「小錦さんの腎臓移植 ～妻からの愛の贈り物で迎えた新たな人生～」

 

99.9歳まで生きられる——。

2023年12月23日、神奈川県鎌倉市の病院。サンタクロースの衣装に身を包んだ元大関・小錦さんは、そう笑顔で語りました。

妻の千絵さんから腎臓の提供を受け、新たな人生を歩み始めた小錦さんの物語です。

 

小錦 サンタ姿 記者会見

 

小錦さんが腎臓移植を受けた理由

 

 

相撲界の巨星として、また引退後はタレントとして私たちの身近な存在となった小錦さん（60）。実は2016年頃から、腎臓の調子が良くありませんでした。

相撲時代、250キロを超える巨体で観客を魅了した小錦さん。その体格が、静かに影を落としていたのです。担当医によると、体重過多により腎臓に負担がかかる肥満性腎症という状態だったとのこと。

そのため、これまでに150キロ台まで減量に取り組んできました。しかし、今年6月に体調が悪化。精密検査の結果、腎臓の働きが弱まっている状態（腎不全）であることがわかりました。

このように、小錦さんは長年にわたり腎臓の不調と向き合ってきました。では、どのように移植手術という決断に至ったのでしょうか？

妻・千絵さんからの臓器提供という決断

 

小錦 千絵夫人

 

「クリスマスプレゼントをもらったから、もうもらえないかな。嫁に感謝。ラブをたっぷりあげよう」

記者会見での小錦さんの言葉には、妻への深い感謝の気持ちが溢れていました。

実は当初、小錦さんは妻からの臓器提供にためらいを感じていたといいます。しかし、千絵さん（48）が前向きな姿勢を見せてくれたことで、決断することができました。

「相撲界でも苦しんでいる方がいる。兄も5年くらいドナーを待っているので、こんなに早く手術を受けられると思わなかった」

と小錦さん。家族の中でも腎臓病と向き合ってきた経験が、今回の決断に影響を与えていたのかもしれません。

このように、夫婦の深い絆と信頼関係が、新しい人生への一歩を後押ししました。では、実際の手術と回復はどのように進んでいったのでしょうか？

移植手術から回復までの道のり

11月20日から入院し、12月4日に移植手術を受けた小錦さん。手術は成功し、経過も良好だったため、予定通り12月23日に退院することができました。

手術前は165キロあった体重も、現在は150キロ台まで減少。担当医は「健康に生活できる」と、今後の見通しについて明るい見解を示しています。

このように、手術から回復まで順調に進んできた小錦さん。現在はどのような生活を送っているのでしょうか？

現在の健康状態と新しい生活

 

 

クリスマスイブ前日の退院会見で、サンタクロースの衣装に身を包んだ小錦さん。その表情からは、新しい人生への希望と喜びが溢れていました。

11月の九州場所前には福岡の武蔵川部屋で稽古を見学するなど、相撲界とのつながりも大切にしている小錦さん。来年の大相撲について「琴桜は横綱になる」と期待を寄せるなど、元気な姿を見せています。

米ハワイ出身の小錦さんは、高砂部屋に入門後、突きと押しの相撲で3度の優勝を飾り、外国出身力士として初めて大関に昇進。1997年の引退後は親方となり、その後タレントとして活躍してきました。

そんな小錦さんが、今回の経験を通じて多くの人々に伝えたいこと。それは臓器提供の大切さ、そして家族の愛の力なのかもしれません。

「クリスマスではラブをあげたい」という小錦さんの言葉には、妻への感謝と、新しい人生を共に歩んでいく決意が込められているようです。

これからの小錦さんの活躍に、ますます期待が高まりますね。