たまゆら ~hitotose~ 第8話「かわらない人かわりゆく時、なので」 | 無限回廊幻想記譚 旧館 -アニメ・映画感想-

たまゆら ~hitotose~ 第8話「かわらない人かわりゆく時、なので」

憧れの写真家・志保美りほなら自分たちが気づかない色々な空の写真を撮るに違いない。
「志保美さんの撮る竹原の空、見てみたいので」
なんてことを沢渡楓が考えていたら、りほがお好み焼き屋『ほぼろ』の店先に座ってご近所さんとお話してました。
そんなりほにほぼろの店主は散歩から帰っていたのかと話しかけ、りほは「ただいま」と笑う。
りほとほぼろ店主の以外な関係が明らかに。

憧憬の路で告白すら出来なかった堂郷和太郎は、でもまったくめげてなくて、何故かぽってたちのやってきたタイミングが悪いという事になっているらしい。
どれだけポジティブシンキングなんだ。
りほとほぼろの店主は仲良しで、一緒に住むようになったということ。
その話を聞いた桜田麻音は二人で同じ男を取り合った仲ではと妄想し、岡崎のりえはお好み焼き食べ放題だからと妄想し、塙かおるに否定されてます。
とにかく、これでいつでもりほと会える。
でもこんなところに引っ越してきて仕事には影響がないんだろうか。このほぼろに住むのは一時的な滞在なのか、半永久的なものなのか。
憧憬の路の翌日からいきなりだという事を考えると、荷物の引っ越しとかはできてないだろうから一時的なものという気もするけど。
なんにせよ、ほぼろに住み込むことになったことを考えると、堂郷の告白はさらに遠のいたな。

中学の時に始めて見た空の写真。
その写真を好きになった。それがぽってとりほの出会い。

ぽってたちがマエストロの写真館に行くと、そこには篠田こまちがやってきていました。
最近になっておじいちゃんから古いカメラをもらい常連客になっているというこまち。もちろん古いカメラなので今時デジタルカメラではなくフィルムカメラです。
しかしフィルムカメラなんて使っていたら、小学生のお小遣いなんてあっという間にとんでいきそうな気がする。
なかなか良い感じで撮れていて、才能を感じさせる。
最初はおそらくぽってに対抗して、始めた写真で、沢渡香ばかり撮っていたけど、最近は風景写真にも目覚めていました。きっかけはどうやら喫茶店「cafeたまゆら」に飾ってあるぽっての写真に憧れたということ。
りほの写真に憧れたぽって、ぽっての写真に憧れたこまち、そうして人と人とが繋がっていく。
しかしまさか本気でカメラ勝負をしようとしていたとは……小学生の行動力すげぇな。

かおるはぽっての撮った写真をりほに見てもらいに行こうと提案し、みんなでほぼろにいくことになりました。かおるもほぼろ店主とりほの関係も気になるご様子。
りほが写真を撮っているから、なんかほぼろ店主は変なポーズを決めながらお好み焼きを作ってますが……中の人が乗り移ったんじゃないのか。
ほぼろさんトリビアクイズ
Q1.ほぼろさんの本名は?
A1.ちもちゃん、と前にほぼろ店主の先輩が呼んでいたのを麻音が聞いた事がありました。
Q2.苗字は?
A2.八色(やくさ)
Q3.なぜ店の名前は「ほぼろ」なのか
A3.広島の言葉で「ほぼろを売る」はお嫁さんが実家に帰ること=離婚……でも名前の由来は近くにある無人島のホボロ島から。
ホボロ島についてはリンク先を参照。
http://www.geosociety.jp/faq/content0012.html
前回ほぼろにやってきた時、「ちもさん」って呼んでいたんだな。

ほぼろにやってきたお客の写真を撮っているりほに、ぽってはちょっと驚いた様子。
でも憧憬の路の写真も撮りに来ていたんだし、何も空しか撮らないというわけではないだろう。

みんなはお好み焼きを食べ終えて帰り、ぽってだけが残って写真をりほに見てもらうことになりました。
ホントに他の3人はりほとほぼろさんの関係が気になってただけなのか……
ぽっての写真をどれも良いと評価したりほは、ぽってがこの町の住人になってきているのだと感じる。この町に暮らして好きになって、どれだけ写真を撮ってもどんどん好きになっている、のだと。
りほが空の写真以外にも撮っているのだと知ったぽっては、自分がりほのように自分の撮りたいものを決めなければならないと思っていたことを告げると、りほは今は空の写真を撮っていないことを告白する。
「今は行き先のない写真なんだよね」
ぽっては三次ちひろが作ってくれたカメラケースについている切符入れに入った『行き先のない切符』を見せる。
行き先のない水色の切符は、夢がふわふわして定まらないぽってたちを表している。
「今はそれで良いって志保美さんは言ってくれた。
 もしかして、志保美さんも迷ったり、立ち止まったりするのかな」

