次世代を担う「クリエイティブチーム」 第3回

2014年設立のスタートアップながら、新価値創造プロジェクトの実績は150社以上というNEW STANDARD(東京・世田谷)。それを可能にしたのがノウハウのメソッド化と、ミレニアル世代やZ世代に関するデータベースだった。

NEW STANDARDで新価値創造プロジェクトに携わるメンバー。テレワークで働いており、本社に集う機会はあまりないという(写真/志田彩香)
NEW STANDARDで新価値創造プロジェクトに携わるメンバー。テレワークで働いており、本社に集う機会はあまりないという(写真/志田彩香)

 日経デザインの特集「次世代を担うクリエイティブチーム」第3回で紹介するチームは「NEW STANDARD」。2014年創業で、ブランドコンサルティングファーム、マーケティング&クリエイティブエージェンシー、シンクタンクという3つの事業を展開。創業10年目のスタートアップながら、アサヒビールやTOPPAN、アシックス・ジャパン、オルビス、ヤマハ発動機など、名だたる大手企業150社以上の新価値創造のプロジェクトの実績を持つ。

 NEW STANDARDは元々、スマートフォンを軸にした、世界中から集めた新しい気づきや価値観と出合えるミレニアル世代及びZ世代向けライフスタイルメディア「TABI LABO」の運営会社として設立された。共同創業者であり、代表取締役CEOを務める久志尚太郎氏は、「創業時からメディアのビジネスで勝つことは考えていなかった」と話す。

 久志氏の言葉通り、17年には、TABI LABOの運営で培ったミレニアル世代やZ世代の知見を生かし、クリエイティブ制作やプロモーションプランニングなどを展開するブランドスタジオ事業に進出。19年にはさらに事業を拡大するため、米IDEOのコーポレート・ベンチャー・キャピタルであるD4Vなどの出資を受け、社名もNEW STANDARDに変更した。

久志尚太郎氏(写真/志田彩香)
(写真/志田彩香)
久志 尚太郎(くし しょうたろう)氏
NEW STANDARD 代表取締役
「この世界は、もっと広いはずだ。」をパーパスに、創作、経営、研究を行う。デザイン思考や意味のイノベーションが専門。外資系IT企業や社会起業家を経て、2014年TABI LABO(現NEW STANDARD)を創業。経営学修士、東京大学大学院工学系研究科共同研究員

暗黙知をメソッド化

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