マクロスF(フロンティア) #16「ランカ・アタック」 | 無限回廊幻想記譚 旧館 -アニメ・映画感想-

マクロスF(フロンティア) #16「ランカ・アタック」

「アルトくん……
 お兄ちゃん……
 これで、これで、いいんだよね」


バジェラとの戦闘に異常なほど気合いの入る早乙女アルト。
S.M.Sのオーナー、リチャード・ビルラーに呼び出されたアルトは夢があるかと問いかける。
マクロスF#16-01
「僕はね、断層で隔てられた銀河を一つにしたいんだよ。
 10万光年の星々を結び、より早く、より近く。
 あまねく銀河を、我らの世界に。
 それが僕の夢さ。
 ビックリした? びっくりしてるね。デカルチャーって顔してるよ。
 でもね、可能なんだよ。
 僕ら、プロトカルチャーの子供達にもたらされた福音、バジェラのおかげでね」

バジェラは断層を飛び越える力を持つ、その力を研究して手に入れれば障害のない宇宙空間を手に入れる事が出来る、という事なのだろうか。
ただ、フォールド断層を越えるだけなら、既にグレイスたちの開発した新型フォールド機関で対応可能だし、それだけではないのかな。

バジェラの死骸を回収するように指示されたS.M.S。その真意は明らかにされて
いなかった。
疑問を抱くモニカ・ラングにラム・ホアは「食用にするとか」と冗談を口にし、それを想像でもしたのか、ミーナ・ローシャンは気分が悪くなる。
そんな冗談を交わす彼女らとは対照的に、キャサリン・グラスの表情は厳しいものだった。
回収指示をしているのはビルラーなのか、それとも政府なのか……
バジェラ肉、食べたら意外に美味しかった、とかいうネタはありかもしれない。
何事もチャレンジ精神が必要なのですよ。


アルトが妙に気合いが入っている様子を疑問に思うミハエル・ブランだが、アルトはやらねばならない事をやっているだけだと答える。
マクロスF#16-02
ランカ・リーが久しぶりに美星学園高校に登校してくるが、ボディーガードのブレラ・スターンも共に登校。外にいるようにというランカの頼みも断り授業中の教室にまで付きっきりであり、教室の空気も悪いものとなっていた。
苛立ちを抑えられないアルトは、ブレラに聞きたい事が山程あると突っかかるのだが、サイボーグの彼には敵わず逆に押さえ込まれてしまう。
アルトファンの多かった筈のクラスの女の子達が、抑えられたアルト姫の心配よりもブレラの方に声を上げてますね。
普通に女の子たちがブレラの事を知っていたようだし、ギャラクシーの生存者として大々的に取り上げられたのだろうか。

そんなアルトの様子に「ここんとこずっとピリピリしている」というミシェル。それはビルラーの所へと行ってからであり、何かあったのではないかと問いかけるが、「何でもない」と突っぱねる。
「どうしたんでしょうね、早乙女君」
マクロスF#16-03
「ブルーデーじゃないですか?」
そんなアルトの様子を案ずる松浦ナナセに、ルカ・アンジェローニはさらりと返す。
ちょっと、あんた! 真面目な顔して何言ってるんだよ。いや、幾ら姫でもそれは無いから。ナナセも真顔でそんなネタ返されるとは思ってなかったから、かなりびっくりのようです。
ルカの様子が変なのは、何か事情を知っているからなのか。それとも単にナナセがアルトの心配しているのが気に入らないのか。それとも告白出来なかったからなのか。
そういや、ミシェルはブレラがサイボーグだと知っていましたね。この辺りも公式に発表されているという事なのか。

マクロスF#16-04
グレイス・オコナーの運転する車に乗るランカは、彼女にボディーガートは不要だと訴えるが、クライアントから「ランカ・リーを人々の希望に」という要望があるから、と退ける。
エルモとの仕事を希望するランカだが、政府の力で書類上グレイスが引き継ぐ事が決定してしまっていた。
シェリルとの兼任になるという言葉も、シェリルが入院中だという事や、戻ってきても2人とも面倒を見るとはね除けてしまう。
ま、シェリルが退院出来るなんてまったく思っていないのでしょうね、この人は。エルモも強引に圧力掛けられたんだろうなぁ。折角の人材を苦労して売り出したのに。

グレイスから2ndシングルとして渡されたのは、アイモをアレンジした曲だった。
CDを飲み込むけーたいくんが怖いよ! ランカのけーたいくんは見た目はともかく、結構万能ツールのようだ。オズマやアルトの携帯電話はCDを読み込む機能とかはなさそうだし。
てか、この時代でまだ8cmCD?

