本記事は、面白法人グループ Advent Calendar 2025 の22日目の記事です。
こんにちは!カヤック技術部の千葉です。2回目の投稿です。
今回は「2ヶ月ちょいで3kmを1分速く走れるようになる方法」以来3年ぶりですが、ランニングネタを投下していきたいと思います。
ランニング近況
2020年秋の健康診断で「脂質代謝異常」と判定されたのを機に走り始め、早いもので丸5年が経過しました。
始めた当初はキロ7分ペースで3kmも走れませんでしたが、2023年の第18回湘南国際マラソンでは3時間27分54秒を記録し、サブ3.5を達成。現在はサブ3達成を目指して日々トレーニングに励んでいます。
昨年は怪我で2ヶ月間走れず、走行距離も伸ばせず悔しい結果に終わりましたが、今年は大きな怪我もなく、年間走行距離3,000kmに到達しそうです。おかげさまで、今年の健康診断ではカヤックに入社して以来、初めて「A判定」になりました!
今年は6大会出走しました。
- 4月 多摩川ハーフマラソン 1:35:57(自己ベスト)
- 5月 リレーランカーニバルハマスタ 3時間リレー 47周(1周1km)
- 10月 横浜マラソン2025 3:26:45(自己ベスト)
- 11月 第14回 NIPPON IT チャリティ駅伝(3km x 5) 57:58
- 11月 第12回 青葉区民マラソン(10km) 39:46(2ndベスト)
- 12月 第20回 湘南国際マラソン 3:48:44



9月から12月の湘南国際マラソンに向けてトレーニングを重ねてきました。 直前の10km大会の記録や、スマートウォッチのVO2Maxから設定した目標タイムは3時間10〜15分。しかし本番では、ハーフ地点直前で脇腹に激痛が走り、大幅なペースダウンを余儀なくされました。 異変が起きてからは水分以外の補給も受け付けない状態でしたが、それでも完走できたのは、今年のトレーニングで重要視していた「ミトコンドリアのエネルギー生産力」のおかげかもしれません。
マラソンにおけるミトコンドリアの役割
細胞内に存在するミトコンドリアは、糖や脂肪を代謝してエネルギー(ATP)を作り出す「細胞の発電所」のような役割を担っています。
ランニングの消費カロリーは「体重(kg) × 走行距離(km)」で概算でき、体重70kgの人がフルマラソンを走る場合、約3,000kcal(70kg × 42.195km)を消費します。しかし、体内に蓄積できる糖質(グリコーゲン)は最大でも2,000kcal(約500g)程度に過ぎません。そのため、フルマラソンを完走するには糖質だけでなく、体内に豊富にある脂質をいかにエネルギーとして活用できるかが鍵となります。この脂質を効率よく燃焼させるために不可欠なのがミトコンドリアです。
ミトコンドリアの量を増やし、その質(代謝能力)を高めることは、脂肪燃焼効率を向上させ、後半の失速を防ぐための重要なトレーニング課題と言えます。
ミトコンドリアを育てる2つのトレーニング
ランニングでミトコンドリアを効率よく育てるには、「ゾーン2トレーニング」と「高強度インターバルトレーニング(HIIT)」を組み合わせるのが有効です。
トレーニング強度の指標として、最大心拍数を5つの段階に分けた「心拍ゾーンモデル」が役立ちます。それぞれの強度が身体に与える影響は以下の通りです。
| ゾーン | . 運動強度 | . 最大心拍数の割合 | 期待できる効果 |
|---|---|---|---|
| 5 | 全力 | 90〜100% | HIITなど。ミトコンドリアの「質」の改善、スピード向上 |
| 4 | 強い | 80〜90% | 無酸素作業閾値(AT値)の向上 |
| 3 | 中 | 70〜80% | 有酸素能力・血液循環の改善 |
| 2 | 軽い | 60〜70% | ミトコンドリアの「量」の増加、脂肪燃焼効率の改善 |
| 1 | とても軽い | 50〜60% | ウォーミングアップ、疲労回復 |
※最大心拍数は「220 - 年齢」で簡易計算できますが、個人差が大きいため、実測値(全力疾走時の数値など)を用いるのが理想的です。私の場合、実測で190以上まで上がるため、その数値を基準に設定しています。
ゾーン2トレーニング
ゾーン2とは、最大心拍数の60~70%程度の低強度トレーニングを指します。心拍計がない場合は「走りながら楽に会話が続けられるペース」が目安です。
この強度で長時間(最低45分、理想的には90〜120分以上)走り続けることで、細胞内のミトコンドリアの量を効率的に増やすことができます。また、このゾーンは脂肪を優先的にエネルギーとして使う「脂質代謝」の効率が最も良く、毛細血管の発達も促されるため、フルマラソンに必要な土台(有酸素ベース)を作るのに最適です。
高強度インターバルトレーニング (HIIT)
HIITとは、最大心拍数90%以上の「きつい」と感じる高強度運動と、短い休息を繰り返すトレーニングです。ランニングにおいては、400m以上のインターバル走を10本程度行うメニューがおすすめです。 なぜ400mなのか。それは、短すぎると心拍数が上がりきる前に走り終えてしまうからです。400mをしっかり追い込み、休息を短く設定して繰り返すことで、心拍数をターゲットゾーンまで引き上げ、VO2max(最大酸素摂取量)の向上やミトコンドリアの活性化を促します。400m走っても心拍数が上がりきらない場合は、リカバリー(休憩)をジョギングでつないだり、休憩時間を短く設定したり、あるいは走行距離を延ばすなどの調整をします。
注意点としては、ミトコンドリアを効率よく育てるには順番が大切です。まずは「ゾーン2トレーニング」でミトコンドリアの量を増やし、その土台の上にHIITを加えて質を高めていく。この「量から質へ」の流れを意識することで、怪我を防ぎながら効率的にパフォーマンスを向上させることができます。
トレーニング例
9月から11月にかけて取り組んだトレーニング内容を紹介します。
9月
- 水曜: 100m x 10 (スピード強化)
- 木曜: 会社で坂ダッシュ or ジョグ
- 土曜: テンポ走
- 日曜: ジョグ or 低強度ロング
- その他: ジョグ
10月
- 水曜: 400m x 10 インターバル
- 土曜: テンポ走 or 大会前日刺激
- 日曜: 低強度ロング or 大会
- その他: ジョグ
11 月
- 火曜: 400m x 10 インターバル
- 水曜: 800m x 5〜8 インターバル
- 土曜: テンポ走 or 大会前日刺激
- 日曜: 低強度ロング or 大会
- その他: ジョグ
最後に
湘南国際マラソン本番では、予期せぬアクシデントによりペースダウンを余儀なくされ、自己ベスト更新できなかったことは非常に悔やまれますが、ミトコンドリアのエネルギー生産力で、なんとか完走できました。今回の経験を糧に来年またリベンジを果たしたいと思います。
今回、ミトコンドリアを育てるトレーニングで得られた最大の収穫は、特別な食事制限をすることなく体脂肪率が劇的に減少したことです。調整前は16%台だった体脂肪率が、レース直前には11%台まで落ちました。
体脂肪率の低下は、マラソンのタイム向上に直結するので、この「脂肪を燃やしやすい体」を維持していきたいと思います!






