「人々を助けるために、我々はただ最善を尽くすのみです」
これは、ラトビアのある消防士の言葉です。先日、ラトビアの消防署がある現場映像を公開しました。それはなんと、上の階から落下してきた人を窓から身を乗り出した消防士が空中でキャッチするという衝撃の瞬間!!
勇気と決断力でひとりの人の命を救った、消防士チーム決死の救出劇をご紹介したいと思います。
【わずか13秒の救出劇】
ラトビア消防署のFacebookページに公開されたのは、窓から上を見上げる消防士と、その足元をガッチリと支える消防士の姿を後ろから撮影した映像。
窓から身を乗り出している消防士は、しきりに上層階の様子をうかがっていましたが……次の瞬間、上から落下してきた女性をがっしりキャッチ! 3人がかりで女性を窓から引き上げたところで、映像は終わっています。この間、たったの13秒。
消防士の勇気と一瞬の判断で、ひとりの命が救われた瞬間でした。
【「私達はただ最善を尽くすのみです」】
海外サイト「Boredpanda」によると、この消防士はキャリア5年目のTomas Jaunzemsさん。この日は「アパートの4階から飛び降りようとしている女性がいる」との通報を受け、チームで現場に向かいました。
屋上からアプローチするチームと、階下から救出するチームの二手に分かれてスタンバイしたところ、屋上チームが辿り着く前に女性が窓から滑り落ちてしまったそう。
「過去にこういう状況に遭遇したことはなかったですし、ましてや、落ちてくる人を途中でつかむなんていう訓練はしたことがありませんでした」Tomasさんは、Boredpandaのインタビューにそう答えています。
つまり、階下で女性を受け止めるという判断は、その日の現場状況で下されたものだということ。それでも、Tomasさんはやり遂げたのでした。
「消防士には、1日たりとも同じ日はありません。毎日が困難と挑戦の連続です。それでも私たちは、人命救助のためにただ最善を尽くすのみです」
【動画再生数44万回!!】
Facebookページでのこの動画の再生数は、現時点でなんと44万回。コメントも数多く寄せられており、消防士チームへの称賛はもちろん、飛び降りた女性へ言葉をかける人も。
「この動画見てる間、心臓が止まってた」
「俺だったら背骨折ってるか一緒に落ちてるな……」
「今まで見た中で一番素晴らしい出来事の一つだわ」
「尊敬します。まさに称賛に値するヒーロー!」
「助かった女性が、然るべき援助を受けられるといいね」
「こうして助けられたことが、彼女が生きる理由になりますように」
たった13秒ですが、この動画はわたしたちに「生きること」と「死ぬこと」について、深く問いかけてくるような気がします。そして日々、その境界線で戦っている人たちがいるのだということを教えてくれました。それは、助ける側だけの話ではなく、です。
ただ「決定的瞬間」というだけではない何かがあるからこそ、この動画が多くの人の心をとらえているのかもしれない。私はそう感じました。
【消防士という仕事】
お恥ずかしながら、わたしは消防士の仕事について「火事のときに出動する」というイメージしかありませんでした。もちろん、国によって消防士の仕事の範囲は違うでしょう。実際のところ、どの国であれ、火事がもっとも出動件数の多い仕事なのかもしれません。
それでも、火事にせよ事故にせよ災害にせよ、人命救助の場面ではきっとどんな前例も通用しない。常に最善を模索し、ときには自らを危険にさらしながら誰かを助けるために全力を尽くす――消防士という仕事に従事する人々に、改めて尊敬の念を抱きました。
参照元: Facebook、Boredpanda
執筆=森本マリ (c)Pouch
▼一瞬の救出劇!
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