『FF5』のストーリーは『FF10』の半分のボリュームだったか
一部引用だけだと文脈が伝わらないかも知れないので、出来れば原文を読んでもらった方がイイかもです。
<以下、引用>
坂口「最近、RPGを最後までプレイしない方も多いですよね。」
岩田「そうですね。メディア容量が増えて、すごい物量が入るようになりましたよね。
だからつくり手としては、たくさんつめ込んだほうがお客さんは嬉しいと考えるのかな、と思うんです。
でも、たとえるなら毎日美味しいフランス料理を食べつづけていたら、やがては食べ飽きてしまうのといっしょで、同じ手法でゲーム容量ばかり増やしても、やがて飽きられてしまうように思います。
だから、どうしたら最後までプレイしてもらえるか・・・途中で料理を食べ飽きないためにはどうするべきかが大切なんでしょうね。」
坂口「そうですね。」
</ここまで>
※ 改行は引用者の手で行いました。
坂口さんというのは『ファイナルファンタジー』シリーズの生みの親で、現在『ラストストーリー』を制作中の坂口博信さんです。岩田さんというのは任天堂の社長の岩田聡さんです。
「社長が訊く」という媒体の特性上、「最近のゲームってつまんねえよな!」みたいな話は出来ないでしょうから100%の本音ではない部分もあると思うんですが……とりあえず岩田さんの見解に、自分は異論があるなと思って今日は記事を書きます。
増えた部分は何だったか?
スーパーファミコンの『ファイナルファンタジー5』は、自分は20~30時間くらいでクリアしたのを覚えています。とりあえずエンディングまでは。
PS2の『ファイナルファンタジー10』は、自分は50時間前後でクリアしました。これもとりあえずはエンディングまでの話。
プレイ時間はおよそ倍。
しかし、「ストーリー」に限定すれば「『FF10』が『FF5』の倍のボリュームのストーリーだった」とは思いません。好き嫌いは置いといて、体感の「お話の長さ」としては同じくらいかむしろ『5』の方が長い物語だったように思い出せます。
『FF10』にあって『FF5』にないものは、そりゃ沢山ありました。
ムービーがあって、ボイスがあって、3Dの美しいグラフィックに豪華な音楽、ブリッツボールのようなミニゲーム……などなど。
しかし、ストーリーに関しては「同じくらいの長さのお話」を、50時間かけて味わうのと20~30時間かけて味わうのとでは、前者は薄味・後者は濃味に思えますよね。同じ「原作漫画2冊分」を「27話」にするのか「14話」にするのか、みたいな話で。
むしろ50時間の方は、ムービーやらボイスやら3Dのグラフィックなどで水増しされて、味の薄くなったカルピスのようなストーリーに思えてしまうのです。
あれ……この例えをすると、あたかも自分が『FF10』を嫌いなようじゃないか。
そんなことはないのです。自分がやった『FF』シリーズの中では『5』も『10』も同じように上位に好きなタイトルだから例に挙げただけです。ただ、昔に比べて「引き伸ばされている」感は確実にありました。
自分が一番最近遊んだ3DのRPGが2001年の『FF10』という辺りに、「RPGってのはとにかく時間のかかるゲームだなぁ」という自分の気持ちが反映されているのだろうなと思うのです。
坂口さんは「最近、RPGを最後までプレイしない方も多いですよね。」と仰っていましたけど、そういう人はまだマシな方で、「最近のRPGは時間がかかるから買わないし遊ばない」って人の方が多いんじゃないかと僕は思っています。
『ドラクエ』『FF』『ポケモン』以外のRPGが苦戦している&新規のRPGのヒット作が随分と出ていないというのは、その三作品以外の“RPG市場”が縮小しきってしまったということなんだと思うんです。
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○ RPGとストーリー
ということで、RPGにおける「ストーリー」の役割は昔と随分変わったんだろうなぁと思います。
かつては「ゲームでストーリーを表現したいならRPG」という時代がありましたけど、RPGが3Dになって、開発期間が長くなって、(中古対策もあって)プレイ時間過多になって、その割にはストーリー自体の長さはさほど変わらないから密度が薄くなって。
その間にノベルゲームの隆盛や2Dアドベンチャーゲームの復活、3Dのアクションアドベンチャー系が強くなり。
今では「RPGで体感するストーリー」に、ユーザーが魅力を感じていないんじゃないかなぁと思うのです。もちろん根強いRPG人気というものを否定はしませんけど、『ドラクエ』『FF』『ポケモン』を除けば30~40万本付近に上限がある市場になりつつあると思いますもの。
動画共有サイトの問題も、自分はあまり詳しくないんで何万人くらいが「動画共有サイトでイイやー」と思っているのかは分かりませんけど……「動画共有サイトのせいでゲームの売上げが落ちている!」というのが本当ならば、RPGの場合「ストーリーは見たい」「でもそれ以外の部分が長くなり過ぎていて面倒」って人が動画共有サイトでストーリーの部分だけ見ているんじゃないのかなぁ。
スーファミ時代は20~30時間で体感できたストーリーが、最近のゲームは50時間とかかかっちゃうから、動画共有サイトでストーリー以外の部分は早送りして10時間で楽しめた―――みたいなカンジで。
自分は動画共有サイトをほとんど使わないんで憶測ですけど、使う立場の人を考えるとこういう思考なのかなーと思います。もちろん違法コピーは違法コピーなんでそれが正しいなんて言うつもりはありませんけどね。
「お金がない」だけじゃないと思うんですよ。
「RPGで体感するストーリー」の方に限界があるんじゃないかなと思うのですよ。
でも、『ラストストーリー』含めて、「どうです!新しい要素を足しましたよ」「コレとコレとコレ!」「こんなに色んなことが出来るんですよ!」「物凄くたくさん楽しめますよ!」「すごいでしょ!」と言ってくるRPGがほとんどで……それでは、「最近のRPGは時間がかかるからやりたくないなぁ」という人は戻ってこないと思うんですけどね。
どうすんのかなぁ、コレ……
開発費を高騰させて「すごいゲーム」を作り続けているゲーム会社と、「そこまでは求めてなかったのにな…」というユーザーとの差が広がっていることが原因だと自分は思っているんですけど。DSが3DSになって、PSPがPSP2になったら、もっと深刻な問題になるんじゃないかなぁ。
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