2024年10月4日発売の「日経トレンディ2024年11月号」 ▼Amazonで購入する では、「スタートアップ大賞2024」を特集。スタートアップの穴熊が仕掛けるメッセージアプリ「Jiffcy(ジフシー)」が現在、大学生や中高生から絶大な支持を得ている。リアルタイムに極めて近い、テンポの良いやり取りができる即時性が人気の理由だ。

※日経トレンディ2024年11月号より。詳しくは本誌参照

「Jiffcy(ジフシー)」。電話のように呼び出して、相手が応じると共有画面でのチャットを始められる。入力中のテキストも相手が把握でき、入力が速い若者ならほぼリアルタイムでやり取りできる。電話を使えない状況でやり取りしたい時にも便利だ (画像/stock.adobe.com)
「Jiffcy(ジフシー)」。電話のように呼び出して、相手が応じると共有画面でのチャットを始められる。入力中のテキストも相手が把握でき、入力が速い若者ならほぼリアルタイムでやり取りできる。電話を使えない状況でやり取りしたい時にも便利だ (画像/stock.adobe.com)

【スタートアップ大賞】穴熊

設立:2018年1月/社員数:4人/累計資金調達額:約1億5000万円
新規性★★★/影響力★★/成長性★★★

【こんな未来を創造】
従来のメッセージアプリをしのぐ!「テキストで“即時通話”」が標準に

 2011年に産声を上げた「LINE」は今や生活インフラとなった。相手とテンポよくやり取りできるメッセージ機能がその原動力だが、24年、そんなLINEの地位を脅かす新生アプリが注目されている。スタートアップの穴熊が仕掛ける「Jiffcy(ジフシー)」だ。世のトレンドをけん引する大学生や中高生から、現在、絶大な支持を得ている。

 Jiffcyの強力な武器が、王者LINEなどのメッセージアプリを超える即時性。入力中の文字が変換前も含めてそのまま相手のスマホ画面に表示される。送ろうとしている内容を想像しやすいため、相手は返信の入力を素早く始められる。結果としてリアルタイムに極めて近い、テンポの良いやり取りができる。

 また、電話のように呼び出し、相手が応じたらやり取りがスタートするので、“テキスト会話”が始まるか否かのいずれかになる点も好評。既読済みだが返事はない……。LINEでよくあるストレスの心配は無用だ。

相手にコールし、出たらテキストで“通話”
相手にコールし、出たらテキストで“通話”

 普及の追い風は若者の“電話嫌い”かつ、超リアル志向という若干矛盾を含む独特のマインドだ。離れた場所にいる相手とのやり取りにはLINEなどのメッセージアプリを使い、電話はほとんど使わない。テキストによるトークの方が圧倒的に楽と感じるからだ。

 しかも、若者はスマホを持った両手の親指を使って高速でフリック入力するのが得意なので、通話と同程度かそれ以上のスピードでテキストを打てる。「通話のようなリアルタイム性や臨場感を味わえる点が受け、トーク回数は既に500万回を突破した」(穴熊代表取締役CEOの西村成城氏)

この記事は会員限定(無料)です。

31
この記事をいいね!する
この記事を無料で回覧・プレゼントする