地下資源リサイクルの掟
地下資源の特徴は、生態系を循環しないと言うことです。(生命に必要な金属元素はごく微量ですので考慮いたしません。)生態系を循環して再生しませんし、新たに生産もされません。・・・鉱物資源を「生産」すると言いますが、ただ掘り起こして精錬するだけの事です。
そんな地下資源は、人工物質とともに環境汚染物質の大半を占めます。(環境汚染を引き起こす人工物質も大抵地下資源である石油などから作られます。)鉄のように、酸化して土の成分になるものも有りますが、現在のように量が多過ぎれば、やはり環境汚染物質でしょう。
私のスタンスとしては、生態系の循環に流せないものは、一切使用するな!という事ですから地下資源は、本来一切使うな!と言うべきです。そして、今まで地下資源である石油や鉱物で作っていたものを、
生態系に流せる有機物で代用することを考えるべきだと思います。科学の力を信頼するならば、そうするべきでしょう。
・・それが駄目なら(そんな悠長な事は言ってられないのですが・・)エネルギーを浪費しない方法でリサイクルを考えるべきです。
・・それは、金属を出来るだけ混合して使わないと言うことです。「単体は資源」「混ぜれば(エントロピーの増大)ゴミ」は基本ですから・・・この頃は至る所合金が主流ですから混ぜないと言うことは大変なことですが、昔は結構単体で使っていた筈です。そこに戻るのです。
例えばアルミニウムは、ボーキサイトからアルミニウムを精錬するよりもアルミ屑からリサイクルして地金を作る方がコストやエネルギーが少なくて済むから、「リサイクルの優等生」とか「リサイクルの王様と言われてきました。日本でも盛んにアルミ缶のリサイクルが行われてきました。しかし、実はアルミニウムの再生地金は、『劣化資源』なのです。不純物が多く含まれているからです。
例えばアルミ缶。アルミ缶のプルトップ部分を引けばすぐ開くのは、マグネシウムが混ぜてあるからです。このプルトップの部分の為にアルミ缶のリサイクルは困難になっているのです。(だからプルトップだけ別に回収するのですね。)要するに便利さの追求のために、不純物を混ぜている訳です。
・・しかし、こんな事の為に、アルミニウムがリサイクルしにくいと言うのは間違っています。不便でも、アルミニウム100%のものを使うべきでしょう・・と、言うよりも飲料に関しては、使い捨てのアルミ缶を使うこと自体が間違っています。仮にアルミニウム100%の金属缶にしても、その表面に商品名など塗料をぬるし、缶の中にわずかに残った飲み物も不純物になります。そもそも、飲み物を使い捨て容器に入れて販売すること自体間違っています。デポジット瓶(リターナブル瓶)にすべきでしょう。
と、言うことで、地下資源は(短期には)循環しません。だから、基本的には使うべきではありません。実際には大量に使われていますから、このままではいずれ枯渇します。枯渇しないようにする為には、使用を控えることが第一ですが、使う場合は、出来るだけ合金にせずに純物質のまま(低エントロピーで)使うべきです。
つまり、使うときの便利さよりも廃棄して循環させるときの事を優先して考えるべきなのです。
参考:京都精華大学人文学部環境社会学科 授業公開 細川弘明氏
リサイクルが地球を救わない理由;アルミ缶回収の裏側で
http://www.kyoto-seika.ac.jp/jinbun/kankyo/class/2003/hosokawa/
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