ソマリアに海上自衛隊派遣することは、ソマリアの海賊問題の解決にならないし、重大な憲法違反である。もしどうしても行くというなら海上保安庁が行くべき、と言う意見を過去に記事にしました。
http://akiharahaduki.blog31.fc2.com/blog-entry-206.htmlhttp://akiharahaduki.blog31.fc2.com/blog-entry-249.htmlhttp://akiharahaduki.blog31.fc2.com/blog-entry-252.htmlhttp://akiharahaduki.blog31.fc2.com/blog-entry-253.htmlその後、海賊はどうなったでしょうか。
二つブログをお持ち帰りします。
写真や図もありますので、リンク先もご覧下さい。
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おこじょの日記[よのなか]かえって増えてしまったソマリアの海賊
(引用開始)
米第5艦隊の統計によると、今年の4月までの襲撃は47件と昨年の同時期の37件に比べ増加していた。すべての襲撃が成功しているわけではないが、この増加は海賊の戦術の変化を反映している。国際的な兵力の存在が、海賊たちの活動範囲をかえって広げた。「彼らは遠くまで行くようになっている」と第5艦隊広報官のバーカー氏はいう。米国の高官らは、海賊問題は無法地帯ソマリアの秩序を確立しなければ解決できないと語る。
軍隊出しても数は減らず、とな。実害を被る割合は減ってるらしいが、それが軍隊のおかげかというと、どうもそれだけでもなさげ。高額な軍艦を派遣して、安っぽい海賊船を追い回してどーすんの?結局、軍艦がいないところに出没してるだけだそうだ。
(略)
政府高官らは、襲撃減少の裏には海軍の存在と商船による予防作戦が影響しているという。商船は海賊が乗船できないように有刺鉄線や通電柵を利用している。ガードマンをのせているものもある。こうした作戦はハイジャックに対する有効な対処法だとマット・アルデン中尉は語る。海賊は船を襲って何百万ドルもの身代金を要求する。公海上での海賊の検挙は難しい。「彼らはやめる気なんかさらさらない。捕まる可能性は低いし、検挙される可能性はさらに低い」
それでも海賊対策のために基地作るのは、なんのため?2010-04-28 - おこじょの日記
軍隊出すより、商船全部にガードマンつけるとか電気ビリビリ柵をとりつけるほうが、よほど安上がりだったんではないですかね。
近頃、軍隊ってやつはお守りと一緒でなんかもってれば安心、もって出かければ何か安心みたいな代物じゃないかと思い始めてる。お守りと違って、とても高価なのと、勝手に暴れだす危険性があるけどね!なんかもう、韓国の軍艦が沈められた一件ですっかり沖縄に海兵隊が必要、って流れが見えるけどさ。みんな韓国にも米軍基地があるけども軍艦沈んじゃいました、ってこと忘れてない?
それにしても、戦争だけは何としても避けたいね。アメリカも3つ戦争抱えるほど余裕ないと思いたい。(引用ここまで)
[よのなか]ソマリアの海賊、つづき
(引用開始)
5年前まで、襲撃範囲は287kmまでだった。最近起きたハイジャック事件は、ソマリア沖2037kmで、インド沿岸からわずか926kmの地点だった。他国の海軍の主な活動拠点は、年間3万隻が往来するアデン湾である。
前々から書いてるけど、国が混乱状態で食べていくのがやっとでは、いつまでたっても海賊が減るわけない。捕まる危険を冒したって、餓死するよりましだってわけよ。貧困が犯罪の原因だとして、貧しい人を根絶やしにできますかい?そんなことしたら、それこそテロリストの思うつぼジャン。「あなたの大切な家族を殺した外国の軍隊に復讐したくないですか?」ってささやかれたら、ころっとそっちへいってしまう。海賊しない方が得だ、と思えるようにしないときりがないと思うんですわ。(引用ここまで)
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虹の日記(byどろ)ソマリアの海賊問題 いまからでも海上保安庁と交代するのが良策(引用開始)
ソマリア問題は、弱い暫定政府と強いイスラム・ゲリラの内戦問題であり、隣国エチオピアとの微妙な国際問題でもあり、プントランド自治政府の承認問題でもあり、崩壊した経済問題でもあり、先進諸国との漁業権問題でもあり、そしてそこから派生しているのが海賊問題です。
それらすべてが絡み合っているので、海賊問題は一朝一夕に片付くものではありません。
まして武力で海賊をやっつければどうにかなるという単純な問題では、絶対にない。
自衛隊でなければならないという理由が崩れつつある
日本で報道されていないソマリア海賊関連のニュースがあります。
まず取り締まりの写真があるので見てください。
http://fredfryinternational.blogspot.com/2010/03/french-navy-catches-22-pirates.html
