急遽筆記!
    当サイトの朗読詩や、散文詩など
    主に、一人用の台本の詩などは

    ガンガン、AIに突っ込んで
    楽曲用歌詞として使ってください !!

    リンク表記不要、商用利用可
    作詞:という欄には [ 絶対オト幻 ] と
    記載してください、無い場合は
    書く必要はありません、とにかく!
    ガンガン、AIに使用してください !!
    
    試しに
    『 抱き合った、その明日に 、、、』
    の後半の詩を使って、udio で生成(せいせい)
    
    
    [ Fleeting Wishes
     ]
    
    [ Fading Aspirations
     ]
    
    空に消えた願いを
    もう一度
    
    その胸に宿す
    ことが出来るのなら
    
    覚めない明日は
    もう要いらない
    
    一度捨てた希望は
    もう帰らない
    
    だから、優しさを
    失ったその心を
    
    君に届ける
    そんなあの日は
    
    もう、帰っては……
    
    来ないのだから 、、、
    
    
    2曲目はなんか、打ち込んだのとは 違う歌詞に成っていますがw 一応出来るみたいなんで ガンガン、AI生成(せいせい)に うちの詩を突っ込んで 使ってください♪ もうちょっと歌詞を 長めに取ったバージョン [ Whispers of Tomorrow ← ガチで名曲♪www ] [ Fleeting Shadows ]



    3人用 モノローグ進行形台本 【男2 女1 】 ☆台本 600本目記念 長編シリーズ 学園ロマンティック・コメディ 生まれ変わり #613 【 ラブ∞レター♪ 】 『 第三章 』

    3人用 声劇台本 【 男性 2人、女性 1人 】

    台詞数 : 131
    所要時間 : 約 40分



    【 モノローグ進行形台本 #613 タイトル 】

    【 ラブ∞レター♪ 】
      『 第三章 』


    【 配役 】

    A : ユキト ♂ ( セリフ数 84 ) 主人公
    B : 里美(さとみ) ♀ ( セリフ数 29 ) 前世(ぜんせ)を信じる上級生
    C : 川崎(かわさき) ♂ ( セリフ数 18 ) クラスメート

    ***********

    【】 : モノローグ/ナレーション
    SE : 効果音

    【 役表 】
    ―――――
    【 ラブ∞レター♪ 】 『 第三章 』
    https://zeotogen.blog.fc2.com/blog-entry-1497.html

    A : ユキト ♂ :
    B : 里見 ♀ :
    C : 川崎 ♂ :
    ―――――

    【 ジャンル 】

    ☆台本 600本目記念 長編シリーズ
    学園青春恋愛 モノローグ
    ロマンティック・コメディ
    前世(ぜんせ)からの生まれ変わり

    【 注意事項 】

    事前に一度も台本
    またはセリフに目を通さない
    初見での上演と
    ぶっつけ本番は禁止です
    必ず演じる方全員が
    台本チェックをしてください

    台本の転載・再配布禁止です
    URL で、このページに誘導してください
    必ず 利用規約 を読んでから
    自己責任でご使用ください


    【 作品関連 】

    タイトルの読み方は
    そのまま 『 ラブレター 』 です。
    『 ラブ 』 と 『 レター 』 の間(あいだ)の
    『 ∞(無限大) 』 は読まなくて構いません。

    ちなみに、作品執筆時(しっぴつじ)の
    ペンネームは、RUI(ルイ) です m(_ _)m☆


    【 作品概要 】

    一通(いっつう)のラブレター
    それは、前世(ぜんせ)を信じる女子高生
    『 里美(さとみ) 』 からの手紙
    受け取った ユキト は
    そんなのは 『 電波な話 』 と
    信じていないながらも
    里美(さとみ) の勢いに押され付き合い始める

    前世(ぜんせ)来世(らいせ)、人の情愛(じょうあい)は
    時を越え連綿(れんめん)と
    繰り返(く かえ)されて行くという内容の
    平安時代と現世(げんせ)を舞台とした
    学園ファンタジー少々コメディ調の
    ラブストーリーです。
    全十八章 長編作品。


