですね」
「そう? じゃあ祐巳ちゃんにあげるわ。はい、あーん」
「あーん」
嬉しそうに、あーんと口を開ける仕草は餌を親鳥からもらうひな鳥みたいで凄く可愛い。
最初の頃は恥ずかしがってなかなか食べてくれなかったけど、今では自然とできるようになった。
もちろん逆もしかり。私も祐巳ちゃんに食べさせてもらう。
「おいしです! やっぱり蓉子さまはお料理が上手です」
「そう? お口にあってなによりだわ。祐巳ちゃんでも簡単に作れるわよ」
「無理ですよー。私はいつもお母さんに作ってもらっているから料理なんて全然」
「練習すれば誰だってできるわよ」
「本当ですか? それじゃあ今度、私がお弁当を作ってきたら食べてもらえますか?」
「もちろんよ。楽しみにしてるわ」
よっしゃあーーー! 祐巳ちゃんのお弁当ゲットーーー!!!
表には出さないが、心の中では改心のガッツポーズ!
「蓉子さまに褒めてもらえるように頑張って作りますね!」
子供のようにガッツポーズをとる祐巳ちゃんを見て、お弁当より祐巳ちゃんを食べたいなーなんて不謹慎なことを思ったのは誰にも内緒だ。
放課後・薔薇の館
「う~~ん……」
山百合会の仕事のさなか、部屋の中に祐巳ちゃんのうめき声が響いた。チラッと祐巳ちゃんの方に目をやると、書類を見ながら頭を抱えている姿が目に入った。
きっとやり方がわからないのね。
そう確信した私は先輩として祐巳ちゃんにやり方を教えてあげることにした。
「祐「祐巳ちゃん、わからないなら私が教えてあげるわ」…」
今、誰かと声が被った気がしたけどきっと気のせいだと思う。
「えっ! いいんですか?」
「もちろんよ。どこがわからないの? 持ってきて」
祐巳ちゃんから書類を貰う。なるほどこれは少し難しいかもしれない。
とりあえず言葉だけでやり方を説明してあげた。
「……ということなんだけど、わかったかしら?」
「すみません、まだちょっと…」
やっぱり口で言っただけじゃ、わかり難いのかもしれない。
しゅんと泣きそうな表情の祐巳ちゃんを見てズキンと胸が痛む。
そんな顔しないで。祐巳ちゃんにはずっと笑っていてほしいのに。
こうなったら私が手取り足取り教えてあげるしかないわ!
「祐巳ちゃん、ここに座りなさい」
熱い使命感に燃えた私は自分の膝を指して言った。すると祐巳ちゃんは
「そんなことできません! 蓉子さまのお膝の上に座るなんて!」
手を振りながら恥ずかしそうに拒否した。
もちろんそれで諦める私ではない。
「ダメよ。これは紅薔薇様の命令よ。それとも私の言うことが聞けないのかしら?」
こういうとき、本当に紅薔薇様になって良かったと思う。
私がこう言うと、大抵祐巳ちゃんは私の言うことを聞いてくれるからだ。
「で、でも恥ずかしいです。 皆さん見てますし」
「見せ付けてやりましょう」
「でも」
「ほらいいから、早く」
「キャ!」
祐巳ちゃんの腕をとって無理やり膝の上に座らせた。
「ほら、どこがわからないの?」
フッと祐巳ちゃんの耳に息をかける。
「ひゃっ!」
びくんと震える祐巳ちゃんはとても無防備で大変可愛らしい。ああ、首筋に顔を埋めたいわ。
もちろん思うだけでそんなことはしないけど。
「え…と、こ、ここがわかりません」
わからないと言ったところは、片手で祐巳ちゃんを抱きしめるようにして、空いたもう一つので書類を進めながら教えてあげる。
その間、祐巳ちゃんの温かい柔らかな体と赤ちゃんのような甘い匂いを堪能したのは言うまでもない。
現在
うーん。
色々思い返したみたけど、どこからどうみても仲の良い後輩と先輩の間柄よね。
今の回想シーンにおかしなところなんてあったかしら?。
聖に聞いてみると、蓉子は意外と馬鹿だよねと酷い言葉が返ってきた。
「どういう意味よ」
「そのまんまの意味だよ」