(写真)
海軍艦艇は小型艦です
(写真)
海賊逮捕はゴムボートで
海賊のボートと較べればわかりますが、フランス海軍の派遣している艦艇は小型の船で、海上保安庁の巡視艇みたいなものです。
そして取り締まり部隊はゴムボートで乗り込んでいます。
海賊取り締まりは海上保安庁が適任という意見に対して、対戦車ロケットを装備している海賊を相手にするには自衛隊の大型艦でなければならないという意見があって、ソマリアに海上自衛隊が派遣されました。
しかしその意見が、もっともらしいたわごとでしかないのが一目瞭然です。
また、軍どうしでないと連絡がうまくいかないから海上保安庁ではだめという意見もありましたが、スウェーデンが3月から沿岸警備隊を派遣しているそうです。
http://www.mschoa.org/Pages/default.aspx
無理矢理な法律を作って海上自衛隊を派遣したことについて、何の合理性もなかったことが、事実をもって明らかになりつつあります。
アフリカ諸国も取り締まりに参加
海上保安庁はインドネシア政府などと協力してマラッカ海峡の海賊をほぼ活動停止に追い込みました。
しかしこの実績については、ソマリアで通用しないと言われていました。
東南アジアと違ってアフリカの現地機関など信用ならないから参考にできないというのです。
しかし、現地政府に対する訓練援助の成果が早速上がっています。
ケニアとセーシェルの治安当局が取り締まりに乗り出したのです。
3月21日、ケニアの治安部隊はケニア領海内でソマリアの海賊容疑者11人を拘束しました。
3月29日、セイシェル沿岸警備隊巡視船が海賊と交戦、囚われていた27人の人質を救出しました。このとき逃亡を図った小型ボート1隻を撃沈し、母船を攻撃して爆発、炎上させました。
やり方がかなり乱暴なのは、訓練しているのがNATO海軍だからだと思います。
取り締まりは警察活動が有効
3月はNATO軍部隊も海賊の母船を何隻も拘束するか破壊しています。
母船が補足できつつあるというのは、情報が整備されてきたことを意味しています。
しかし破壊・沈没させるのはいかにも軍隊のやり口です。
しかし攻撃を強めれば、海賊は補足されないように活動範囲を広くし、成功確立を上げるために手口を荒っぽく変化させています。
マラッカ海峡ではそういうやり方をしないで取り締まり効果があがっています。
いまこそ海上保安庁がそのノウハウを活かすときではないでしょうか。
過ちは改めるにはばかる事なかれ。
いまからでも海上自衛隊を撤収させ、海上保安庁に本来の警察任務を任せるべきだと思います。
(引用ここまで・行間は詰めさせていただきました)
ほらやっぱり。
軍隊が行って武力で海賊を蹴散らしても決して海賊は減らず、返って海賊を広範囲に散らしてしまうことは予想されていましたがその通りになってしまいました。
そもそも彼らが海賊行為を行うその根本原因を解決しなければいつまでたっても海賊はなくならないことは、分かり切ったことなのに。
何でも無理矢理力ずくで押さえ込もうとするアメリカ方式は、敵のテロリストを再生産して終わりのない泥沼戦争にはまりこむだけなのに、同じ過ちをソマリアでも繰り返しています。
そして、当面の対処療法としての海賊の取り締まりは、マラッカ海峡の海上保安庁の先例もあるように、軍ではなく警察機構が担当した方が効果が上がったことも、どろさんが丁寧に説明してくださっています。
自衛隊でなければならぬと言うのは単なるこじつけで、自衛隊が海外で戦闘行為を行うという明らかな憲法違反への道筋をつけんがためだったことがよくわかります。
死者が出ることを想定しているというのですから、どれだけ揚々と戦闘準備に意気込んでいたことか。海外で自衛隊の武力行使を解禁することは、自衛隊委員の死と引き換えにしてまでも達成したい悲願なのですね、悲しくなります。
確か民主党も賛成したのでしたよね、自衛隊のソマリア派遣を。
この夏には、それを後戻りできない強固なモノにするため、
ジブチに基自衛隊の基地が建設されようとしています。
自衛隊では海賊取り締まりに効果が上がらないことがわかってるのに、海上保安庁に切り替えることなく基地まで作ろうなんて、アデン湾の治安を回復することなんか、本当は二の次にしか思ってないのでしょう。言ってみれば、自衛隊の海外での武力行使を恒常化したいがため、他人の不幸を利用しているわけです。
一旦基地が出来れば、たとえ海賊問題が解決しても自衛隊は決して基地を引き上げようとはしないのは目に見えています。海外で自衛隊が武力行使することだって違憲なのに、それを恒常化させる基地建設なんて、信じられないような憲法違反です。それなのに日本でほとんど話題にもなりません。
私達は国が憲法に違反することに対してこうも鈍感です。実に情けないことです。
壊憲を止めるために、そしてなによりソマリアの海賊問題解決に少しでも寄与するために、自衛隊は引き上げ、基地建設は中止すべきだと何度でも書きたいと思います。
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