生きるとは、言いかえれば「絶対に相手に取られない」と言う意味です。生きていれば、その石は例え周りを囲まれてしまっても、取られることがありません。逆に死ぬというのは、取られる運命にあることをいいます。
下の図を見てください。このような形の時、次に黒がAと打てば白石を取れます。
では、下の場合はどうでしょうか。黒は次にAの所へ打とうとしても、ここは石を打つと同時に相手に囲まれてしまう場所になるので、打つことができません。(くわしくは相手に囲まれる場所には打てないのページをご覧ください。)
上の図のように、次に白石を取れるという時には打つことができるのですが、この場合はBの所が1つ空いているので取ることができないのです。先にBのほうから打とうとしても同じことです。
つまりこの形は、黒からAにもBにも打つことができないので、例え周りを全部囲んだとしても、絶対に取ることができないということになります。これが「生きる石」です。生きる石には上のようにAとBの2つの部屋があり、これを眼といいます。この眼を2つ作れば生きることができます。
例えば下の図は上に黒の陣地、下に白の陣地ができています。それぞれの地を数えてみると、黒が36目、白が27目になっていますね。すると、この場合は黒の陣地のほうが多いので、黒の勝ちとなります。
ところが下のように黒の陣地の中に、白の生きた石ができたとするとどうなるでしょうか。
白は27目の地と、上の生きた石の2目の地を合わせて全部で29目あります。黒はたったの10目しかありません。今度は白の勝ちになりました。
つまり、相手の陣地の中で自分の石が生きてしまえば、相手の地をたくさん減らすことができるのです。
ただし、下のように眼が1つしかない場合は要注意です。1眼だと相手の石に囲まれると全部取られてしまいます。さらに取られた石はアゲハマとなり最後に自分の陣地に埋められて地が減ってしまいます。