呆れたように首を振る聖に多少ムッとなる。でもその後すぐに耳に届いた聞きなれたあの子の足音で聖に言われたことなんてさっと忘れてしまった。
「聖、この話はおしまいよ。祐巳ちゃんが来たわ」
「足音だけでわかるなんて重症だね」
「言ってなさい」
祐巳ちゃんが部屋に入ってくる前に椅子に座りなおしていつもの紅薔薇様を演じる。
今日はどうやって祐巳ちゃんを愛でようかしら。もちろん誰にもこの気持ちがばれないことが前提だけど。
少しずつ近づいてくる聞きなれた足音。
椅子に座りながら、扉が開くのを今か今かと心待ちにしている。
イチャイチャって難しいね。
全然浮かびませんでした。
今回は蓉子さまの片思いみたいになっています。
でももう両思いでもいいかな。祐巳ちゃんもきっと蓉子さまが好きなんだ。
うん、そうだ。(自己完結
そういうわけで、続きからどうぞ
突然で悪いが、私水野蓉子は祐巳ちゃんが好きだ。超好きだ。
どのくらい好きかというと、恋人なった祐巳ちゃんにあんなことやこんなことを朝晩続けてしたいくらい好きだ。
あんなことやこんなことがどんなことなのかは各々勝手に想像してもらっても構わない。
ごめんなさい、話がずれたわね。
話を戻すと、私はもう自分一人でここまで大きく膨れ上がった祐巳ちゃんへの想いをどうすることもできなくなったの。
そして考えに考えぬいた末に、親友であり久保栞という女性を好きになった聖に相談することを決意したわ。
「聖、実は相談があるの」
「えっ、蓉子が相談? 珍しいこともあるもんだね。どうしたの?」
普段はちゃらんぽらんな行動しかしない聖も、こういう時は親身になって話を聞いてくれるから不思議だ。
「驚くかもしれないけれど実は私、祐巳ちゃんのことが好きなの」
「今更? 知ってるよそのくらい」
「は?」
覚悟を決めて伝えたのに、聖の反応は余りにもあっさりしたものだった。
というか何で知ってるのよ。まだ、誰にも言ったことないのに。
何? もしかして聖ってエスパーなの。怖いわね。
「エスパーって…ただ祐巳ちゃんと接するときの蓉子が余りにもあれすぎるからだよ」
「あれって何よ。私ってそんなにわかりやすかった?」
「普段の蓉子を見てれば誰だって分かるよ。ていうか無自覚だったんだ」
呆れ顔の聖の視線に哀れみが混じっているように感じたのは私の気のせいにしておこう。
それはともかく普段の行動か。
一応この気持ちが誰にもばれないように細心の注意を払っていたつもりだったんだけど、どこかに穴があったみたいだ。
「どこが悪かったのかしら」
全部だよと言う聖の言葉を無視して、いつもの私の行動を振り返ってみた。
朝
「もうそろそろね…」
ポケットに隠した腕時計で時間を確認しながら、木の陰で校門の前を見張る。
はたから見たら怪しさ100%だろうが、私にはどうしてもやらなければいけない日課がある。
それは……来た!
誰にも気付かれないようにスッと木の影から出て、校門から歩いてくるあの子に近寄る。
「ごきげんよう、祐巳ちゃん」
「あ、ごきげんよう、蓉子さま」
まるで偶然会ったかのような場面を装い、ひょこひょことツインテールを揺らしながら歩く祐巳ちゃんにごきげんようと朝の挨拶。完璧だ。
たとえそれが一ヶ月間連続で続いてもそれは偶然であり、不自然さのカケラもない。
「今日も一段と可愛いはね」
「そ、そんな、私なんて可愛くなんかないです。 蓉子さまの方が何倍も綺麗です!」
「あら、ありがとう。嬉しいわ。でも祐巳ちゃんが可愛いというのは本当よ」
「あうー」
可愛いと言うだけで顔を真っ赤にして照れる祐巳ちゃん。本当にこの子は純粋だ。守ってあげたくなる。
もし祐巳ちゃんの純粋無垢な心を穢すような輩が現れたら、生まれてきたことを後悔させるくらいの絶望という名の生き地獄をみせてやろう……一応言っとくけど冗談よ?
