雑草の言葉

地下資源リサイクルの掟

2007/02/21
ゴミ・廃棄物 4
リサイクル再考5

 地下資源の特徴は、生態系を循環しないと言うことです。(生命に必要な金属元素はごく微量ですので考慮いたしません。)生態系を循環して再生しませんし、新たに生産もされません。・・・鉱物資源を「生産」すると言いますが、ただ掘り起こして精錬するだけの事です。

 そんな地下資源は、人工物質とともに環境汚染物質の大半を占めます。(環境汚染を引き起こす人工物質も大抵地下資源である石油などから作られます。)鉄のように、酸化して土の成分になるものも有りますが、現在のように量が多過ぎれば、やはり環境汚染物質でしょう。

 私のスタンスとしては、生態系の循環に流せないものは、一切使用するな!という事ですから地下資源は、本来一切使うな!と言うべきです。そして、今まで地下資源である石油や鉱物で作っていたものを、
生態系に流せる有機物で代用することを考えるべきだと思います。科学の力を信頼するならば、そうするべきでしょう。
 
 ・・それが駄目なら(そんな悠長な事は言ってられないのですが・・)エネルギーを浪費しない方法でリサイクルを考えるべきです。
・・それは、金属を出来るだけ混合して使わないと言うことです。「単体は資源」「混ぜれば(エントロピーの増大)ゴミ」は基本ですから・・・この頃は至る所合金が主流ですから混ぜないと言うことは大変なことですが、昔は結構単体で使っていた筈です。そこに戻るのです。
 例えばアルミニウムは、ボーキサイトからアルミニウムを精錬するよりもアルミ屑からリサイクルして地金を作る方がコストやエネルギーが少なくて済むから、「リサイクルの優等生」とか「リサイクルの王様と言われてきました。日本でも盛んにアルミ缶のリサイクルが行われてきました。しかし、実はアルミニウムの再生地金は、『劣化資源』なのです。不純物が多く含まれているからです。
 例えばアルミ缶。アルミ缶のプルトップ部分を引けばすぐ開くのは、マグネシウムが混ぜてあるからです。このプルトップの部分の為にアルミ缶のリサイクルは困難になっているのです。(だからプルトップだけ別に回収するのですね。)要するに便利さの追求のために、不純物を混ぜている訳です。
 ・・しかし、こんな事の為に、アルミニウムがリサイクルしにくいと言うのは間違っています。不便でも、アルミニウム100%のものを使うべきでしょう・・と、言うよりも飲料に関しては、使い捨てのアルミ缶を使うこと自体が間違っています。仮にアルミニウム100%の金属缶にしても、その表面に商品名など塗料をぬるし、缶の中にわずかに残った飲み物も不純物になります。そもそも、飲み物を使い捨て容器に入れて販売すること自体間違っています。デポジット瓶(リターナブル瓶)にすべきでしょう。
 
 と、言うことで、地下資源は(短期には)循環しません。だから、基本的には使うべきではありません。実際には大量に使われていますから、このままではいずれ枯渇します。枯渇しないようにする為には、使用を控えることが第一ですが、使う場合は、出来るだけ合金にせずに純物質のまま(低エントロピーで)使うべきです。
つまり、使うときの便利さよりも廃棄して循環させるときの事を優先して考えるべきなのです。

 参考:京都精華大学人文学部環境社会学科 授業公開 細川弘明氏
リサイクルが地球を救わない理由;アルミ缶回収の裏側で  
http://www.kyoto-seika.ac.jp/jinbun/kankyo/class/2003/hosokawa/   

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Comments 4

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スモールイズビューティフル

前に雑草さんが言っていましたが

久しぶりに書き込みさせてもらいます。

リサイクルが環境に良いような風潮になっていますが、
(前に雑草さんが言っていた通り)リサイクルというのは
本当に最後の手段だと思いますね。

おっしゃるように、ペットボトルやアルミ缶は、
たとえ回収率が向上したとしても、
しょせん「使い捨ての容器」だということを
はっきり認識するべきです。

人の慣れは恐ろしいもので、ファーストフード店の
容器はもったいないと思っても、
ペットボトルやアルミ缶には何も感じなくなっています。

わずか20数年前はリターナブルが当然だったんですけどね。
いったい、何がリターナブルボトルの普及を阻止してるんでしょうか?
私は詳しくは分かりませんが、やっぱりこれもメーカーの責任放棄なんでしょうかね?