幼い頃の記憶が無い中で、唯一覚えている思い出の曲だからこそ映画の挿入歌でありながらシングルカットして売り出さなかったという。だがグレイスは逆にそれだからこそ曲として売り出すべきだと勧める。

マクロスF#16-08 マクロスF#16-09
被災者の見舞いをするランカ。
ランカの報道で持ちきりのマスコミ。
マクロスF#16-10
シェリル・ノームの下にグレイスはただ花などを送りつけるだけだったが、彼女はテレビでグレイスがランカのマネージャーをしているのを知る事になる。
普通、あまりマネージャーがテレビに映らないとは思うのだけど、偶然なのか? しかしシェリルほどなら、もっとファンからのお見舞いの品が事務所経由とかで送られて来ていそうなんだけど。この辺もランカに食われていっているのかな。

マクロスF#16-11
ランカを奪われたエルモ・クリダニクは徳川喜一郎に慰められながら、やけ酒に興じていた。
憐れすぎる……散々邪魔された挙げ句、ようやくデビューして売れてきたかと思いきや。
終盤にはグレイスたちが敵に回ったら、『ベクタープロモーション』に戻るのだろうか。
EDテロップで今回「徳川喜一郎」となっていたのだけど、今までは「徳川一郎」じゃなかったっけ? 改名? それともキャラクター名は喜一郎だったのかな。

不安の残るランカに、グレイスは彼女の歌で試してみようと告げる。
マクロスF#16-12
「あなたが本当の人々の希望になれるかどうか」
「え!?」
「その歌を使ってね」

とどつまりは、本来の目的であるバジェラに利用するという事なのでしょう。
ま、これはあくまでもキッカケに過ぎず、そろそろ

だが、ランカはその心境を現すように、レコーディングの歌はまるで駄目なものだった。
マクロスF#16-13 マクロスF#16-14
そんなランカにブレラはいつものランカの歌はこんな感じではないという。いつもブレラが歌を聴いてくれていたという事に驚くランカ。
「お前の歌は宇宙を感じさせる。
 それも突き放す宇宙じゃない。
 包むような……銀河の渦がそのまま形になった、そんな」

うまい例えが見つからないというブレラだが、ランカは素直に彼の言葉を嬉しいと告げる。
ブレラが何故アイモを知っているのかと疑問を思うが、「極秘事項だ」と答えてはくれない。
あい君と名付けた謎の生物に、自分の歌が本当にグレイスたちの言うような力があるのかと問いかける。
あんな鞄に入れて連れ歩いていたのか、この娘。
グレイスはこの生物の存在に気付いているのだろうか? それとも特に気にも止めていないのかな。シェリルの下着騒動でも確認している筈だし。
ま、グババに比べれば謎の生物というほどでもないしな。


夜の街を歩いていたアルトはミシェルの勘の良さに苦笑する。
「フォールド・クウォーツか……」
ビルラーを思い出しながら呟くアルト。
彼の付けている指輪がソレ、なんでしょうね。
名称からするとフォールド波を放つなど、フォールド断層などで遥か離れた空間とも通信できる水晶というところか。

マクロスF#16-15 マクロスF#16-16
だが、アルトは広場でシェリルの姿を見つける。
「自惚れないでよ……
 別に、あんたに会いに来たわけじゃ」

いや、誰も言っていませんからね、そんな事。
てか、わざわざ会えるかと期待して出てきたという事ですか。こんな状態でもツンデレ全快です。

明らかに体調の悪いシェリルを病院に連れて行こうとするが、シェリルはそれを拒絶する。
「病院はイヤ」
「じゃ」
「ホテルもイヤ。
 閉じ込められるのは、イヤなの……」

