2026-05-01から1ヶ月間の記事一覧

ドランクヌードル

刺繍アーティストのサル・サランドラにインスパイアされた作品とのことで、情景を重ねていくスタイルは刺繍のようだと思った。どこかへ向かう、何かが結実するというより、存在する幾つもの真実を提示してくるような映画。アリスがモチーフの刺繍があったけ…

シンプル・アクシデント 偶然

ワヒド(ワヒド・モバシェリ)が医者へ行かないのは、殴られて傷ついた腎臓と共にある状態から抜け出せないからだろう。私だって身近にいたら病院へ引っ張って行きたい程だろうけど、当人以外が決められることではない。彼は初対面のシヴァ(マルヤム・アフ…

大人の人生

イタリア映画祭にて観賞、2025年グレタ・スカラーノ監督作品。『山逢いのホテルで』(2023年スイス・フランス・ベルギー)『私のすべて』(2024年フランス)などは障害のある息子を一人つきっきりで育てる母親が生き方を見直す話だったが、これは「面倒を見…

5ç§’

イタリア映画祭にて観賞、2025年パオロ・ヴィルズィ監督作品。雪が降りしきる中、荒れ果てた厩舎で一人その日を暮らすアドリアーノ(ヴァレリオ・マスタンドレア)。弁護士事務所の同僚ジュリアーナ(ヴァレリア・ブルーニ・テデスキ)は「人と関わればうつ…

サンキュー、チャック

最初に提示される第3章の終わりには、この章が「何」であるかがはっきりする。私は子どもの頃からあのように感じているから原作小説は知らないけれど見当がつき、とはいえ解釈の違いがあるからこそ色々と面白かった。例えば教師のマーティー(キウェテル・イ…

学校の1年間

イタリア映画祭にて観賞、2025年ラウラ・サマーニ監督作品。「あいつは二人のキスを見て動揺したんだ、お前のせいだ」「なんで私だけ?二人でキスしたのに」(自動ドアの向こうにハグで慰め合う男二人、うち一人がキスの相手)に端的に表れているように、男…

人生はそういうもの

イタリア映画祭にて観賞、2025年リッカルド・ミラーニ監督作品。いつどこにでも起こりうる話とはいえどうしても『ローカル・ヒーロー』(1983年アメリカ)が思い出され、最後にバート・ランカスターがヘリで到着して一件落着なんでしょ?と見ていたんだけど…

スイートハート

イタリア映画祭にて観賞、2025年マルゲリータ・スパンピナート脚本監督作品。「浜辺の貝はひとりぼっちだったけれど波と風の音に育てられた」というお話を大好きなベビーシッターにせがんでいた少年ニコ(マルコ・フィオーレ)は、彼女が結婚する夏、高齢の…

不知火海

「水俣病公式確認70年によせて 土本典昭監督特集」で『水俣 患者さんとその世界』と続けて観賞。チッソ水俣工場を見下ろす丘で聞く「チッソの歩みは資本主義と日本の歩みそのもの」。朝鮮の興南工場の設立には大使(政府)が介入して二束三文で土地を買い叩…