Aerodynamik - 航空力学

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観覧記録 コトリンゴ 初バンドワンマンライブ@代官山UNIT

http://www.10do.jp/kotringo_new/sche/index.php?log=200910

電子ピアノ一台で全国のカフェや小さなホールを回るツアー中のコトリンゴ、今日は初のバンド形式でのライブ。


普段は殺風景なUNITのステージに、コトリンゴとスタッフの二人による手作りの、緑と白のフェルトを大きな葉の形に切り抜いたものを沢山繋いで作られた、葉っぱのカーテンが四隅にかけられた*1。ステージ中央には、二羽の小鳥の置物が入った大きな鳥篭*2も据えられている。


アルバムのリリイベの時*3よりも年齢層は随分低い。教授/commmonsファンというより、土岐麻子や羊毛とおはななどのLDK周辺の音楽を好む層のように感じた。


アップライトピアノの前に、白いゆったりとしたサテン地のドレスを着て、今回も大きなピアスを着けたコトリンゴが座り、ライブスタート。


メモと記憶を頼りに続きを書く。


二曲目からは、ドラムに元Polarisの坂田学、ベースに口ロロの村田シゲ、キーボードに一十三十一等の滝沢スミレが参加。初めて聴くコトリンゴバンドは、パワフルというよりも、繊細なコトリンゴの音を殺さないよう、控えめでシンプルな演奏に徹しているようだった。
「魚」を演奏し終わったところで、一旦サポートメンバーが捌け、特別ゲストとして、コトリンゴが「教官」と呼んでいる、anonymassのチェロ奏者、徳澤青弦が登場。二人で4曲を演奏。いかにもチェリスト然としたクールな風貌の徳澤氏、このチェロが、想像以上に豊かで深みのある音でびっくりした。
「Tiey Tiey Tea」では、恒例のコトリンゴ先生による観客へのコーラス指導。掛け合いが楽しい。


MCでは、「To Stanford」のエピソードを。この曲は、NY在住時代、ピアノ教師のアルバイトをした頃、バイトのために乗るマンハッタンから郊外に向かうスカスカの電車の中で思いついた幾つかの曲のうちの一つ。その頃の曲が教授の目に触れ、デビューとなったが、あえてアルバムに入れないでおいた、そのまま埋もれるはずだった曲なのだという。2ndアルバム録音時に、唐突に教授から「この曲を入れなさい」と言われてアルバムに入った。教授も自身のアルバムでカバーしたこの素敵な曲が、教授の一言が無ければ、「闇に葬むられる」曲だったなんて。


「Tiey Tiey Tea」でピアノ&チェロ終了。サポートメンバーが戻ってくる。今度は村田シゲが持ち寄った機材で、「宇宙のパワーを感じるコーナー(笑)」として、スペーシーなエレクトロニカ風「Old Spaceship」。
そして再びスペシャルゲスト、アイゴンこと會田茂一がギターで登場。なんという奏法なのか分からないのだが、普通にコードを弾くのではなく、効果音やSEのようなものを出す、不思議なプレイをしていて、それがコトリンゴの音に妙にはまっているものだから鳥肌が立った。また、彼が加わると、こんな特殊なプレイなのに、バンドとしての安定感が出る。プロデューサーとして経験を積み上げた、音全体を見通せるアイゴンならではだ。


「Chocolate」からはまた4ピース、そして最後の曲「こどものせかい」の前のMCで、コトリンゴは感極まって泣き出してしまう。宅録から音楽作りを初めて、全部一人で自分の好きなようにやってきた。NYから日本に帰ってきた時は、ミュージシャンの知り合いが誰もいなくて、曲を聴かせても理解してもらえない、宅録共通の悩みにぶちあたった。でも、クールで喋らなくて一見怖そうな徳澤氏が、自分のアイディアを解釈してくれて、形にしてくれる、それが嬉しかった。今は、自分の音楽を理解してくれるミュージシャン、観客がこうして沢山いて、バンドでライブができるようになった事がとても嬉しいと。内向的だった1st、2ndから、3rdではゲストミュージシャンを迎えてより開放的になったコトリンゴの音。それは彼女の心境の変化をそのまま映し出している。


見た目以上に饒舌なピアノ、ふわふわと柔らかく透き通る声、そしてそれらを殺さない控えめなバンド演奏。とてもいい気持ちで全編を楽しむことが出来た。


幾つか残念だったところも上げておくと、折角の大音量にもかかわらず、ピアノや声の、生演奏ならではの繊細な表現が伝わりにくい、やや平坦な出音だった。にもかかわらずバスドラが大きく感じたのは、ややクラブ系の音に特化した、UNIT特有のPA設定/環境のせいか。アップライトピアノだったのも影響はあったのだろうか。
また、スタンディングライブ、そしてUNIT独特のあの閉塞感のせいか、途中で気分を悪くして座り込んでしまう女性が何人も出てしまったこと。コトリンゴのライブに、UNITという場は少々相応しくなかったかもしれない。さらに言えば、UNITはステージが低いので、演奏者が椅子に座るタイプだと、ほとんど手元が見えなくなってしまう。これはピアノ弾きにはちょっと惜しい。


そういえば、やたらとTwitterを観客にお勧めしていた。コトリンゴのtweetは食べ物関連が多い。*4

  1. Runway Girl
  2. A Girl
  3. デイジー
  4. Colormaker
  5. é­š
  6. こんにちは またあした
  7. 予感
  8. To Stanford
  9. Tiey Tiey Tea
  10. Old Spaceship
  11. Summer
  12. Me.ga.ne
  13. Jump Jump
  14. Closet
  15. 友達になれるかな?
  16. Flower
  17. Last Song
  18. Chocolate
  19. おいでよ
  20. こどものせかい
    • EN
  21. きみはジーニアス


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