まあ、今はそんな冗談は置いといて、私は祐巳ちゃんに手をそっと手の平が上になる形で差し出した。
もちろん二人で手を繋ぐためだ。
「ねえ、祐巳ちゃん。良かったら手を繋いで歩かない?」
「えっ! で、でも…」
「私とじゃ嫌かしら?」
「いいえ、そんなことないです! とっても嬉しいです!」
手を繋いでようやく味わうことのできるこの子の体温。そしてお日様のように私を照らしてくれるこの子の笑顔。
この二つが重なり合ってようやく私の朝は始まりを告げる。
二人で一緒にマリア様に祈った後、少しずれたタイを優しく直してあげるのも今となっては日課の一つだ。前までは他の人の日課だった気がするけど気にしない。
後ろでハンカチが破れる音がするけど、これもまた気にしない。
だって私と祐巳ちゃんの短い貴重な朝の時間なんだもの。
誰にも邪魔はさせないわ。
お昼
「福沢祐巳さんはいらっしゃるかしら?」
祐巳ちゃんのいるクラスまで来て、もう顔馴染みの域にまで達した扉の近くに座っている生徒に尋ねた。
「はい、今呼びますね。おーい、祐巳さん。紅薔薇様がいらっしゃったわよー」
初めの頃は声をかけるだけで慌てふためいてたのに、今ではもう慣れたものだ。
「え? あ、すみません! すぐ準備します!」
片手にお弁当を持った祐巳ちゃんがトテトテと早歩きでやってくる。
小動物みたいで本当に可愛い。目の保養になる。
「すみません、本当は私が行かないといけないのに」
「いいのよ。私が好きでやっているんだから。さあ、行きましょう」
「はい!」
朝と同様に手を繋いで私と祐巳ちゃんはいつもの場所へお昼を食べに行った。
ちなみにいつもの場所とは講堂の裏のことだ。
前まで志摩子という先客がいたけれど、そこは紅薔薇様の権限で立ち退いてもらった。
本人は納得がいかなそうな顔をしていたけれど、今では聖と一緒にお昼を食べる機会が増えたと喜んでいる。
結果オーライだ。
「あ、蓉子さまのそのオカズおいしそうですね」
「そう? じゃあ祐巳ちゃんにあげるわ。はい、あーん」
「あーん」
嬉しそうに、あーんと口を開ける仕草は餌を親鳥からもらうひな鳥みたいで凄く可愛い。
最初の頃は恥ずかしがってなかなか食べてくれなかったけど、今では自然とできるようになった。
もちろん逆もしかり。私も祐巳ちゃんに食べさせてもらう。
「おいしです! やっぱり蓉子さまはお料理が上手です」
「そう? お口にあってなによりだわ。祐巳ちゃんでも簡単に作れるわよ」
「無理ですよー。私はいつもお母さんに作ってもらっているから料理なんて全然」
「練習すれば誰だってできるわよ」
「本当ですか? それじゃあ今度、私がお弁当を作ってきたら食べてもらえますか?」
「もちろんよ。楽しみにしてるわ」
よっしゃあーーー! 祐巳ちゃんのお弁当ゲットーーー!!!
表には出さないが、心の中では改心のガッツポーズ!