    良かったら、バンバン
     やってみてください
    (`・ω・´)ゝ☆♪

    【 出番率 】

    ユキト のモノローグが中心で
    進んで行く内容なので
    里美(さとみ) と 川崎(かわさき) は出番が少ないです

    â–¡â–¡â–¡â–¡â–¡â–¡â–¡â–¡â–¡â–¡â–¡â–¡â–¡â–¡â–¡â–¡â–¡â–¡â–¡â–¡â–¡â–¡â–¡â–¡

    ラブ∞レター♪ by RUI

     【 第三章 】

    B 「 とりあえず……
       連絡先…… 教えて?
    」

    A 「 ぇ? あ、うん…… 」

    B 「 なに、そのイヤそうな返事…… 」

    A 「 いやおれ、メールとか
       マメな方じゃ無いから……
    」

    B 「 本当、呆(あき)れるくらい
       変わっていない
       そういうトコ……
    」

    A 「 そんなヤツのこと
       好きだったワケ?
    」

    B 「 ぇ……っ 」

    *******************

    A 【 そう言って、顔を赤らめる里美(さとみ)
       おぉぉ、なんか、カワイイぞ?
       そんな風に想い始めている
       おれが居た
    】

    *******************

    B 「 とにかく、連絡先が
       わからなくちゃ
       連絡出来ないでしょ!
    」

    *******************

    A 【 ごもっともです…… 】

    *******************

    A 「 はい…… 」

    *******************

    A 【 と、アドレスを出して交換 】

    *******************

    A 「 おれ、でも……
       メールより電話の方が
       いいんだけど
    」

    B 「 じゃ、じゃあ番号も…… 」

    *******************

    A 【 そのたんびに
       恥ずかしそうに成る里美(さとみ)
       いちいち、反応が
       可愛い人だな?
    】

    *******************

    A 「 ねぇ 」

    B 「 なに? 」

    A 「 逆に聞きたいんだけど
       今まではどうしていたワケ?
    」

    B 「 ぇ? 」

    A 「 いや、だから
       言い寄ってくる男とかには
       どう対処していたの?
    」

    B 「 そ、そんなこと
       いきなり言われても……っ
    」

    A 「 誰か他の男と
       付き合ったりしてみたの?
    」

    *******************

    A 【 ちょっと、冗談半分に
       ツッコんでみた
    】

    *******************

    B 「 いや! そのっ! 」

    *******************

    A 【 あァ……、他にも
       相手が居たワケか……
    】

    *******************

    B 「 あ、あたしは断ったんだよ !?
       で、でもね? その……っ
    」

    A 「 その? 」

    B 「 もう! とにかく
       連絡をするから変なことを
       聞いて来ないで!
    」

    *******************

    A 【 なんだ、それ……
       なんだかわからないが
       面白い人だ……

       正直言って、この辺(あた)りで
       おれの中では 『 前世(ぜんせ) 』 が
       どうのとかこうのとか
       そういうのは余り
       どうでも良くなって来ていた
       と、いう感じに成っており
       そんな想いを持つように
       成ってから……、2日後(ご)
       例の里美(さとみ)さんから
       呼び出しが掛かった
    】

    *******************

    B 『 26日に、確かめたい
       ことがあるから来て
    』

    A 『 何処に? 』

    B 『 丘の上公園 』

    A 『 何があんの? 』

    B 『 とにかく来て 』

    A 『 何時? 』

    B 『 14時 』

    *******************

    A 【 人のこと言えるか?
       もうちょっと纏(まと)まった
       内容のメールをよこして
       欲しいモノだとか感じたのだが
       その26日、さっき言った
       後悔する内容が待っていた

       迎(むか)えた
       26日14時、丘の上公園

       行ってみてわかったのだが
       何やら 『 お祭り 』 が
       行われており、往来(おうらい)には
       たくさんの人達が
       シートなどを敷(し)いて
       座って居て、かなり
       賑やかな様子が
       そこにあった

       花見の季節は
       とっくに過ぎたし
       なんのお祭りなんだ?
    】

    *******************

    B 「 お待たせ 」

    A 「 おう、これ何の騒ぎ? 」

    B 「 これ 」

    *******************

    A 【 と、一枚の紙切れを
       差し出した里美(さとみ)
       なに……? その紙を
       見てみると、どうやら
       『 歴史的な内容のお祭り 』 を
       やっているというような
       ことが書かれていた
    】

    *******************

    A 「 これが、何かあんの? 」

    B 「 わたし達も出るの 」

    A 「 はァ? 」

    B 「 タダで十二単(じゅうにひとえ)が
       着られるんだよ?
       勿論(もちろん)、ユキトくんは
       貴族の礼装(れいそう)
    」

    A 「 ちょっ、ちょっ
       ちょっと待て
       それを着てこの大勢の
       見物客の前を通るとか
       言うんじゃないだろうな?
    」

    B 「 ビ~ンゴ♪ 」

    *******************

    A 【 何処(どこ)が平安時代に
       一緒だったって
       人なんだよ……と
       ツッコまずには
       いられ無いような
       里美(さとみ)の一言(ひとこと)だったが