2007/02/21 (Wed) 20:06

雑草Z

消費拡大の言い訳にもなっているリサイクル

 「リサイクル再考1 【リサイクルには気をつけよ!】」でも書いたように、リサイクルは消費拡大の手段にさえなっています。だから、本来、リターナル瓶を使うべきところにも使い捨て容器のアルミ缶などが使われています。酷いものです。もっと資源は別な節約の仕方が有りますね!(他の4つのR)
>何がリターナブルボトルの普及を阻止してるんでしょうか?
 のひとつの考察をご紹介致します。
自然の摂理から環境を考える  reiko727 さん
【何故ワンウェイ容器がふえつづけるの?】
http://www.sizen-kankyo.net/blog/2007/02/000101.html
スモールイズビューティフルさん、久しぶりのご訪問歓迎致します。いつもなるほどと言うレスポンスを入れて下さいますね!   

2007/02/21 (Wed) 23:43

社枯

リターナブル瓶の存在

>使うときの便利さよりも廃棄して循環させるときの事を優先して考えるべきなのです。
全くその通りですね。
ゴミを処理するのに新たなゴミを産んでしまっては……。

今が良ければいい、という考えは危険だと思います。
何か取り返しのつかないことが起こっても、後悔先に立たずですよね。

企業側の思いと消費者側の思いが一致したと言っても、後々の地球の事などを考えたら、リターナブル瓶を使う方向へ向かって欲しい…ですが、やっぱりそういう方向へ市場を動かすのは簡単ではないですね。

2007/03/15 (Thu) 01:25

雑草Z

自由主義社会の原則は市場を動かす事ですが・・

 市場原理で動いて行けば、
 環境問題が解決するのは、人々がみんな、環境に関するマナーを守って、行動すると言う前提が必要です。
 これは、共産主義は、人々が、それだけしっかりした理念を持ち合わせて気高くなければ、成功しないと言うのと同様でしょう。
 残念ながら、これまでの市場経済は、そのマナーを守らない人に有利に働く面が強くありました。
     2007/3/6 【割れ窓理論】
だから、しっかりした政治家が出て、法律化するべきなのです。
アリとキリギリスのお話ではありませんが、
>今が良ければいい、という考えは危険
ですね。残念ながら、取り返しのつかない事は近い将来起こるでしょう。もう、環境カタストロフィーは避けられないところまで来ているでしょう。問題は、どのくらい生き残り、絶滅を免れるか?という事でしょうか?
 多くの人が、しっかり現状分析出来る真偽眼を持って欲しいですね。

2007/03/15 (Thu) 21:48

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この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー) 元素が気になったぞ

1807年 - イギリスのハンフリー・デービーは水素気流中で融解アルミナを電気分解する手法でアルミニウムと鉄の合金を得た。鉄はアルミナの不純物によるものであった。合金からアルミナを生成できたため、何らかの未知の元素の存在が確認できたことになる。デービーはアルミ

2007/03/04 (Sun) 12:44 by 元素が気になったぞ
☘雑草Z☘
Admin: ☘雑草Z☘
無理に経済成長させようとするから無理に沢山働かなければなりません。あくせく働いて不要なものを生産して破局に向かっているのです。不要な経済や生産を縮小して、少ない労働時間で質素にゆったり暮らしましょうよ!「経済成長」はその定義からも明らかなように実態は「経済膨張」。20世紀に巨大化したカルト。
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