すがるように訴えてくるシェリルの様子に、どうする事も出来ずアルトは悩む。
無理にでも病院に連れて行くのが正解なのでしょうが、この流れだと当然連れて行くのは自室。


マクロスF#16-17
S.M.S.のアルトの部屋で目を覚ましたシェリルは、誤解してアルトを殴りつける。
しかもビンタから始まって、グーパンチって……酷すぎる。

パンチからキックまでお見舞いしてくるシェリルを何とか落ち着かせるアルト。
意識を失ってなんとかS.M.Sに運び込んだらしい。
こんな場所に連れ込むという事は、アルト、S.M.Sに入る前は一人暮らしとかしていたと思うんだが、その時に使っていた部屋などは引き払ってしまっているのでしょうか。
心配したというアルトに、「心配してくれたんだ」と嬉しそうに笑うシェリル。
「当然だろう」
マクロスF#16-18
「当然なんだ……どうして?」
「どうしてって……」


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シェリルの問いかけに言いよどむアルトだが、不意にシェリルのイヤリングを目にして態度が豹変する。そのイヤリングに使用されていたのはビルラーの指輪と同じ石。
つまり、あの時歌が届いたのは通信機能とかがあるからではなく、この石の持つ力だったのですね。
デレ全快のシェリル。自分からはキスとかしているけど、迫ってくるアルトには目一杯照れています。

マクロスF#16-22 マクロスF#16-23
イヤリングをよく見る為に顔を近づけていたアルトとシェリルは、見詰め合う形となってしまい言葉に詰まる。
「はっは~ん。女を連れ込む時はドアにハンカチ挟んでおく約束だろう」
「違う! 誰がこんな女」
「はあ? こんな女って何よ」
「お前だ、お前」
「アルトの分際でよく言うわね」
「ごゆっくり~」

せっかくのムードも部屋に戻った同室のミシェルによってご破算。
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痴話喧嘩が始まってしまう。しかしそんな時に突然緊急通信がキャシーから入り、極秘任務としてS.M.Sのスカル小隊にランカの歌を使った実験の護衛の任が下される。
いくら隠す為とは言え、シェリルの扱い悪……

マクロスF#16-26
ランカの歌がバジェラに対して効果を発揮する。その為の実験を行うと聞かされたオズマは、発案者であるレオン・三島に食って掛かる。
ランカの許可を得た上での政府の決定であるが故、揺るぐ事はなく、戦闘空域へと向かうランカとS.M.S。

歌の効果に懐疑的なミシェルやクラン・クランだが、ルカは生物ならば効果も考えられると前向きな姿勢を示す。
ランカの乗る小型艇の操縦をカナリア・ベルンシュタインに託すオズマは、ランカに触れて問いかける。
マクロスF#16-27
「これがお前の望みなのか……」
「……うん」
「……判った」

直接メットを接触させているのは、通信機ではなく、直接会話のためなのかな。
ランカの意志を確認したかったのでしょうね。ここでもしもやりたくない、と言ったら命令に逆らってでも彼女を連れて離脱していたのではないでしょうか。

アルトに部屋から絶対に出るなと釘を刺されたシェリルだが、じっとしていられずに部屋を飛び出してしまうと、マクロス25のブリッジに現れる。
基地の一室にいるのかと思いきや、あの部屋ってマクロス25内だったんだ……

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極秘任務について詳細を知ったというシェリルは、ジェフリー・ワイルダーに頼む。
「お願いです、Mr.ワイルダー。私に全てをこの目で見届けさせて下さい」
「興味かね」
「意地です」

きっぱりと答えるシェリルの言葉に、ジェフリーは彼女の同席を許可する。
銀河の歌姫として、自分を越えようと言うランカに対してのライバル心でしょうか。

今回の作戦に不安を覚える新統合政府大統領ハワード・グラス。
微弱なフォールド波が発生しているので、スピーカーすら必要ないというレオン。
本当にハワードは完全に河童の傀儡人形になっていますね。


いよいよ『ランカ・アタック』と名付けられた作戦が開始される。
マクロスF#16-30 マクロスF#16-31
バジェラの巣を襲撃してあぶり出したバジェラとS.M.Sとの戦いが始まる中、グレイスの指示でランカは2ndシングルにもなる『アイモ O.C.』を歌う。
「この歌……ランカ、お前!」
ランカの歌を聞いたアルトは驚く。
思い出の曲をこんな形で使ったという事実に驚いた、という事なのだろうか。
それにしてもこれでランカ・リー=中島 愛のアイモは3曲目です。
『アイモ』→『アイモ~鳥のひと歌』→『アイモ O.C.』