       どうやら、このお祭り
       その参加者は色々な
       時代の正装(せいそう)やら礼装(れいそう)を
       まとって往来(おうらい)を練り歩(ね ある)く
       というような内容らしく

       里美(さとみ)が
       申し込んでいたのは
       やはり 『 平安時代の
        グループ 』 で
       既(すで)におれの分まで
       登録してあった……
    】

    *******************

    A 「 ちょっ、ちょっ
       とにかく待ってくれ
       おれはそういう知らない
       人達の前に出るのとか
       しかもそんなやたらと人目(ひとめ)に
       付くような格好(かっこう)で
       地球の反対側で
       行われているような
       有名なカーニバルの
       ようなのにっ!
    」

    B 「 もう、申し込んで
       あるんだから急がないと
       間に合わないよ?
    」

    A 「 間に合わないでくれていい 」

    B 「 何、言ってるの
       ココまで来て四の五の
       言わない、男でしょ?
    」

    *******************

    A 【 あァ、男ですけど
       それが何か? とか
       言いたかったワケだが……

       グイっと腕をひっ掴(つか)まれ
       公園の一番奥にある
       事務所の中へと
       拉致(らち)されたおれ……
    】

    *******************

    B 「 ユキトくんはそっちで 」

    *******************

    A 【 と、平安時代の
       グループの人に
       勝手に紹介され
       いやおう無しに
       貴族の正装(せいそう)を
       させられた……

       こんな格好(かっこう)で
       人前に出るのか……
       か、勘弁してくれ……
       おれ、そういうの
       苦手なんだよ……
       と、誰かに言いたかったが

       里美(さとみ)は女子の
       着替える方に行って
       しまっている為
       一人、貴族の格好(かっこう)で
       知らない人達に
       取り囲まれているおれ
       聞けばあと15分程で
       スタートする、と
       いうことだった……

       スタートするって何をだよ……
       勝手に連(つ)れて来られて
       何のスタートを切れって
       言うんだよ、おれに一体……っ
       と焦りに焦り
       人前に出るときに
       沸き出てくる緊張による
       冷たくも熱くもある
       独特のイヤな汗を
       首筋に感じながらも

       最早(もはや)逃げられず
       気が付けば
       列に並ばされて
       しまっているおれ……
    】

    *******************

    A 「 なんだよこれ……
       本気でもう抜けられねぇ
       じゃねぇかよ……
    」

    *******************

    A 【 なんかのテレビ番組で観た
       やたらと長いオーブンで
       何かの 『 食材 』 が
       時間を掛けて
       ジックリと焼かれていく
       ベルトコンベアーにでも
       載(の)せられているような
       気分だった……
    】

    *******************

    A 「 おぃおぃ
       勘弁してくれよ……
    」

    *******************

    A 【 何で知らない人達に
       挟(はさ)まれて、しかも
       大勢の観客の視線を
       浴びるような往来(おうらい)に
       出て行かなくちゃ
       ならねぇんだよ……

       里美(さとみ)――っ!
       里美(さとみ)さ――んっ!
       里美(さとみ)センパ――――イッ!
       何処(どこ)行っちゃったん
       ですか――っ!
       これ、何してんだよ
       本当に――――っ!

       そして始まってしまった
       そのパレード
       大勢の視線が
       おれに向かって注(そそ)がれており
       おれはそのあまりに
       キツイ緊張感の為
       その後(あと)、何十分(なんじゅっぷん)かの記憶が
       殆(ほとん)ど残っておらず
       抜け殻のように成って
       再び事務所に
       着替えに戻っていた……

       そして 『 正気 』 を
       取り戻した……
       いや余り 『 正気 』 とは
       言えない状態だったのだが……

       なんとなく今
       自分が何処(どこ)に居るか
       と、いうのをそれなりに
       把握(はあく)出来る状態に
       成ったときには
       良く知らない人達と
       一緒に甘酒を飲みながら
       並べられた 『 おせち料理 』 の
       ようなモノを箸(はし)に取り
       口に運(はこ)んでいる
       状態だった……
    】

    *******************

    A 「 ここは何処(どこ)
       なんだろうなァ……?
    」

    *******************

    A 【 何となくそんなことを
       想いながらも
       『 やっぱり、若い人は
         飲みっぷりが違うねぇ !? 』
       とか、良く知らない
       お祭り実行委員と思われる
       ハッピ姿のオジさんに
       そんなことを言われて
       グビグビと甘酒に
       酔っ払っていき
       再び記憶が余り無いような
       状態に陥(おちい)って行ったおれ……
    】

