天子山(572m)
昨晩夜更かししたせいか、目覚めると9時過ぎとすっかり寝坊。
近場の文殊山とも思ったが、もうカタクリもほとんど枯れてしまっているにちがいない。
春の花々を求めて、以前から気になっていた奥越の山に向かう。
天子山(あまごやま)(標高572m)

場所は大野市の先日訪れた矢ばなの里のすぐ北西にある山で、
山名は雨乞山から転じたと謂れ、曹洞宗開祖の道元禅師ゆかりの山とされる。
矢ばなの里を過ぎ、庄林交差点を左折。大矢戸、小矢戸方面に進んでいくと、

弓形に弧を描いた山並みが見えてきた。この辺りに矢とか矢戸、大月といった地名が多いのはこのためなんだろうか?
登山口を示す看板がなかったので、農作業されている女性にうかがったところ、

行人岩(ぎょうにんいわ)という看板に従い進んでいくと小屋があり、登山口とのこと。

看板から高架する林道を越えて2分ほど進んでいくと、

教えられた小屋が見えてきた。

11:18 行人岩休憩所(標高約217m)

車を停めて準備をしていると、小屋の中からラジオの音が聴こえてくる。
他の車はないけど、誰かいるのかな?
小屋の中には80代ぐらいと思しき、地元の古老が1人居られた。

小屋には沢水が引き込まれていて、可愛らしい水車もあった。

車に戻り準備を続けていると、古老が出てこられた。
古:『あんちゃん、今から行人岩に登るんけ?』
よ:「あ、はい。」
なんか話好きそうな感じで、もしかしたら捕まったかな?(笑)
古:『本当ならワシも一緒に登りたいんやが、なんせ近頃足を悪くしてしもうて・・・』
よ:「そうですか。。。それは残念ですね(笑)」
しばらく天子山のことについて、いろいろお話を聞かせていただく。
古:『実はあんちゃんに頼みがあるんやけど・・・』

そう言うと古老はポケットから使い古したナイロン袋を取り出し、私に差し出す。

(まさか、山菜でも採ってきて欲しいというんじゃないよな・・・)
古:『行人岩に賽銭箱があるんやけど、
その中身をこの袋に入れてきてくれんやろか?』

な~んだ、そんなことならお安い御用です。
古:『ほうか、行ってきてくれるか! ほな頼んだよ!』
なんかRPG(ロールプレイングゲーム)の一場面のようだな(笑)
11:27 行人岩参拝登山道(天子山登山口)(標高約218m)

行人岩の由来

行人岩までの細かい距離も分かる案内板も設置されている。

これらは古老を始めとする大矢戸保存会の方々が整備されたそうだ。ありがとうございます。
シモクレン(紫木蓮)

古老に見送られながら、勇者よっし~の冒険が始まる(笑)

でも僅か835mで、標高差300m以上あるんだよな。。。(汗)
まずは杉林の中をなだらかに登っていく。

ミヤマカタバミ

カタクリ

花を愛でて、よっし~の戦闘力が10Pアップする(笑)

3分ほど進むと林道に出合う。ここが本来の登山口のようだ。

登山道脇のカタクリはまさに満開!

前方に小屋が見えてきた。

11:35 休憩小屋(標高約300m)

まだ真新しい感じで、中にはベンチやテーブルもあって休憩できる。

お泊りですか。お泊りなら8ゴールドになります(ウソ)

外には水場もあった。こ、これは伝説の賢者の泉だ!(大ウソ)

冷たくて美味しい!
よっし~のライフポイントが10P回復!

付近には岩が目立ち、一瞬もう行人岩?と期待したが、全然先だった。

ここからは谷筋を登っていく。

ヤマブキ

トキワ(シロバナ)イカリソウ

トキワイカリソウ

白、紫ともに中腹一帯に咲いていた。
タチツボスミレ

いやらしい傾斜のつづら折れの道が続くが、

カタクリを始め、色んな花たちが出迎えてくれ、戦闘力がさらに10Pアップ。

特にカタクリは山麓から3合目付近まで両脇に群生していた。
これは何という花だろう?? ハナイバナ?

花や葉の特徴から、ムラサキ科だと思うのだが・・・
(追記)
NeNe隊長から教えていただいたところ、これはヤマルリソウ(ムラサキ科)だそうです。
さすが隊長!(笑)
これはゼンマイじゃないんですよね、隊長!?(笑)

11:48 3合目(標高約350m)

遠くからだと3の字が8に見えて、もう8合目だ!とぬか喜びしてしまった。

前方には試練の谷が立ちはだかる。Orz

よっし~は30Pのダメージを受ける(笑)

キクザキイチゲ

これは薄青のイチゲ。

ヤマエンゴサク

葉はオダマキ属に似ているが、この花も何だろう??

(追記)
これもNeNe隊長、山の青レンジャーさんからのご指摘で、オダマキと同じキンポウゲ科の
アズマイチゲ(イチリンソウ属)だそうです。ご教授ありがとうございます。
前方にまた小屋が見えてきた。あれが5合目?

