カルト集団のマインドコントロールテクニックについて書かれたスティーヴン・ハッサン氏の書「マインドコントロールの恐怖」を以前ご紹介したことがありましたが、今日はそこからデジャヴを感じた一節を。(文中の強調は私による)
そのほか、「二重の呪縛double binds」のような催眠技術もまた、現実感覚を解凍する助けに使われる。二重の呪縛とは、一方で本人自らが選んでいるのだという錯覚を与えながら、実はコントロールする側が臨んでいることを強制的に行わせてしまうものである。(中略)
「あなたの人生で何かうまくいってないことがあると認めますか。認めるのなら言いますが、この講習を受けないと、そのうまくいかないことがあなたの人生を支配してしまいますよ。」(p.130~131)
なんか似たようなこと最近よく見るような・・・
「消費税を10%に上げなくてはならないことを認めますか?そうでなければ、社会保障費は大幅に削減せざるをえませんよ。」byミンシュトー
きゃーー!!そっくり!!(爆)いくらでも応用はできますね。
例えばアメリカでは911のとき、このフレーズでアメリカ国民はまるでファシズム国家のように戦争へなだれ込んでいきました。
「アメリカ合衆国とともにテロと戦わないものはテロリストの味方である」
テロと戦うかさもなくばテロの味方か、の二者択一。
9条の議論でもよくあります。
「外国から攻め込まれたら、武器をもって戦うのか、それとも抵抗しないでみすみす殺されるのを待つのか」
これも二者択一
そういえばついこないだも二者択一の罠はさんざん使われてましたね。
「日米同盟を維持するのか、中国の脅威に丸腰になるのか。」
「同盟を維持するなら、普天間基地は県外に移設するか、それとも県内か。」
などなど・・・
いや、だから他にいくらでも選択肢のたてかたはあるでしょうに!と言いたくなります(^^;
人は選択肢を呈示されたときに、無意識のうちにその選択肢しか存在しない、その中から選ばねばならない、という心理が働きます。それを利用して、都合の良い選択肢のみ呈示し、そこからしか選ばせないことによって自分の思う方へ誘導することができます。
これは、
相手に選択を任せることから、相手には「強制されたのではなく、自分の自由意思で決めた」という錯覚を持たせることができるのがミソです。ホントは誘導に過ぎないのですけど、政府は「消費税増税を選んだのは国民」という言い逃れができるわけです。
このように、間違った前提で話を進めることを心理学で
誤前提暗示と言うそうです。誘導尋問のテクニックのうちの一つです。(刑事事件での参考人聴取や、世論調査の設問設定なども誘導尋問にならないよう細心の注意を払わなくてはなりません)
で、これを上手に使われると、最終的には「この壺を買いますか、それともこのまま不幸になりますか」といわれて壺を買っちゃうわけですねorz
さて、消費税増税について政府のこのような誤前提暗示にかからにようにするためには、他の選択肢があることに広く国民が気づいていなくてはいけません。税についての色んな情報を広く共有していないと、他の選択肢があることに気づきにくいものです。
本来ならそういう情報を示すのがマスコミの役割なのですが、いかんせんこの国のマスコミは政府と一緒になって、誤った方向に誘導しようとするような報道ばかりが目立ちます。
まず、累進税率が緩和され、所得税の最高税率の引き下げられて高額所得者は減税されてることをどれだけの国民が認識しているか疑問です。
次に、法人税を減税しないと国際競争で負けてしまうと言われれば、そうかもしれない、と思ってしまいます。
(日本の法人税はそんなに高くないし、社会保険料負担は少ないくらい、という情報が広く共有されていない。第一本当に法人税の存在が競争力とやらを削いでいるのかどうかの検証がない。)
そして消費税増税と法人税減税は必ずセットで行われてるという事実を見落とさせるために「消費税は社会保障費に充てる」などというありえない事を言うのです。そうすれば国民は「福祉のためなら仕方ないかな・・」となってしまいがちですから。
(特別会計じゃないんだから「消費税は社会保障費に充てる」なんてことはありえないという情報が共有されていない)
そんなごまかしをシャワーのように浴びせられているうちに国民は、消費税は絶対3%から上げないという竹下内閣の約束とか、そもそも消費税を上げても上げても社会保障費が足りないなんておかしいではないか、どこかに穴があいてて漏れて言ってるとしか思えない、という根本的な疑問も忘れてしまいます。
この国では、
このような「騙しのテクニック」を磨くことが時の政権の仕事であるかのように思えてしまいます。(
こちらもどうぞ)
政治に限らず、様々な情報を知っておくことは詐欺に遭わないための有効な手段です。私達は騙されないように常に色んな情報を広く学んでいくことが必要です。たとえばこういう情報はとても有益ですね
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赤旗消費税増税 仕方ないと思っているあなたへ消費税10% 福祉のためというが 民主 社会保障拡充策なし 後期医療は「存続」 老齢加算を拒否
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