    *******************

    A 「 あァ……、おれこのまま
       どっか別な世界に
       逝(い)っちゃうのかなァ……?
    」

    *******************

    A 【 うっすらと何となく
       そんなことを想ったような
       記憶だけが残っていて
       気が付くと駅のホームの
       ベンチに腰掛けている
       状態だった……
    】

    *******************

    A 「 ここ何処(どこ)……? 」

    B 「 ユキトくん !? これ飲んで?
       ちょっと酔いを醒(さ)まして
    」

    *******************

    A 【 そう言われて
       ようやく少し自分が今
       どういう状態なのかを
       認識し始めることが出来た……

       お祭りで行進をして
       その後(あと)、甘酒に酔っ払い
       良く知らないオジさん達と
       盛り上がり、今、駅のホームで
       里美(さとみ)さんに
       水を勧(すす)められている……
       多分そんなような
       ことなんだろうなァ……
       ボンヤリとそんなことを
       思うのが精一杯だった……

       次に気が付いたときは
       自分の部屋のベッドの上……

       正直、あの駅のホームに
       居た後(あと)からの記憶は
       殆(ほとん)ど無い……
       おれ、何処(どこ)で
       何をして居たんだろう……
       何でちゃんと自分の
       ベッドの上に寝転がって
       居られているので
       あろうか……
       誰か、2、3行に纏(まと)めて
       判(わか)るように
       おれに説明してくれ……

       でないと、おれは人生の内(ウチ)の
       何時間かをロストした
       状態のまま行って
       しまうことに成る……

       そんなことを想いながら
       起き上がろうとすると
       まだ少し 『 グァングァン 』 と
       何かが揺れるような
       感覚に襲われる
       自分の身体を
       やっとの想いで
       無理やり起こし
       机の上にある
       携帯を確認してみた……
    】

    *******************

    B 『 お疲れ様
       ちゃんと帰れた?
    』

    *******************

    A 【 そんな里美(さとみ)からの
       短い一文(いちぶん)だけの
       メールが入っていた……

       もうちょっと
       なんか無いのか?
       あの人は……
       『 ちゃんと帰れた 』 も
       何も無いモンだ……
       もし 『 ちゃんと帰れて
        居なかったら 』 おれを
       どうするつもりだったんだ?
       あの人は……、まだ会って
       計2日間しかやりとり
       していないあの人だった
       ワケだが……、おれと
       同じような 『 適当さ 』
       みたいなのを持っている人

       いや、ひょっとしたら
       おれより更(さら)に
       『 適当 』 なんじゃないか?
       と、いうのが何となく判(わか)って
       来たような気がしていた……
    】

    *******************

    A 「 要(よう)は似たモノ同士
       だったってことですか?
       えぇ? 里美(さとみ)センパイ……
    」

    *******************

    A 【 そんな恨(うら)めしいような
       気持ちで携帯を
       確認し終えたおれ……

       あァ……、とにかく
       あの何て言うのか
       烏帽子(えぼし)……?
       なんか、そんな帽子(ぼうし)を
       被(かぶ)ってブカブカの
       礼装(れいそう)のような
       格好(かっこう)で……
       聖徳太子が持って
       いるような板状の何かを
       手に持ち、無表情で
       ずっと大勢の前を……

       ダメだ……
       思い出すのが恐い……

       平安時代に
       一緒に居たっていうんなら
       おれが知らない
       人達の前に出るのは
       極端に恥ずかしいと
       感じる性格だって
       いうことぐらい
       知って置いてくれても
       いいんじゃないのか?

       何をさせたかったんだ?
       あれで……、チキショー……
       良く判(わか)らんが
       何だか知らないが
       悔しい気持ちで一杯だ……

       あァ……、でも……
       甘酒美味かったなァ……

       ダメだ、あの味を想い出すと
       またあの行列で
       行進していたときのことを
       思い出してしまいそうに成る……

       おれは記憶を
       取り戻したいのか?
       失いたいのか? 良く判(わか)らん
       なんだ、この気持ち……
       おれは今なんの葛藤(かっとう)を
       しているんだ……
       メリットを少しも感じないぞ
       チキショー……
    】

    *******************

    A 「 里美(さとみ)に
       電話して聞いてみるか?
    」

    *******************

    A 【 ダメだ……、ヤメておこう……
       やはり…… うわっつらな
       気持ちで 『 彼女が出来るかも? 』
       何て 『 甘い考えを
        起こしたバツだ、きっと…… 』
       暫(しばら)く、あの人と……

       昨日、…… 昨日だよな?
       今日、何曜だ……?
       それすらわからねぇぞ
       バカヤロ――……っ
       何日も寝ていて
       学校を休んで居たとか
       そんなことには
       成っては居ないよな?
       居ないよなっ !? バカヤローっ !! 

