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2008年8月

2008年8月11日 (月)

ニューヨークの差押率

Realty Trac.comからニューヨーク州の差押率についてレポートが出ていました。住宅価格下落の影響自体は全米で軽い方だが、日本の投資家の注目も高いと思いちょこっと触れたいと思います。

全米州別、都市圏別の差押率の詳細説明についてはアメリカ・メキシコ不動産投資で有名なGenさんのブログに譲ります。やはり現地の人、タイムリーに良い記事が出てきます。

参考Website: 
http://www.realtytrac.com/ContentManagement/pressrelease.aspx?ChannelID=9&ItemID=5031&accnt=64847

記事のポイント:
- 2008年第2四半期、全米州別で差押率を見るとニューヨーク州は全体で30番目。
- また同期間で全米平均を見ると、171件に1件が差押となっているが、ニューヨーク州は493件に1件の割合となっている。
- ニューヨーク州では2008年第2四半期に16,025件の差押申請があった。
- これは2008年第1四半期と比較して11%増加しており、また前年同期比で見ると62%増加している。
- 全米平均では、2008年第1四半期と比較して第2四半期は14%増加、前年同期比では121%の増加となっている。
- ニューヨーク州は8四半期連続で差押率が上昇している。
- 差押率の高い地域はニューヨーク市とロングアイランド地区で、10つの郡のうちこの2つで約77%を占めている。
- クイーンズ地区とブルックリン地区で約29%、ロングアイランド地区で21%を占めている。
- 約70%の差押申請が現在係争中(差押のファーストステップ)である。
- 係争申請が多いのは、クイーンズ地区、ブロンクス地区、ブルックリン地区、差フォー地区、ナッソー地区、ウェストチェスター地区、スタテンアイランド地区となっている。

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2008年8月 3日 (日)

米国不動産市況

本当に久しぶりの更新です。書けることが少なくてすみません。

Httplareosolutionscomblogwpconten_2729日に5月のS&P・ケース・シラー住宅価格指数が発表された。予想通り、主要10都市圏、及び20都市圏の住宅価格動向を表す指数は大幅に下落し、前年比でそれぞれ、16.9%15.8%のマイナスとなった。S&Pのレポートを見ると、特徴は主に3つあるようだ。

(写真出所:httplareosolutions.comblogwp-contentuploads200805foreclosure.jpg)

1.    マイアミ、タンパ、フェニックス、ラスベガス、サンディエゴ、ロサンゼルスといったサンベルト地帯の下落が大きい。

2.    ボストン、ニューヨークといった北東部の下落が比較的小さい。

3.    デトロイト、クリーブランドが地域経済が足かせとなり大きく下落している。

一方、NCREIF不動産指数を見ると2008年第2四半期(4月~6月)は+0.56%となっている。なんでこんなに違うの?ということになろうが、やはりNCREIFには遅行性がある。物件評価がついてきていないのだ。どういうことかというと、ファンドで運用されているコア型不動産もNCREIFの中には含まれているが、現在ビッドとオファーは離れているが、あまり売買がないので、評価値の中値はあまり下がっていないのだ。もし投売りが頻繁に出れば、ビッドをたたきにいくことになるので、指数全体も下がるであろう。

NAREITの方は既に大幅に下がっており、PBR1倍を割る水準まで来たものもある。流動性があるために投売りにあったのだが、あまりに加速がつきすぎているため、年後半~093月にかけてはもしかして大幅に戻してくるかもしれない。一方、私募不動産は評価が遅れているために、今後も下落するであろう。一部の投資家は上場REITから私募不動産投資に変更しているようだが、今後、上場REITが戻したときに、私募REITが戻らないという可能性も否めない。暫くはリサーチ重視でよいのではないかと思う。

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