はだしのゲンがエジプトでも紹介されたなんて、「日本スゴーイ」
- 2015/02/25
- 14:00
昨今「日本人ってスゴイ!」「日本ってスバラシイ!外国人もこんなに褒め称えてる!」系の番組が多くて少々辟易しています。格差が広まり生きづらさがつのる中、せめてこんな「誇り」を感じる事で少しは気分良くなれるのでしょうが、ナショナリズムがこういう心理につけこむこと事はよく知られた歴史上の事実。なので私はこの手の番組が垂れ流されることに良い思いを抱いていません。日本人の「謙譲の美徳」はどこへやら。
それでももし「日本ってスバラシイ」と誇ることがあるとすれば、私は次のような事で誇りを感じます。
アラブに限らず、世界中の人々が「はだしのゲン」を読んで平和を考えるきっかけになってくれれば、私は嬉しいし、誇りに思います。
しかし、もしはだしのゲンを読んだアラブの若者が
「はだしのゲンは素晴らしい。でも、どうしてこの本を生んだ日本が、原爆を落とした張本人のアメリカに世界で最も盲目的に付き従い、ゲンが望んだような平和憲法を反故にしようとするのか?最近の日本人は、はだしのゲンを読んでないのか?」
と質問してきたら、なんと答えればよいのでしょうか。
「世界で唯一核兵器を落とされた日本が、どうして原発を54基も持っているのか?その原発が事故を起こして汚染が広まる一方なのに、なぜ原発をやめることなく再稼働したくてたまらないのか?それだけでなくどうして原発を輸出しようとまでするのか?どうして日本人は自国を苦しめた核がそんなに好きなのか?」
と質問してきたらなんと答えればいいのでしょうか。
そして、素晴らしい本として海外に紹介されるような「はだしのゲン」が、日本国内では嫌がらせに会ったり、図書館で閲覧制限の対象にされたりしたと知ったら、アラブの若者はなんと思うでしょうか。
「はだしのゲンは日本にとって誇りではないのか」と聞かれそうです。
確かに今の日本では、テレビ番組で「はだしのゲンがアラブにも紹介された、日本スゴイ!」とはなりそうもないですね、多分。
それでももし「日本ってスバラシイ」と誇ることがあるとすれば、私は次のような事で誇りを感じます。
●「はだしのゲン」アラビア語版出版…エジプトで
2015年02月24日(読売新聞)
http://www.yomiuri.co.jp/world/20150224-OYT1T50053.html
【カイロ=溝田拓士】広島で被爆した少年がたくましく生き抜く姿を通して戦争や原爆の悲惨さを描いた漫画「はだしのゲン」がアラビア語に翻訳され、エジプトの首都カイロの書店で23日、出版記念イベントが開かれた。
はだしのゲンは、6歳の時に広島で被爆した中沢啓治さんの代表作で自伝的作品。これまでに英語など約20か国語に翻訳されている。
翻訳したカイロ大のマーヒル・エルシルビーニー教授は、広島への留学経験があり、はだしのゲンに興味を示し、翻訳に取り組んだ。今回翻訳されたのは全10巻のうち第1巻のみ。第2巻以降の翻訳も検討している。エルシルビーニー氏は、中東でイスラム過激派組織「イスラム国」の勢力拡大などによる混乱が続いていることに懸念を示し、「アラブの若者に平和について考えてほしい」と話した。
アラブに限らず、世界中の人々が「はだしのゲン」を読んで平和を考えるきっかけになってくれれば、私は嬉しいし、誇りに思います。
しかし、もしはだしのゲンを読んだアラブの若者が
「はだしのゲンは素晴らしい。でも、どうしてこの本を生んだ日本が、原爆を落とした張本人のアメリカに世界で最も盲目的に付き従い、ゲンが望んだような平和憲法を反故にしようとするのか?最近の日本人は、はだしのゲンを読んでないのか?」
と質問してきたら、なんと答えればよいのでしょうか。
「世界で唯一核兵器を落とされた日本が、どうして原発を54基も持っているのか?その原発が事故を起こして汚染が広まる一方なのに、なぜ原発をやめることなく再稼働したくてたまらないのか?それだけでなくどうして原発を輸出しようとまでするのか?どうして日本人は自国を苦しめた核がそんなに好きなのか?」
と質問してきたらなんと答えればいいのでしょうか。
そして、素晴らしい本として海外に紹介されるような「はだしのゲン」が、日本国内では嫌がらせに会ったり、図書館で閲覧制限の対象にされたりしたと知ったら、アラブの若者はなんと思うでしょうか。
「はだしのゲンは日本にとって誇りではないのか」と聞かれそうです。
確かに今の日本では、テレビ番組で「はだしのゲンがアラブにも紹介された、日本スゴイ!」とはなりそうもないですね、多分。
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