       そうしてそれから
       風呂に入ってサッパリとして
       その日が日曜だったと
       判(わか)り少々安心し
       一息(ひといき)ついた
       そんな状態のおれ
       月曜に成り登校
       今、4時限目の授業を
       受けている最中なのだが……

       ここ数日間に起きたことの
       『 ジェット・コースター感 』 が
       半端(はんぱ)無く……、とてもじゃないが
       授業の内容なんていうのが
       頭には入っては来ない
       状態のおれが居た……
    】

    *******************

    A 「 おれは今いったい……
       何をやって
       居るんだろうなァ……?
    」

    *******************

    A 【 幸(さいわ)い、おれが
       ラブレターを受け取ったこと
       放課後に里美(さとみ)と会ったこと
       前世(ぜんせ)がどうの
       こうのとか言われたこと
       この人と付き合っても
       いいかな? などと
       とち狂った考えを頭に
       想い浮かべたこと
       貴族の格好(かっこう)をして
       大勢の前を行進し
       その緊張感から
       記憶を無くし掛けたこと
       甘酒を飲んでベロンベロンに
       成ったこと……、そんな
       何日間かを過ごしたことは
       誰にも話していない……

       里美(さとみ)が誰にも
       言っていなければ
       また元の 『 普通の生活 』 に
       戻れる筈(はず)だ……

       このことがとにかく
       誰にもバレていませんように……
       ただそんなことを
       ず~っとボンヤリと
       願うような気持ちで
       考えていた……

       とにかく
       黙っていよう、幸(さいわ)い
    】

    *******************

    A 「 付き合ってくれ 」

    *******************

    A 【 と、いったようなことは
       まだ言っていない
       連絡先を交換しただけで
       それ以上の関係には
       成っては居ない筈(はず)だ……

       甘酒の酔いの中で
       何が起きていたのか……
       自分の部屋のベッドで
       寝ているまでに
       何か余計なことさえ
       言っていなければ
       何も無かった……
       何も無かったんだ……
       そういうことに
       出来る筈(はず)だ……っ

       確認する為に
       連絡を取ってみるか?
       今も2年B組に
       あの人は居るのか……?
       余計なことを周(まわ)りの人に
       何も言ってくれて
       居なければいいのだが……
       気に成るなァ……

       大体あの人の
       『 電波っぷり 』 は
       2年B組の中では
       周知(しゅうち)のことなのか?
       普段はそういったことは
       黙っているのか?
       そういう情報が
       全(まった)く判(わか)らない……
       探(さぐ)りを入れてみるか……

       いやっ、とにかく、とにかく
       何もしない方がいいような
       気がする……、二度と
       上級生のクラスの階には
       行かなければいい……
       そうすれば、少しして
       夏休みに入る……
       その前に期末テストが
       あるのは憂鬱(ゆううつ)では
       あるが……、そうやって
       とにかくやり過ごせば
       あの人とは……
    】

    *******************

    SE : キーンコーンカーンコーン
       キーンコーンカーンコーン♪


    *******************

    A 【 ふう……、授業中の
       一切(いっさい)のことが
       頭に入らなかった……

       文字通り、昼休み……
       ゆっくり休ませて貰(もら)うか……
    】

    *******************

    SE : ビ――――ッ

    *******************

    A 【 携帯が鳴っていた……

       おぃおぃ……
       まさかってことは
       無いだろうなァ……?
       イヤな予感しか
       しないんだが……

       おそるおそる
       携帯を見るおれ……
    】

    *******************

    B 『 どう? 想い出せた? 』

    *******************

    A 【 里美(さとみ)からのメールだった……

       ガァ――――っ!
       全然、終わって
       ねぇ~~~っ!
       まだ連絡来てる――――っ!

       ちょっと待て
       どうしたらいいーっ !?

       このまま返事をしないで
       いれば 『 関係消滅 』
       ってことに出来るんじゃ
       ないのか? 大体
       『 想い出せた 』 って
       いうのは、どの
       部分のことだよ……

       また、電波な内容を
       電波に載(の)せて
       送って聞いて来て
       居るんじゃ無いだろうなァ?

       甘酒を飲んでいた
       ときのことならまるっきり
       憶(おぼ)えてねぇぞ?