「蓉子さまに褒めてもらえるように頑張って作りますね!」
子供のようにガッツポーズをとる祐巳ちゃんを見て、お弁当より祐巳ちゃんを食べたいなーなんて不謹慎なことを思ったのは誰にも内緒だ。
放課後・薔薇の館
「う~~ん……」
山百合会の仕事のさなか、部屋の中に祐巳ちゃんのうめき声が響いた。チラッと祐巳ちゃんの方に目をやると、書類を見ながら頭を抱えている姿が目に入った。
きっとやり方がわからないのね。
そう確信した私は先輩として祐巳ちゃんにやり方を教えてあげることにした。
「祐「祐巳ちゃん、わからないなら私が教えてあげるわ」…」
今、誰かと声が被った気がしたけどきっと気のせいだと思う。
「えっ! いいんですか?」
「もちろんよ。どこがわからないの? 持ってきて」
祐巳ちゃんから書類を貰う。なるほどこれは少し難しいかもしれない。
とりあえず言葉だけでやり方を説明してあげた。
「……ということなんだけど、わかったかしら?」
「すみません、まだちょっと…」
やっぱり口で言っただけじゃ、わかり難いのかもしれない。
しゅんと泣きそうな表情の祐巳ちゃんを見てズキンと胸が痛む。
そんな顔しないで。祐巳ちゃんにはずっと笑っていてほしいのに。
こうなったら私が手取り足取り教えてあげるしかないわ!
「祐巳ちゃん、ここに座りなさい」
熱い使命感に燃えた私は自分の膝を指して言った。すると祐巳ちゃんは
「そんなことできません! 蓉子さまのお膝の上に座るなんて!」
手を振りながら恥ずかしそうに拒否した。
もちろんそれで諦める私ではない。
「ダメよ。これは紅薔薇様の命令よ。それとも私の言うことが聞けないのかしら?」
こういうとき、本当に紅薔薇様になって良かったと思う。
私がこう言うと、大抵祐巳ちゃんは私の言うことを聞いてくれるからだ。
「で、でも恥ずかしいです。 皆さん見てますし」
「見せ付けてやりましょう」
「でも」
「ほらいいから、早く」
「キャ!」
祐巳ちゃんの腕をとって無理やり膝の上に座らせた。
「ほら、どこがわからないの?」
フッと祐巳ちゃんの耳に息をかける。
「ひゃっ!」
びくんと震える祐巳ちゃんはとても無防備で大変可愛らしい。ああ、首筋に顔を埋めたいわ。
もちろん思うだけでそんなことはしないけど。
「え…と、こ、ここがわかりません」
わからないと言ったところは、片手で祐巳ちゃんを抱きしめるようにして、空いたもう一つので書類を進めながら教えてあげる。
その間、祐巳ちゃんの温かい柔らかな体と赤ちゃんのような甘い匂いを堪能したのは言うまでもない。
現在
うーん。
色々思い返したみたけど、どこからどうみても仲の良い後輩と先輩の間柄よね。
今の回想シーンにおかしなところなんてあったかしら?。
聖に聞いてみると、蓉子は意外と馬鹿だよねと酷い言葉が返ってきた。
「どういう意味よ」
「そのまんまの意味だよ」
呆れたように首を振る聖に多少ムッとなる。でもその後すぐに耳に届いた聞きなれたあの子の足音で聖に言われたことなんてさっと忘れてしまった。
「聖、この話はおしまいよ。祐巳ちゃんが来たわ」
「足音だけでわかるなんて重症だね」
「言ってなさい」
祐巳ちゃんが部屋に入ってくる前に椅子に座りなおしていつもの紅薔薇様を演じる。
今日はどうやって祐巳ちゃんを愛でようかしら。もちろん誰にもこの気持ちがばれないことが前提だけど。
少しずつ近づいてくる聞きなれた足音。
椅子に座りながら、扉が開くのを今か今かと心待ちにしている。
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わー、とっても嬉しいです!
これからも頑張りますのでよろしくお願いします!
私も蓉子さまみたいなお姉さまが欲しいです。
休日とか一緒に遊んで過ごしたい♪
これからも頑張りますのでよろしくお願いします!
私も蓉子さまみたいなお姉さまが欲しいです。
休日とか一緒に遊んで過ごしたい♪
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