==猛暑と干ばつと山火事と==
またしても、暑さが
ドッとぶり返した。
海を越えてアフリカ大陸から吹いてくる熱風に、イベリア半島はすっぽりと覆われている。
マドリッドは今日
40度(日向は45度を越えたはず)、コルドバは
45度まで気温が上がった。
他の町だって似たようなもの。
全国的に脳みそが融けて耳から流れ出そうな酷暑である。
もちろん、
高温警報発令中!
<通常は左側の家のように、雨戸を閉めて陽が入るのを防ぐのだが、右側の2軒はそれぞれ独自の工夫をこらして
暑さを凌いでいる。-18:00くらいのマドリッド市内->
日中の散歩なんてとんでもない。
ニュースでも「水をたっぷり飲んで、
不要な外出はしないように」と呼びかけていたので、
今日は昼間、家で『大脱走(スティーブ・マックィーン、好きだ~!)』のDVDを見ながら、
アク○リアス(この季節、スーパーの棚が空っぽになるほど大人気)をすすっていた。
今(22:30)もう日も暮れたし、なーんて表に出てみてギョっとした。
体温より高い温度の空気が、モワーンと漂っている。
酸素が足りない!
呼吸が苦しい!
空気がバリバリに乾いてて、鼻の奥、痛い!
液体のないぬるま湯に頭の先までドップリ浸かってる感じ。…って、分かります?
家の中の方が断然涼しいんだ!
って気付いてなかった。
こんなぬるま湯空気なのに、バルのテラサというテラサは鈴なりの大盛況!
皆よく座ってられんなー、と通りすがりに横目で観察すると、大方がビールやコーラといった液体モノ
もしくはアイスクリームをテーブルに、話に花を咲かしている。
タフだね、スペイン人は。
私ゃ早々に散歩を切り上げて帰り、クーラーをオンにしちまいました。
< Told (トルド)と呼ばれる日よけが付けられた Casa Encendida (カサ・エンセンディーダ)は、もう1つの
市内有名文化センター。カラフル!オシャレ!>
実はスペインは今年、
60年ぶりの大干ばつに見舞われている。
去年の秋からまとまった雨が降らず、農作物の7,8割がやられ、あちこちの州でも給水制限が始まっている。
マドリッドは幸い、今のところ給水制限は行われていない。
貯水率は
50%を切っているんだけど、この地域の地下には
3兆リットルもの地下水が眠っているらしく、
水道水の一部に既にこの地下水が使われているのだ。
この干ばつの影響で、今年は例年よりずーっと早く
山火事が勃発し始めた。
いつもだと7月くらいから起こり始めるところ、今年は
6月の頭から各地でガンガン山が燃え始め、
毎日のように報道されている。
これまで14人が亡くなり、大勢の人が家を失った。
今日8月7日は、スペインの
10の県で
20件もの山火事が同時進行で確認されている!らしい。
お隣の
ポルトガルだって今、中央部と北部の山火事でオオゴトになっているし、
フランスも西部の山々が何日も激しく燃えている。
南欧上空は、今、二酸化炭素だらけになっているはずだ…。
地球の温暖化に大貢献中…。
つけ加えておくと、出火原因のほとんどは
人為的なもの。
スペインでは、
放火(!)と
焚き火(バーべキュー、好きだもんね)が圧倒的に多い。
火事で禿山になってしまった場所が元の姿に戻るまで、少なくとも何十年もかかるわけでしょ?
夏になる度に、このペースで地球上の森林がバンバン燃えてしまったら、冗談ではなく、
いつかこの星は砂漠化してしまうんじゃなかろうか?
と毎回思う。
世界の砂漠は日々拡大しているし、アマゾンのジャングルは日々縮小しているし、まぁ…、言い出したらキリがないほど、
地球の環境問題って山積、深刻化してるのだけど。
去年だったか「樹があるから火事になるんだ。この
忌々しい木々を全部切り倒してしまえばいいんだ」と、
あのブッシュさんは言ったそう。
この間のG8でも「
米国の益にならないから、京都定義書は受け入れない」と、この男が言い放ったのは、記憶に新しい。
嗚呼。
全く、腰が砕けるよね。