雑草の言葉

 反転攻勢よりも和平

2023/06/19
戦争 2
ウクライナ国旗

 先日NHKのニュースに「ウクライナ、反転攻勢順調」という見出し文が流れ違和感を覚えました。まるでスポーツの応援のような見出しです。日本のマスコミの多くは、完全にNATOウクライナ応援団のスタンスです。湾岸戦争を思い起こします。さらに太平洋戦争中の大本営発表か?・・とも思ってしまいました。
日中戦争

  一方、ロシアのウクライナ侵攻1年目を迎えるにあたり、中国外務省は、この2月に、ロシアとウクライナ両国に対し、「ウクライナ危機への政治的解決のための中国の立場」とタイトルされた12項目からなる和平案をウェブサイトで提示しました。両国に出来るだけ早い時期に直接対話の再開を要求し、停戦の調停役を買って出て、紛争の「政治的解決」を求めています。

 日本のマスコミはこの中国の12項目の停戦案をほとんど流していません。流さないどころか、12項目をしっかり示しもせずに「まやかし」だとか、「信用できない」とか誹謗中傷するか無視を決め込んでいます。

 12項目の中国の提案をネットでやっと見付ける事ができました。
アゴラ言論プラットフォーム:中国発「ウクライナ和平案」12項目
この12項目を転載いたします。
1) 国家の主権を尊重:一般に認められている国際法と国連憲章は「厳密に」遵守されなければならない。

2) 冷戦の考え方を放棄、自国の安全のために他国を犠牲にしてはならない。

3) 敵対行為をやめる:全ての当事者は「合理性を保ち、自制を保ち」、紛争を煽ってはならない。

4) 和平交渉の再開:対話と交渉がウクライナ危機に対する唯一の実行可能な解決策だ。

5) 人道危機の解決:人道危機の緩和に貢献する全ての行動は「奨励され、支援されなければならない」

6) 民間人と戦争捕虜の保護:全ての紛争当事者は、国際法を遵守し、民間人や民間インフラへの攻撃を回避する必要がある。

7) 原子力発電所の安全確保:原子力発電所への武力攻撃を拒否する。

8) 戦略的リスクの軽減:核兵器は使用されるべきではなく、核戦争は行われるべきではない。

9) 穀物輸出の促進:全ての当事者は黒海穀物協定を実施する必要がある。

10) 一方的な制裁を止める:一方的な制裁と圧力は問題を解決できず、新しい問題を生み出すだけだ。

11) サプライチェーンの安定化:全ての関係者は、既存の世界貿易システムを維持し、世界経済を政治目的の武器に使用してはならない。

12) 復興計画:国際社会は、影響を受けた地域で紛争後の復興を実施するための措置を講じるべきだ。

 特に批判すべき内容の項目は無いのではないでしょうか?それどころか、かなり妥当な内容で、(一部修正するとしても)一刻も早くこの方向で停戦に向かうべきでしょう。
 この内容を受け入れれば、中国の台湾侵攻に対しても中国自ら足枷をはめる事になり、日本など中国の周辺諸国にとってもいい提案とも言えるでしょう。戦争前からロシア・ウクライナ双方と繋がりの深かった中国だからこそ出来る仲介役かも知れません。
ウクライナ侵攻地図

 それなのにアメリカを筆頭にNATO諸国はこの提案を「幻想を抱くべきではない」とか、「評価に値しない」とか、「中国には裏の目論みがある」とか(・・それもあるでしょうけれど、そんなことを言うのならば、アメリカのやることも表向きと違った裏ばかりでしょう。)アメリカバイデン大統領にいたっては「ロシア以外の誰も利することはない」とまで言っています。実際に読んでみて、そんな内容でしょうか?中国の提案だから嫌なのでしょう。そこにウクライナの一般国民に対する配慮は感じられません。どこの国の案とかよりも、先ずは停戦して和平を達成することが優先でしょう。
 アメリカは、停戦をさせたく無く、戦争を長引かせて、ウクライナにはあくまでも戦って欲しいようです。
 ロシアを弱体化させることと、中国に手柄を立てさせたくない事、そして武器を売りつけてアメリカ軍需産業を潤し続けるために、戦争を続行させたいようです。自国の利益ばかり優先で、ウクライナ国民の事は二の次なのでしょうか?酷い話です。
 私がウクライナ人ならば、停戦条件に不満があったとしても、一刻も早く停戦して欲しいと考えるでしょう。家族、友人、国民が武器でいつ殺されるかわからない状況は一刻も早く脱したいと思うでしょう。反転攻勢から戦争が長引けば、犠牲者がもっと沢山出ることでしょう。ウクライナ国民のことを優先しないウクライナ支援って何なのでしょう?
 この件に関して、反転攻勢を支援し、戦争の続行を煽るアメリカと、停戦・和平案を出した中国と、どちらがまともと言えるでしょうか?

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Comments 2

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爽風上々

反転攻勢

反転攻勢などできるのかどうか疑っていましたが、攻勢に出ているのは確かなようです。
しかしロシア側も強硬に抵抗しており膠着状態か。
それにしても「集落いくつかを取りもどす」って、ほとんど聞くこともない「集落」単位でしか語れないほど戦線が動かないんですね。
それでも双方で多数の死傷者が出ているようです。
どちらもほとんど素人の召集兵がほとんどでしょうから、死ななくても良い場面で戦死することが多いのでしょう。
「耐えがたきを耐え」っていう言葉がありましたが、戦争を避けるということはある場面では非常に屈辱的な妥協をしなければならないこともあるということです。
その精神のかけらもないのがプーチンとゼレンスキーです。
もうその二人に棍棒でも与えて代表殴り合いでもさせるのが一番かもしれません。
それじゃはやりプーチンが勝ちか。

2023/06/21 (Wed) 05:45
☘雑草Z☘

☘雑草Z☘

Re: 反転攻勢

>ほとんど聞くこともない「集落」単位でしか語れないほど戦線が動かないんですね。

そうだったのですか?その情報は知りませんでした。そんな膠着状態ならなおさら今が停戦すべき時ですね。
このまま戦争を続ければ犠牲者ばかりが増えて、戦争はなかなか終わらないでしょう。

>「耐えがたきを耐え」っていう言葉がありましたが、戦争を避けるということはある場面では非常に屈辱的な妥協をしなければならないこともあるということです。

おっしゃる通りです。非常に屈辱的でも、先ずは国民の安全、命を守ることが最優先でしょう。
最前線に送られるどちらの兵士も、家に居ても爆弾が飛んでくる一般市民も悲惨過ぎます。
プーチンもゼレンスキーも、自分は前線に行かずに「撤退しない」とか「徹底抗戦」とか言っているのが、腹ただしい限りです。

>棍棒でも与えて代表殴り合いでもさせるのが一番かもしれません。

そうですね。一方が降参するか死ぬまでやらせればいいと思います。

私は中国の12項目提案は、裏の狙いがあるにしても、西側、特にアメリカの反転攻勢支援よりは遥かにまともないい提案だと思います。

2023/06/22 (Thu) 04:46
☘雑草Z☘
Admin: ☘雑草Z☘
無理に経済成長させようとするから無理に沢山働かなければなりません。あくせく働いて不要なものを生産して破局に向かっているのです。不要な経済や生産を縮小して、少ない労働時間で質素にゆったり暮らしましょうよ!「経済成長」はその定義からも明らかなように実態は「経済膨張」。20世紀に巨大化したカルト。
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