致死率50%超のニパウイルス、インドで感染報告 知っておくべきこと
(CNN) 世界保健機関(WHO)は29日、インド東部の州で2件のニパウイルス感染を報告した。
ヒトがこのウイルスに感染すると半数以上が死に至る。ニパウイルスは、最初の感染者が確認されたマレーシアの村にちなんで名付けられ、はしかと同じウイルス科に属する。はしかほど感染力は強くないものの、致死率は大幅に上回る。
感染経路は?
ニパウイルスは人獣共通感染症で、動物からヒトに感染する。米疾病対策センター(CDC)によると、最も一般的な感染経路は、感染した豚やコウモリとの直接接触だ。感染したフルーツコウモリの尿や唾液(だえき)に汚染された果物や果物製品(生のナツメヤシジュースなど)を摂取することも感染拡大の一因となる。
ニパウイルスはヒトからヒトへ直接感染することもある。ただし感染が起きるのは、感染者と非常に密接に接触した場合だ。
症状は?
WHOによると、感染してから症状が現れるまでに4~14日かかる場合がある。無症状のケースはまれだ。
感染の初期症状は非特異的で、発熱、頭痛、筋肉痛、嘔吐(おうと)、のどの痛みといったインフルエンザ様症状が見られる。患者の約3分の2は急速に病状が進行し、5~7日以内に昏睡(こんすい)に陥る可能性がある。せきなどの呼吸器症状や胸部X線異常を伴うこともある。
どれほど危険なのか?
CDCはニパウイルスについて、バイオセーフティーレベルを4に分類している。これはエボラ出血熱のような最も危険な病原体を含む最高レベルで、生物テロの媒介物となる可能性がある。
ニパウイルスのアウトブレーク(感染爆発)例は少数だが、高い致死率、ヒトからヒトへの感染の可能性、アウトブレークを引き起こす能力、さらに認可されたワクチンや治療法がないことから、公衆衛生上の脅威とみなされている。
どのように診断される?
多くの場合、血液サンプルを用いて特定のたんぱく質を検出・量化する。
治療法は?
ニパウイルスに特化したワクチンや治療薬はない。医師は支持療法を提供し、重度の神経症状を呈した患者は呼吸補助が必要になる場合もある。
慢性C型肝炎の治療に他の薬剤との併用が承認されているリバビリンという薬剤は、一定の効果がある場合があるものの、その効果はさまざまだ。
つまり、医師は動物からヒトへの感染リスクを減らし、予防することに重点を置いている。
発生場所は?
ニパウイルスのアウトブレークはほぼ毎年アジアで発生しており、バングラデシュ、インド、マレーシア、フィリピン、シンガポールで発生することが多い。最も多い感染者数を記録しているのはバングラデシュ。ニパウイルスを媒介するフルーツコウモリがこれらの地域に生息しているためだ。
通常、コウモリの繁殖期とナツメヤシの樹液採取期である12月から5月にかけてまん延する。
発生頻度は?
非常にまれだ。2024年時点で報告されている症例は全世界で754件。ただし、この数字は過小評価されている可能性が高い。