マクロスF#16-32 マクロスF#16-33
確かにバジェラの動きがランカの歌で不規則なものへと変化する。
ミシェルやクラン、オズマは現実となった効果に驚きが隠せず、グレイスは満足げに笑う。効果を確認したブレラはVF-27での攻撃に転じる。
マクロスF#16-34
「生き残るのがお前達か、俺達かなら、俺は!」
アルトを初めとして他の者たちも動きが鈍くなったバジェラに対して次々と攻撃を仕掛けていく。
いずれか一方のみが生き残るしかない、という道を進むアルト。最終的には共存の道を歩む事になるんでしょうね。ランカはバジェラの女王なわけですし。

バジェラの流した血を見たランカに動揺が走る。
マクロスF#16-35
「感情指数が……やはりまだまだ調教が必要ね」
バジェラが殺されて行く様子に動揺しているのでしょうね。グレイスが薬とか、マインドコントロールのようなもので、バジェラの死に気を止めないにしていくという事か。
ただ、彼女の最終的な目的はおそらくバジェラの殲滅ではなく、ランカをうまく使ってバジェラを自分たちの支配下に置く事ではないかな。

ランカの乗る小型艇に襲いかかるバジェラ。アルトが助けに向かうが、ブレラがそんなアルトの機体に当たるのも構わず射撃してバジェラを倒すと、機体の前に張り付いて守りにつく。
マクロスF#16-36
「前にも言ったはずだ、お前にあの娘に相応しくない。
 ランカは俺が守る!」

アルト屈辱。機体性能の差もあるので今のところは仕方ないのでしょうが。
お兄ちゃんの許可はなかなか得られないようです。どっちの兄ちゃんも過保護すぎ。
そういや、オズマはブレラを見てもランカの兄だとは判らないみたいですが、外見が変化しているのだろうか。直接顔を見たことが無いって事はないだろうし。死んだ時のままで、驚くでしょうしね。

マクロスF#16-37
ランカの歌の成果に満足し、これで勝てると喜ぶハワード・グラス。そんな様子にレオンはほくそ笑む。
ダメだこの人、完全にダメ男だ。こんな発言まで飛び出してしまいましたよ。完全に噛ませ犬。

ランカの事をリン・ミンメイにたとえるオペレーターたち。
ミンメイが古すぎるというボビー・マルゴは「それを言うならバサラ様でしょ」と訂正するも、ラム・ホアからは「それにしたって古い」と呟かれる。
バサラももう古い人、になっているのですね。でも、歌で影響を与えたのは、この2人ぐらいしかいないので、他に喩えようもない。
マクロス(ミンメイ)は2009年、マクロス7(バサラ)は2045年、マクロスF(シェリル&ランカ)は2059年。
ミンメイはそろそろ引退していても良い頃ですが、バサラはトップスターではなくても現役だと思います。バンドなら15年ぐらいは続けるでしょう(B'zで20年)。それにバサラは死ぬまで歌は止めないと思う。

マクロスF#16-38 マクロスF#16-39
「ランカちゃん、胸を張って。今やあなたは私たちの『希望の歌姫』」
ボビー・マルゴの言葉に照れるランカだが、カナリアも賛同を示す。
「“超時空シンデレラ”“魅惑のディーヴァ”ランカちゃんなのよ」
なんか、また新しい通り名が増えてますよ。
ボビーの言葉に照れながらも、未だ心の晴れないランカ。

マクロスF#16-40
照れるランカの様子に悔しさを募らせるシェリル。
ブレラにやられた機体を見つめるアルト。
そしてランカが戦いに巻き込まれた事に複雑な思いを馳せるオズマ。
周りは成功に喜んでいるのと対照的に、主要関係者全員が色々な感情を秘めて素直に喜ぶ事が出来ないという情況。当面は悩みながらも解決策も見つからず、問題の打破が出来ずに進んでいくという感じでしょうか。
シェリルはキャシーと同じく暫くS.M.Sに滞在する事になりそうな予感。

次回「グッバイ・シスター」
いよいよオズマが妹離れするようです。まさか、お兄ちゃん、死亡って事はないよね。
まだキャシーを奪い取っていないし。

更にEDが新しくなりました。
『ノーザンクロス』シェリル・ノームstarring May'n
なんだか、まるでシェリルのプロモビデオのような映像です。
そろそろOPも変わるかな。でも、OPは2人のユニットなので、シェリルが復活しないと作中で歌われる事は無さそうだ。


どうやらあいくんは「愛君」のようだね、次回予告のあい君小屋を見る限り。名前の由来は中島愛?

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アニメ 感想 レビュー 第16話