魔者
小林由香 幻冬舎 2024年8月
誰も知らないあなたの過去が、もし、小説で暴かれていたらーー。
言葉で私たちを攻撃する魔者は誰だ?
SNSの炎上、加熱する週刊誌報道……人の不幸を喜ぶ人間がいる。
──お前たちを守るため、人間を喰おう。そうしよう。
プロローグから、 不穏な空気が漂っていた。
誰も知らないはずの自分の過去が小説となって いたとしたら、おそろしい。
週刊誌記者の柊志は、自分は秘密を暴く側の人間だと安心していたが、暴かれる側にもなりうると、不安になる。
柊志は、過去を封印してきたが、小説のことが気になり、過去について調べ始める。
加害者家族と被害者家族の苦悩は計り知れない。
自分が罪を犯したわけではないのに、いじめがおこったり、不可解な出来事が続く。
重い内容の話だった。
週刊誌は事実を報道。
小説は事実でなく創作でよい。
どこまでが事実なのだろう。
プロローグとエピローグ、全く同じ話だが、違う物語に思えてきた。
ズドンと重い内容だが、上司に救われた。
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