だいぶ登ってきたけど、まだ半分も来ていないんだ。さらに10Pのダメージ。

モミジイチゴ

バラ科の木苺で、果実は食用できる。
12:08 5合目(標高約455m)

3~5合目間(250m)はやたら長く感じた。立ったまま小休止し、ライフポイントを回復させる。
いかにも手作りといった感じのベンチとテーブルが設置されている。

もしかしてあの古老がここまで運んでこられたのかな?
ここからの眺めはよく、北側には経ヶ岳や法恩寺山。

東方向には百名山の荒島岳が望める。

キンキマメザクラ

12:15 6合目(標高約490m)

一転、5~6合目間(65m)はえらく短かい(笑) この辺りではやたらカナヘビが目に付いた。
6合目から行人岩までは残り200mもないのだが、

急尾根を直登していくので、息が上がり立ち止まりが激増。Orz
ホイミの呪文を唱えるが、全く効き目なし(笑)
前方に大きな岩が見えてきた。あれが行人岩か?

行人岩手前で展望台(山頂広場)と分岐するが、古老との約束を果たすべく、先に行人岩へ。

12:27 行人岩(9合目)(標高約545m)

屋根のように大きくせり出した大岩は幅約15m、高さ約11m。
かつて禅宗の修行僧たちが、ここで座禅を組んで修行したとされることから、

道人窟、行者窟とも呼ばれる。
風化してかなり見えにくくなっているが、岩に修行僧の名前などが刻まれている。

(え~っと賽銭箱は・・・ あった!これだ)

よっし~は聖なる袋を取り出し、賢者の箱のお賽銭を回収する(笑)
麓の古老に知らせるべく天子の鐘※を打ち鳴らすと、虹の橋が現れた(大ウソ)

※勝手に名付けました(笑)

小休止した後、展望台(山頂広場)に向かう。

ショウジョウバカマ

山頂付近はタムシバが満開だった。

12:39 天子山山頂(展望台)(標高572m)

タイムは1時間12分。わずか1kmほどのコースだが、かなりキツい登りだった。
広場になっており、ベンチやテーブルの残骸があった。積雪で壊れてしまったのだろう。
ほとんど知られていない無名の山だが、山頂からの眺望はまさに絶景!
正面(東)には大野市街と荒島岳(1523m)

右手(南)には大野市民からと御岳(嶽)さんとも呼ばれ、親しまれている飯降山(884m)

背後には銀杏峰(1441m)や部子山(1464m)も望めた。
左手(北)には経ヶ岳(1625m)や法恩寺山(1356m)

残念ながら白山は望めなかった。
天子山から弧状の尾根続きにある禅師王子山(ぜんじおうじやま)(585m)

永平寺を開山した道元禅師が吉峰寺に入る前に籠ったとされるのが、
この山麓にある禅師峰寺(ぜんじぶじ)で、そこから名付けられたようだ。
小矢戸・西大月方面に縦走でき、古老の話では先日4人組の女性グループが縦走されたそうだ。
ただしあまり整備されておらず、ほとんど廃道状態だそうで、しかも意外と距離があり、
藪だらけで急峻な岩場もあるらしい。
よっし~は”ヤマメシ”の呪文を唱える(笑)

ライフポイントが50P回復するww

食後は、展望台から禅師王子山に続く道を少し下調べ(13:15)

踏み跡はかろうじて分かるが、マンサクのダンジョン(藪)が行く手を阻み歩きづらい。


1つ先の小ピークまで行ったところで引き返す(13:20)

タムシバ

いつか縦走してみたいが、下草が茂るこれからの季節は一段と困難な道になりそう。

少し霞が取れてきたのか、おぼろげながらも白山が見えてきた。

もう少し粘りたいところだが、古老が待っているので下山しよう(13:29)

ルーラが使えればいいのに。。。(笑)
13:32 行人岩分岐

急坂は滑り易いので慎重に。

13:38 6合目(標高約490m)

13:40 5合目(標高約455m)

辛かった試練の谷も、下りは軽快に下っていく。

13:49 3合目(標高約350m)

13:55 休憩小屋(標高約300m)

13:59 林道出合(標高約245m)

モンスター(ガマガエル)登場!

危うく踏みそうになる(笑)
14:00 登山口(標高約218m)

下りは31分。山中では誰とも出会わなかった。
古老は待ちくたびれたのか、林道脇にシートを敷いて寝転んでおられた(笑)

よ:「お待たせしました。お約束通り、回収してきましたよ。」
古:『おうおう、すまんの~ ありがとう。』

こちらこそお役に立てて嬉しいです。
古:『あんちゃん、また登りにきねの~。』
よ:「はい、またきます。お父さんもお元気で!」

マイナーな山だとなめていたが、カタクリの群生を始め、春の野草の豊富さには正直驚いた。
また山頂からの眺望も素晴らしく、無名なのが信じられないほど。
もっと人気が出てもいい山だと思う。ただし登りのキツさは鬼ヶ岳以上ですが。。。(笑)
矢ばなの里ちかくの畦道に咲くシバザクラを見ながら家路につく。


なお有名な新丁(しんようろ)トンネル付近は、まだほとんど咲いていませんでした。


天子山(572m)
標高差354m
登り 1時間12分、下り 31分、TOTAL 2時間45分
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