       いや少しだけ……
       なんか良く知らない
       オジさん達と盛り上がって
       居たようにうっすらと
       そう想う……?
       そのことか?
       いや、そんなことを
       聞いてくる筈(はず)ないよな?
       大体あのとき里美(さとみ)は
       何処(どこ)に居たんだ?
       あの場に居たのか?
       判(わか)んねぇ……っ
       甘酒の話か? と
       でも書いてトボけるか……?

       いやきっと、そんなことを
       聞いて来ているんじゃ
       ねぇだろうなァ……?
       おそらく 『 あの平安時代の
        貴族の格好(かっこう)をしたことで
        前世(ぜんせ)の記憶を
        おれに取り戻させようと
        していた…… 』 とか
       なんか、そんなトコロか……っ !?

       チキショー
       どうしたらいいっ !?

       このまま関係を
       断ち切るべきか……?
       平穏(へいおん)な日常を
       取り戻すために……っ
       でも、そのままじゃ……
       きっと、せっかくおれに
       『 好意 』 らしきモノを
       抱(いだ)いている
       人生初の女子を……
       ってっ! またとち狂った
       考えを捨て切れないでいる
       おれが居る――――っ! 

       どうすんだ……?
       どうすんだよっ!
       里美(さとみ)――――っ!
       おまえ一体
       ナニモノなんだ――――っ !!

       って、なんでおれは
       こんなに動揺(どうよう)をしなくちゃ
       ならねぇんだよ……っ
       たかがメール一通(いっつう)……
       なのに、この 『 破壊力 』 ……
       こういうときに
       冷静に対処を出来るヤツが
       要(よう)は彼女とかが
       出来るか出来ないかの
       違いってことに
       成るのかなァ――っ !?
       なんで、こんなに
       あれやこれやと
       おれの気持ちを
       かき乱すんだよ
       チキショ――っ!

       とりあえず、弁当を
       食っていて気づかなかった
       ことにするか……っ?
    】

    *******************

    C 「 おまえなんか
       様子がおかしいぞ?
       大丈夫か?
    」

    A 「 え? あっ、いや……
       なんでもない……
    」

    C 「 メール、何のメール
       だったんだ?
    」

    *******************

    A 【 チキショー、川崎(かわさき)――っ
       余計なことを
       聞いてくるな――っ !?
    】

    *******************

    A 「 いや母ちゃん
       からだった……っ
    」

    C 「 おまえ、親なんかと
       メールしてんのかよ
       ウチじゃぜってぇ
       考えらんねぇ
       そんなのが来たら
       ガン無視するけどな?
    」

    *******************

    A 【 おれだって、そうだよ
       チキショ――、もし
       母ちゃんからメール
       なんて来ようモンなら
       携帯投げ捨てるくらい
       鬱陶(うっとう)しいって
       想うに決まっているだろ

       そうじゃねぇんだよ
       年上の女子からの
       ちょっと世界観が
       通常世界と何段か
       ズレたトコロから
       送られて来て

       おれの携帯に
       今まさに仕掛けられている
       爆弾のような
       メールなんだよ……っ!
    】

    *******************

    A 「 ま、まァな?
       母ちゃんのメール
       だから……っ
       ほっとくわ……っ
    」

    C 「 そっか、って
       とにかく、なんか大丈夫か?
       おまえ……、なんか
       様子が変だぞ?
    」

    *******************

    A 【 変なときに、優しい
       気遣(きづか)いを見せるな
       この川崎(かわさき)のバカヤロ――――っ!
       おまえがおれの
       母ちゃんかって感じじゃねぇか
       チキショ――っ、ってっ!
       おれ本当、ダメだ……っ
       里美(さとみ)からのメールって
       だけで、それだけで動揺(どうよう)が
       抑(おさ)えられない……っ

