Q41)2009年神戸大学後期の長文問題の1です。
The situation promised to become far more precarious, since the 3.2 billion people being added to world population by 2050 will be born in countries already facing water scarcity.
「状況ははるかに不安定になることが見込まれている。というのは、2050年までに世界人口に加えられていく32億人は、もうすでに水不足に直面している国に生まれていることになるからだ」
問題はthe 3.2 billion people being added to world population by 2050 の部分です。このbeingがある理由は何でしょうか。added to...だけで過去分詞が導く形容詞句で文が成立すると思うのですが。
A) 過去分詞の形容詞句とbeing+過去分詞の形容詞句の違いという問題ですね。
これについては、「英語語法大辞典第4集」(大修館)の729ページに載っています。
72. there is a pot of tea being brewed.の文における、tea being brewedとtea brewedの相違。
(1) tea being brewed(すぐにでも熱湯を注いで入れられる紅茶)
(2) tea brewed (熱湯を注いで入れた紅茶)
(3) tea to be brewed(熱湯を注いで入れるてはず[予定]になっている紅茶)
つまり、tea being brewedはtea in the process of being brewedの意であり、tea brewed のように過去分詞だけですとfinishedとかdoneの含意があります。
さて、整理しましょう。
(1) tea being brewedとは、tea which is being brewedの意味ですが、「今熱湯がそそがれている最中の紅茶」というのはありえないことはないですが、不自然です。そうするとこの進行形は、近接未来を表すと解釈するのが自然です。それゆえ「すぐにでも熱湯を注いで入れられる紅茶」になります。
(2) tea brewedとは、tea which is brewedの意味、すなわち、熱湯を注ぐという行為が完了している場合の意味になりますので、「熱湯を注いで入れた紅茶」となります。
そこで、問題に戻りましょう。
① the 3.2 billion people being added to world population by 2050とは、the 3.2 billion people who are being added to world population by 2050の意味です。つまり、この進行形は近接未来で、「2050年までに」という未来の副詞句とも合致します。
②the 3.2 billion people being added to world population by 2050とは、the 3.2 billion people who are added to world population by 2050となり、すでに加えられることが完了していることになるので、「2050年までに」という未来の副詞句と合致しないので不可となります。よって問題文ではbeingがいることになります。
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