そんなことを感じていたぽってに、りほはちもの先輩・藤井みそのの店である呉にある『カサブランカ』に一緒に行かないかと誘う。
りほも色々と迷いが生じている。それはスランプなのか、もしくは空の写真だけで良いのかという迷いが生まれているのか、それとも他の何かに興味を持ちだしているのか。

以前はイラストをやっていたけど今はカフェをしているなど、色々なことにチャンレンジしているという『カサブランカ』の先輩。
ぽってはりほが写真を止めようとしているのでは、と不安を覚えるも、そんなことないと否定する。
途中でポプラによってみそのに頼まれた冷麺用の材料である生クリームを買ってます。
ポプラなのはタイアップしているからです、もちろん。
何故生クリームなのか、は後ほど。

店中に飾ってあるみそのの絵に目を輝かせるぽってたち。中には同じ場所の風景を描いた絵もあった。
そこにやってきた男性客二人。
「さあ、来い!
 どぉんと受けて立つけぇ!」

「カサブランカ定番メニュー候補。
 ゴーヤクリーム抹茶冷麺」

怯えた表情で食べた二人は、食べるたびに顔色が悪くなってます。
頑張って完食した時には白く燃え尽きてる。
いつも新メニューを考えては、この二人に試食して貰っているとの事。
ゴーヤと生クリームと抹茶はチャレンジ過ぎるだろう……

花屋の白井げんさん。
同じ場所から何年も撮り続けていました。写真には変わりゆく風景だけではなく、移りゆく時間も写っていた。その写真を見た時に、自分もここにいなければ描けない絵を描きたくなって帰ってきた。
先ほどぽってが見たみそのの風景画も彼の写真に影響されて描いたもの、という事です。
みそのはちものイラスト学校の先輩で、京都でイラストを描いて雑誌にも載っていた。
ちももみそのも、お互いがずっとイラストの仕事を続けていくと思っていた。しかしちもはお好み焼き屋を始め、みそのもカフェを始めた。

夢が代わったのではなく、欲張りなのだというちもとみその。
この町をずっと見ていきたい。
「変わっていく事も、変わらんことも……
 ここにいて、ずっーと見ていたんよ。
 けど、欲張りじゃけん。
 また別の事、やりとぉなるかも。
 それもまた、楽しみじゃけん」

そう言って笑うみそのの話に耳を傾けるりほ。
それはきっと今のりほにとって一番知りたい思いだったかもしれない。
欲張りだから色々やりたくなる。でも彼女たちの凄いのは両方をやる上での選択をしているという事。あれもこれもと中途半端にするのではなく、しっかり一本の柱を作った上で行っている。

帰り際、ぽってとりほはみそのとちものツーショット写真を撮る。
「お好み焼~き~!」は最早定番なのか。

竹原に帰り、ちもは知り合いに声を掛けられたので別行動。
色々な写真を撮りたいと思う自分も欲張りなのか、そう感じるぽって。
りほが空の写真を撮っていないと言った時にぽってが寂しそうにしていた事に気付いていたりほは、写真を辞めるのではないかと不安を抱いていた事もお見通しでした。
でもりほの夢はりほのものだから、と自分を納得させようとしていたぽって。
そんなぽってに、りほはぽってが写真を止めたら寂しい。ぽってなことを好きなりほの気持ちはりほの物で誰にも止めることは出来ず、でもぽっての夢を決めるのはぽってであり誰にも止める事は出来ない。
「好きだから期待して、寂しい思いをして。
 でも、みそのさんとちもさんは、今では素敵な先輩と後輩で……
 変わらない物がちゃんとある。
 だから、大丈夫。
 きっと、そういうものなのよ……
 だって、私たち欲張りだから」

「はい!」
でも、もちろんりほはまだ写真を止めるつもりはありませんでした。

――志保美さんがこれからどんな写真を撮るのか、それを決めるのは志保美さんだ。
――そして私も……
――行き先の書いてない水色の切符、何時だって、行き先は自由。
――そして、その行き先を決めるのは、いつも……自分なんだ!


色々な思いを抱きながらも、相手の事も尊重していく。
でも自分で進む道は誰かが決めるのではなく、自分で選んで決めていく。
そうして人と人は繋がりながら生きていくという事。
誰だって新しい物と出逢い、壁にぶつかり、迷い、選択を迫られる。この先、ぽってたちもそういう事があるかもしれない。そんな時に今回の事を思い出して先へ進む事が出来るかもしれない。
人生という名の冒険は続く……

Cパートは『ほぼろ』にて
新作スイーツ『たけのこマフィン』
見た目は地味だけど、味はきゅんラブラブ

次回 第9話「ももねこさまの憂鬱、なので」「失恋カメラ、なので」


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