       とりあえず、弁当を食っていて
       気づかなかったことにして……
       少しだけ時間を稼ごう……っ

       なっ、なんて
       ヘタレなおれ……
    】

    *******************

    C 「 ときによ? 」

    *******************

    A 【 と、ぶしつけに
       何かを言ってくる川崎(かわさき)
    】

    *******************

    A 「 なんだよ 」

    C 「 おまえ中学のときに
       彼女とか居たのか?
    」

    *******************

    A 【 なんだ、その突然に
       妙にタイムリーな
       質問は――っ !?
    】

    *******************

    A 「 い……っ 」

    C 「 い……? 」

    A 「 いや……、全然
       そんなモン影も形も
       無かったよ
    」

    C 「 そっか 」

    A 「 何で急にそんなことを
       聞いてくるんだよ
    」

    C 「 いや、おまえの
       『 誕生日 』 を
       聞いてくれって
       頼まれてよ?
    」

    A 「 ハァ……?
       なんだ? それ
    」

    C 「 おまえのことを
       気に成っているヤツが
       居るみたいだぞ?
    」

    *******************

    A 【 うァ――――――――っ!
       里美(さとみ)のことか
       そっ、それは――――っ!?
    】

    *******************

    A 「 そ、そんなヤ、ヤツ……
       いや、そ、そんなの……
       は、初めて、聞かれた、ぞ……
    」

    C 「 そんなに浮かれるなよ 」

    *******************

    A 【 と、笑う川崎(かわさき)
       てめぇ判(わか)ってやってんじゃ
       ねぇだろうな――ァ !?
    】

    *******************

    A 「 ちょっ、ちょっと待て
       相手は誰なんだ? まさか
    」

    C 「 なんだ 『 まさか 』 っていうのは
       想い当たる相手でも居るのか?
       もうバレているってんなら
       直接言っちゃっても
       いいのかな?
    」

    *******************

    A 【 何をだよ――っ! とにかく
       余計なときに、余計な話を
       持ってくるな、この
       川崎(かわさき)ぃ――――っ!
    】

    *******************

    C 「 いや、相手が
       バレているってんなら
       おまえから気持ちを
       聞いちゃった方が早いだろ?
    」

    A 「 ちょっ、ちょっ
       ちょっと待て、待ってくれっ
    」

    C 「 おう 」

    A 「 学年は同じ学年か? 」

    C 「 なんだ? 違う学年だと
       ダメなのか?
    」

    *******************

    A 【 違う学年の人なのか !?
       その人は―――― !?
       やっぱり、里美(さとみ)なのか
       その相手って
       いうのは――――ァっ !?
    】

    *******************

    A 「 ちょっと、とにかく
       ちょっと今は待ってくれ
       今、おれ、忙しい
    」

    C 「 何がだよ
       バイトでも始めたか?
    」

    *******************

    A 【 始めてねぇよ
       そんなんじゃねぇんだよ
       肝心(かんじん)なとこは気づかねぇで
       変なトコばっかり
       気に掛けてくるな
       この川崎(かわさき)ぃいぃい――――っ!
    】

    *******************

    A 「 大事に行きたい……
       わかるだろ?
    」

    C 「 まァな? せっかくの
       そういう恋愛ごとだったら
       大事にした方がいいもんな?
    」

    *******************

    A 【 相手は誰なんだよ
       そのおれに 『 気がある? 』
       みたいなのは……っ

       そんなにいっぺんに
       何人もから来るモノなのか?
       だとしたら、やっぱり電波に
       載(の)って乗り込んでくるヤツか !?
       相手はヤツなのか――?

       もう―― この川崎(かわさき)の
       バカヤロ――――っ!
       変なタイミングで妙に
       気に掛かるような話を
       持ち掛けられて来るな
       この川崎(かわさき)ぃぃぃ――っ !!
    】

    *******************

    C 「 大丈夫か? おまえ……
       やっぱ様子が変だよ
       熱があるんじゃねぇか?
       保健室に連れて
       行ってやろうか?
    」

    *******************

    A 【 だから! 変な部分に
       優しい気遣(きづか)いを見せるな
       この川崎(かわさき)ぃぃ――――っ!!

       ふう……、川崎(かわさき)のせいで
       結局、里美(さとみ)に返す文章を
       ユックリと考えられなかった
       じゃないか……、って……
       関係を断ち切(た き)るっていう
       『 選択肢(せんたくし) 』 は
       何処(どこ)に行ったんだ?
       とち狂った考えって
       想っているんじゃ
       なかったのか?
       里美(さとみ)のことは……っ

       チキショー……
       メール返信、来ないって
       落ち込んだりしていねぇ
       だろうなァ……?

       弁当を食っていて
       気づかなかったの
       言い訳が通用する時間は
       もう過ぎちまったぞ……っ
       全部、川崎(かわさき)のせいだ
       この川崎(かわさき)ぃぃ……っ!

       あァ…………
       どうしよ、ホント……

       だが、何だろうか?
       ひょっとしたらだが
       里美(さとみ)の他に今おれに
       対して 『 好意 』 を抱(いだ)いて
       くれているような
       『 奇特(きとく)な女子 』 でも
       居るのだろうか?
       川崎(かわさき)から直接聞き出すか……?
       だが、それもタイミングを
       失ってしまったような感じだし
       全部おまえのせいだ
       川崎(かわさき)ぃぃ…………

       とりあえず、里美(さとみ)に……
       5時限目が終わったら
       すぐにメールを返すか……っ
       って、完全に返す気満々
       じゃねぇかおれ……っ !?
       どうするんだ? 電波な
       女子とは縁を切るんじゃ
       なかったのか…………っ?
    】

    *******************

    A 『 まだ、想い出せていない
       ごめん……
    』

    *******************

    A 【 とりあえず、授業中に
       こっそり打って
       送ってしまった……

       どうすんだよ?
       相手は 『 前世(ぜんせ) 』 だぞ?
       それも平安時代に貴族だった……
       なんて……、どう考えても
       今、そういう風な想いに耽(ふけ)って
       居たいっていうだけで……
       本当はおれのことを好きとか
       そういうことでは無くて
       たまたま居合わせた
       新入生の一人を
       からかっているだけって
       ことだって考えられなくは
       無いんだぞ……?

       『 年上の彼女 』 ……
       そんなモンが簡単に
       出来るってんなら
       中学のときにある程度
       目立っていたおれに
       既(すで)に何らかの
       女子からのアクションが
       あってもおかしか
       ねぇってんだよ

       それがまったく無かった
       ようなヤツを本気で
       『 好き 』 になんて
       成ってくれるか?

       部活もやっていない……
       この高校だって偏差値
       ギリで受かったようなモンで
       学年で行けば成績は下の方だ……

       高校に入ってからは
       運動部の連中に
       かなうような体力が
       あるワケでもなく
       見栄(みば)えだって
       パッとしない……

       委員長をやっているって
       いうワケでも無い……
       そんなおれに
       『 上級生の女子 』 が……?

       いつまで、ちゃんと
       相手をしてくれるか?
       怪(あや)しいモンだ……
       後(あと)に成って
    】

    *******************

    B 「 あれは一時(いっとき)の気の迷い
       完全に中二病(ちゅうにびょう)だったの
    」

    *******************

    A 【 とか言われたら、それに
       付き合っていたおれまで
       完全に 『 記憶から
        抹消(まっしょう)したい対象 』 に
       されちまう……
       そんな風に想われる
       かもしれないっていう
       トコロまで全然考えないで
       さっき返事を
       返しちまったよ……

       里美(さとみ)……
       おまえ本当は 『 どんなヤツ 』
       なんだよ……?

       クラスでは 『 電波な存在 』 なのか?
       それともおれに対してだけなのか……?
       判(わか)らねぇ……
       こういうとき 『 部活 』 でも
       やっていれば先輩に人脈(じんみゃく)があって
       その人から少しは噂(うわさ)ぐらいは
       掴(つか)めるだろうに
       おれ何にもやってねぇ……
       そうだよ……、おれ何にも
       やってねぇんだよ……

       それなのに……
       ラブレター一枚(いちまい)で
       これだけ、上へ下への大騒ぎ……
       おれ本当なんか……
       ただのヘタレなのかな……?
    】

    *******************

    SE : ビ――――ッ

    *******************

    A 【 しまった!
       電源切って無かったァ!
       って、アイツも電源を
       切って無かったのか !?
       先生にバレたら
       携帯を取り上げ
       られちまう……っ

       周(まわ)りの生徒何人かが
       ビクッと、その音に
       反応していたが

       たまたま先生は
       黒板にチョークを走らせている
       最中で気づかれなかったようだ……っ

       ふ、ふう……、こんなことで
       いちいちビクついて……
       ココ数日のおれのこの
       ヘタレっぷり
       どうにかしてくれ……っ

       などと思いながらも
       内容が気に成って
       携帯を確認した
    】

    *******************

    B 『 焦らないでね、あたしは
       ユキトくんの傍(そば)に
       ずっと寄り添(よ そ)って居たいし
       ずっと待って居るから
    』

    *******************

    A 【 …………
       なんだよそれ……
       ガチって取って
       いいんだろうか……?
       本気で言っているのか?
       でも大体、おれの名前
       『 ユキト 』 じゃねぇし……
       ずっとって、いつまでだよ……
       本当にちゃんと…… つうか
       『 焦らないで 』 って何だよ?
       おれ、何て言っていたんだ?
       やっぱり記憶が吹っ飛んでる
       部分で何かしら意味ありげな
       ことでも言ってしまって
       居たのか……?

       平安時代に一緒だったって
       部分に載(の)っかった憶(おぼ)えは
       おれは無いぞ……?

       ダメだ……、やっぱり
       会ってきちんと話そう……

       その日の放課後……
       メールで会う約束をして
       再びおれは一度は
       『 もう行くまい 』 と決めた筈(はず)の
       あの2年B組の教室へと

       向かった……。
    】


       つづく

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